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巴の龍(ともえのりゅう)#22

菊葉(きくは)は苦笑しながら二人の兄を

交互に見た。

「では、わたくしがお二人を 兄上とお呼びしましょう。

葵(あおい)様も お連れすればよいではありませんか。

太刀(たち)の腕は 兵衛(ひょうえ)兄上以上なのでしょう?」

はパッと兵衛から離れると、

菊葉にすり寄った。

菊葉は 少し動揺の色を見せた。

「女同士、仲良くしよう。

あ・・・大悟(だいご)も、って呼んでいいよ。

同い年だし!」

こいつからは 逃れられないのか・・・。

兵衛は心の中で思ったが、

あきらめの表情で歩き始めた。

丈之介(じょうのすけ)は若い四人の旅立ちを見送りながら

新たな戦いを予感していた。


新城(しんじょう)の城が怒りで震えている。

「なに、菊葉を取り逃がしたと・・・。

黒龍がやられるとは!

何だ?その・・・巴の龍(ともえのりゅう)とは・・・。

許さんぞ、菊葉

桔梗(ききょう)め、あの強情な女!

今度こそ 涼原(すずはら)一族を根絶やしにしてくれる!」


旅立つ若者の行く手には、暗雲立ち込め

険しく壮絶な運命が待ちうけていようとは、

まだ誰も知らない。

                終わり

2003年平成15年1月16日(木)~20日(月)

(原案 1994年平成6年6月21日(月)

思案 2000年平成12年11月1日(水)

長編 2001年平成13年11月9日(金))

私の作品は夢作品が多いような印象があるかもしれませんが、

実際 夢作品 夢ヒントは 30%くらいです。

この作品は ぼーっとしていて つらつら 浮かんだのが

最初で 私の作品には珍しく 何度も内容を変えて

書きなおしています。

この作品が最終で 続きはありません。

話のベースは 長編に描かれており(原稿用紙280枚くらい)

基本は同じですが 兵衛のキャラが かなり

違っていて、この話は兵衛が主人公ですが

長編では三男 三つ口菊之介(きくは)が主人公です。

三つ口定継(みつくちさだつぐ)に捕らわれた母を助けるため、

新城を 取り戻すため 妖怪と戦いながら旅して行って

兄弟が だんだん 再会してゆく話です。

架空の国々 山々や川 

北燕山(ほくえんさん)西燕山(さいえんさん)

南燕山(なんえんさん)

樹林川(じゅりんがわ)邪虚川(じゃっきょがわ)

新城 サライ 来良(らいら) 甘露(かんろ)

粛清(しゅくせい) 安寧(あんねい) 朱欄(しゅらん)

蛇骨(だこつ) 龍王(ロンワン)という島がラストステージ

登場人物もさらに加わって 

桐紗 芹乃 源佐 源一郎 等・・・

いつか 長編をご紹介できるといいのですが・・・

280回くらいに なるかもしれない・・・。

(この作品を書いた当時は、書き直しは珍しいことでした。しかし、今は、何度も書き直すのが、当たり前になりました)

ありがとうございましたm(__)m


巴の龍(ともえのりゅう)#22

新作駒草ーコマクサー」
弟が最後に見たかもしれない光景を見たいんですよ

SIRIUSの小箱」ってなあに?
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巴の龍#1最初から こちらからhttps://note.com/mizukiasuka/n/n6785ce9c010e

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