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かげろう奇譚#8(石ノ森章太郎萬画館)

敷地内の北道路に面して小さな商店街がある。

その中に その 床屋 が あった。

北出口を出て目の前にあり、

和美と弟はこの床屋に通い始めた。

床屋が混んでいる時は、並んでいる少年マガジン等を

読んで待っていた。

その中に1969年の 少年サンデーがあり、石森章太郎連載

『闇の風』 が あった。 

読み進んで行くうちに、和美は戦慄を覚えた。

金縛りにあったように 体が動かない。

心臓の鼓動だけが高鳴り、その空間だけが

止まったようだった。

忘れていた夢が まざまざとよみがえり、

和美を支配した。

『闇の風』 は、双子の少年が、

一人は忍者、一人はお城のお殿様として

育てられる物語だった。

かげろう奇譚#9(石ノ森萬画館)へ続く
(2002年作品)

最新作「駒草ーコマクサー」
弟が最後に見たかもしれない光景を見たいんですよ

HP/過去作品も掲載していますhttps://www.reservestock.jp/stores/index/30553?agency_code=

かげろう奇譚#8(石ノ森萬画館)



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