エンドレスヒール#61 -3.11
この物語はフィクションであり、登場する人物・団体等は架空のものです。
2010年初頭
ノアヒール講座に、今まで様々な講座に出た和美に、哲学・宗教学・心理学の本を読んだり、様々な集会に参加した経験のある和美は、他のものとは違うものを感じた。
その時は、たぶん まだ自分でも よくわかっていなかったかもしれない。
しかし、どんな宗教の勧誘にも、どんなスピリチュアルの講座でも、心が動かなかった和美が、決して何にも縛られたくない、と思っていた和美が、何故か その日のうちに入会してしまった。
ノアヒールはNPOだった。
NPOは ノン プロフィット オーガナイゼーション 民間非営利団体 という意味。
かつて 子供向けのイベントを行うNPOに努めてたことのある和美はNPOがどんなものであるか知っていた。
たまたま。NPO法人が認められる時に、そのNPOで仕事をしていたため、さんざんNPOについて勉強させられたのだ。
だから、NPO法人であることは、信用に足るものの一つではあった。
しかし、もちろん それだけではない。
須藤 聡子さんという人に 魅力を感じたからだ。
その時は、わからなかったことが今は よくわかる。
何物にも縛られないと思いこんでいた自分が、実は囚われていたことを。
箱の中の 井戸の底に囚われていた女の子は、自分という殻から抜け出ることが出来ていない和美そのものだった。
東京に帰る須藤さんや 講師のらこさんを会場のエレベーターで見送ると、和美たちは同じグループになった四人で携帯のアドレス交換をした。
まだ遠慮がちに話していた四人が、再び再会するのは それから一ヶ月後だった。
和美の提案で、ランチをすることになったのだ。
計画は百香がたてて、店の予約などしてくれた。
何か とても嬉しかった。
何か 心が弾んだ。
冷静に考えると その時は 新しいことへの見えない窓口に立ち、心のワクワクを押さえられなかったのかもしれなかった。
2011年5月17日(火)
エンドレスヒール#61 -3.11
かあさん、僕が帰らなくても何も無かったかのように生きていってね
次回 エンドレスヒール#62 へ続く
https://note.com/mizukiasuka/n/n0542c05a9025
前回 エンドレスヒール#60 は こちらから
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