カオル#24
杉原には朝のうちに挨拶をすませていた。
杉原はこの一年のカオルの成長を認め
こころよく送り出していた。
晃二ももう止めなかった。
ただ、さよならだけは言うまいと 決めていた。
突然 柚季が走り出し、カオルの腕にしがみついた。
「やっぱりいや!
私のことは もう何とも思ってないから、
行かないで!」
泣きながら懇願する柚季を、カオルはゆっくりと引き離した。
「金髪ちゃんには、まだ本当の自分が見えないのか。
自分にふさわしい男はそこにいるだろう。」
カオルはそう言って、柚季を晃二の方に押し出した。
柚季が振り向くと、晃二がこちらを見ていた。
カオルは振り返らず歩いて行った。
しばらく歩いて ふと後ろを見ると
晃二と柚季が重なって見えた。
カオルは微笑んで、また歩きだした。
それから大きく伸びをした。
「さあて、どこへ行こうかな。」
カオルの頭上には、青空がどこまでも広がっていた。
終わり
2001年平成13年9月29日(土)
余談
これは1997年平成9年5月9日(金)に見た夢が
元になっています。
作ってつなぎ合わせてますが ラストのカオルの
「まだ本当の自分が見えないのか~~」
というセリフは 夢の中と 全く変わっていません。
もちろん 名前などは後で考えましたが
カオルは 当時 飛鳥薫というペンネームを
使っていた私が なぜかカタカナでスラッと
出てきた名前です。
(勝手にペンネーム、ただの人でしたが)
実は 書かなかった続きがあり
3年後 晃二が他県の大学に行って
水商売をしているカオルと再会
大人になった二人は関係を結んでしまう
さらに 柚季とも同じ町で再会
柚季は この話の後 失踪
その理由が義父(母の再婚相手)に
犯されたことだった とわかり
晃二は柚季とも関係を結んでしまう
しかし カオルと柚季は 同じ町にいて
お互いの存在を知らない
両方を愛してしまった晃二は
両方と切れない
三角関係・・・
という のが 頭の中だけにありました。
でも 結局続きは書かず
現在にいたっています。
と いうのは ドロドロしすぎて
未来が見えず どうしても
幸せな結末が見えないのです。
で アイディアだけが 宙に浮いて
そのままに なっているのでした。
最後まで読んでくださってありがとうございましたo(^▽^)o
カオル#24
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