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トンニャン最終章#19 大天使ガブリエル

※この物語は、「阿修羅王」編、「アスタロト公爵」編の、本編です。
話の位置は「リジュの巻」の次、「ガブリエルの巻」のような意。
なお、この物語で「現在」「今」という場合は「日本民族が滅びてから約1000年後」のこと。つまり、今から何千年後かの未来です。
また、特定の宗教とは何の関係もないフィクションです。

「私の両親を知ってるって、言ったわよね?」
「えぇ、ミカエル様は確かにそう言ったわ。四大天使、皆、知っていたと」
四大天使が人間を助けるべく消えた後、コーラは混乱の中にいた。
 
「今は、そんなこと言ってる時じゃない。眼の前のことをしよう。ミカエル様たちも言っていた。世界中の隠れていた神々が目覚めた。我々もできることをしなければ。」
「クビドの言うとおりだ。コーラ、チェリー」
 
コーラとチェリーはうなずいた。
と同時に、二人の身体を光が包んだ。
チェリーは、アテナのごとき戦士に。コーラは隠していた四枚の翼を広げ、本来の天使の姿となった。
 
「眩しい。コーラの光がこれほどとは」
リオールは、四大天使が言っていたコーラの両親ことが頭をよぎった。ブラックエンジェルが母親であることは、すでにわかっている。本人は封印されて思い出せない。しかし、天上界でエンジェルスだった時に、おそらくセラフィムとの間にコーラを宿したに違いない。
 
「すごいな。この光。ケルビム(智天使)に匹敵する。コーラは、本物のサラブレットかもしれない」
クビドも驚いている。
 
「二人とも、ごちゃごちゃ言うのは後。行きましょう」
コーラはチェリーに目配せした。
 
クビド・チェリー・リオール・コーラ。さながら大天使がごとく、光輝く翼を持つ光の戦士たちは、逆巻く波に向かって行った
 
ミカエル・・・軍神マルスの息子、クビド。
天帝の娘・アポロンの妹、チェリー。
ルシファーが純粋な天使として生ませたリオール。
そして、ブラックエンジェルと天使長の娘・コーラ。
 
**********
 
「アスタロト、サーティは気を失っているようだな。ここに寝かせればいい」
天の割れ目から見えた球体の中は、外から見たのとは大きく違い、広くサーティにふさわしいベッドも用意されていた。
「トンニャン、久しいな」
 
アスタロトは、何十年か前、トンニャンがアシュラとアスタロトに捕えられた時のことを思い出していた。
「あの時は、世話になったな、アスタロト」
いや・・・拘束しようとして、失敗したんだ・・。
 
サーティをベッドに寝かせると、トンニャンはアスタロトをお茶に誘った。
 
「こんな時に・・・」
あっという間に、アスタロトの部屋のようにロココ調の装丁になる。大理石のテーブル、敷き詰められたバラ。そして、ローズティー。
いつも、リジュが入れてくれたローズティー。

続く
ありがとうございましたm(__)m

トンニャン最終章#19 大天使ガブリエル

※アスタロトとリジュ、そしてアスタロトのロココ調の部屋についてはこちらから
アスタロト公爵編「悪魔の君主アスタロト公爵」

https://note.com/mizukiasuka/n/n40ff2414da00?magazine_key=mf04f309d9dfc

【「炎の巫女/阿修羅王」全国配本書店名110店舗はこちら
https://note.com/mizukiasuka/n/ne4fee4aa9556 】

次回トンニャン最終章#20 ガブリエルへ続く
https://note.com/mizukiasuka/n/ned7e346f212e

前回トンニャン最終章#18 ガブリエルはこちらから
https://note.com/mizukiasuka/n/n0f65bcaa0bd7

トンニャン最終章、最初から読めるマガジンはこちらから
https://note.com/mizukiasuka/m/mb128933fa182

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