トンニャン#23天使チェリー
※この物語は、「阿修羅王」編、「アスタロト公爵」編の、本編です。
「チェリーの巻」のような意。話の位置は前回の「コーラの巻」の続きです。
なお、この物語で「現在」「今」という場合は「日本民族が滅びてから約1000年後」のこと。つまり、今から何千年後かの未来です。
また、特定の宗教とは何の関係もないフィクションです。
「そうよ、チェリー。私を、ハイスクール以前に出会った時に救ってくれた、トム・クワイエットとトーニ・バロンの子孫。
かつてイギリスにいたクワイエット家はトムの孫の代に一族でアメリカに移住してる」
それを遠目で見ていたアシュラが突然近づき、クリスタルに両手をつけた。
「おい、今の話し本当か?」
チェリーとコーラが頷いた。
「トンニャン、この子は神永龍と香月夕の子孫だ。
日本民族は絶滅したが、海外で血筋を残した者がいる。
純血ではないが。龍と夕の子孫は、孫の代までは何人かいたが、ひ孫は女の子が一人だけだった。
そのただ一人の女の子がアメリカに嫁いでいる。その子孫がこの子だ」
偶然はこれだけに留まらなかった。
「待てよ。この波動は・・・?トンニャン、クリスタルに触ってみろ」
トンニャンはアシュラをいぶかりながら、言うとおりにした。
「!!」
トンニャンがクリスタルから手を離し、怒りにまかせて、大理石のテーブルに拳を叩きつけた。
「こんなもの偶然ではない。必然だ。仕組まれたとしか思えない」
皆一様に不思議そうな顔をした。
「クックの転生だよ」
「クックってあの・・・」
チェリーが言葉に詰まると、アシュラが補足するように話し始めた。
「クックは人間の黎明期に、トンニャンが出会った少年だ。
一九七〇年代、アメリカにエドアルドという少年として転生していた。
それが千年以上の時を経て、コーラの友人と俺の友人の子孫として生まれた子供に転生したんだ。こんな事、仕組めるのは一人しかいない」
皆アシュラの言わんとすることは解ったが、その仕組んだ者の名前を、誰も口にする事は出来なかった。
「私がこの子を明確に見たのは、翼の痕が現れた時のような気がする。
天使の力なのかしら。大きな意味があるように思えたの」
「わかった、調べてみよう。リオール、力を貸してくれ」
「あ・・・あぁ。」
クビドはリオールと一緒にクリスタルに触れた。
「これは・・・!!皆、クリスタルに触れてみてくれ。二人だけでは、確信できる自信がない。」
チェリーをはじめとした全員がクリスタルに触れた時、皆に同様の感覚が流れた。
「まさか・・・。そんな事が。これこそ、仕組まれたというべきじゃないのか?」
アシュラの嘆きが六人の胸を貫いた。
「チェリー、この子の名前は?」
「・・・ノエル・クワイエットよ、トンニャン」
「クビド、この子は大人になって誰と結婚する?」
「結婚は、遅い方だ。
今まだ学生でアメリカ留学中のカタリーナ・グラウンドが、養子としてカールというドイツ系アメリカ人と結婚し、仕事の関係でアメリカに住む事になる。
その間に生まれる予定のメアリー・グラウンドと結婚する事になる。
だから、二人は年が離れた夫婦になるだろう。メアリーはアン・バスカントとネッド・グラウンドの子孫にあたる」
「アンの!!いったいどこまで・・・。
時間はどのくらいある?
ノエルとメアリーが子や孫を持ち、一族をなすまでに、時間は?」
続く
ありがとうございましたm(__)m
※トンニャンシリーズの「〇〇の巻」noteなら、ほぼ五回。
これから時間のある時に、一挙に五話アップします。
たまにしかアップできないので、お時間のある時、ゆっくり一話ずつ読んでくださると嬉しいです。
トンニャン#23天使チェリー
トンニャン#24天使チェリーへ続く
https://note.com/mizukiasuka/n/n8a0281b33781
トンニャン#22天使チェリーはこちら
https://note.com/mizukiasuka/n/n61837bfe0336
最初からトンニャン#1は
https://note.com/mizukiasuka/n/n2fc47081fc46
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