見出し画像

エンドレスヒールⅡ-3.11 #18あさみの場合

T北福祉大学の説明会は、ネットで地図を出して車で行った。
浅海の車は中古で買ったので古いこともあって、ナビはついていなかった。しかし、ネットで印刷したものにボールペンで行く先の道筋を書きいれてくれたため、わかりやすく間違わずに着いた。

実際、T北福祉大学は住宅地にあり、一方通行もあって わかりずらい道だった。
それを間違わず来たので、かなり早く着いてしまい、余裕をもって指定の教室に入ることができた。
大学案内 通信部案内 通信部入学案内等 いくつかの書類をもらい、席に着いた。
浅海には 初めての大学だった。

浅海は三人の男の子を関東大学に出しており、長男・次男は卒業して そのまま関東に就職していた。
そして三男は大学二回生。
もし、浅海が4月から通信部に入学すれば、二十歳の三男と同じ大学生になる。
最初の二年間は 大学生同士。
そう考えると、二年は息子に負けまいと頑張れる気がした。

しかし、残り二年。四年間で卒業できれば、の話だが、子供が就職してしまうと、モチベーション的にキツクなりそうだった。
浅海の場合、通信部四年間いかないと、四年分の単位を取得しないと、精神保健福祉士の受験資格は得られない。

もし、浅海が他の大学を卒業していたら、基礎科目を取得しているので、二年間勉強すれば「精神保健福祉士」の受験資格が得られるのだ。
若い時の四年間と、子育てが終わりかけた残りの人生を生きる浅海の四年間では、全く違う。

四年後、もし卒業できても、受験資格を得られても、国家試験に受からなければ「精神保健福祉士」には なれない。
三人の子を成人させた浅海の歳では、ある意味 無謀な挑戦かもしれなかった。

2011年6月18日(土)
続く

 エンドレスヒールⅡ-3.11 #18あさみの場合

かあさん、僕が帰らなくても何も無かったかのように生きていってね

次回 エンドレスヒールⅡ #19はこちらから
https://note.com/mizukiasuka/n/ne78edc7fca9a

前回 エンドレスヒールⅡ #17は こちらから
https://note.com/mizukiasuka/n/nac5f7ac187b6


②エンドレスヒールⅡ あさみの場合 最初からはこちらから
https://note.com/mizukiasuka/n/n799a32079029


①エンドレスヒールⅠ 和美の場合 を最初から、まとめて読めるマガジンは、こちらから
https://note.com/mizukiasuka/m/m3589ceb09921


もしよろしければ、サポートしていただけると嬉しいです。いつも最後までお読みいただき、ありがとうございますm(__)m(*^_^*)