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エンドレスヒールⅡ-3.11 #22あさみの場合

T北大学への申し込みが済んですぐ、浅海は体調を崩した。
年末からの風邪・高熱・喘息発作、そしてなんとか峠を越して仕事をしていたが、本調子では無かった。
白血球が一月から一万を超していた。
しかし、疲れやすくはあったが、それ以外の異常を感じてはいなかった。

浅海にとっては青天のへきれき。
3月初めのレントゲン検査で、片肺が真っ白だった。
医者は「肺結核」を疑い、ツベルクリン反応の結果が出るまで、三日間仕事を休んだ。
しかし、その時、結果は「好酸球肺炎」となり、肺結核の疑いが晴れて仕事に復帰できた。

初めから短期のアルバイトだったので休みたくはなかった。
しかし、年始と三月初めでトータルで5日間も休んでしまった。
今まで、どんな仕事をしても、最初の半年で欠勤したことは無かった。
浅海には、大きな打撃だった。

また、好酸球肺炎も一週間ほ毎日通って点滴したおかげで、肺もきれいになった。
しかし、一度起こしてしっまった この肺炎は、好酸球が増えると また発病の可能性がある。
三月末で仕事が終わるのは、良かったのかもしれない。
末日で契約満了で辞めたら、養生しよう。

そう、決めていた。

そんな時、すっかり忘れていた図書館から電話が来たのだ。
体も回復傾向にあり、時間的にも一ヶ月に働く日数も、そして家からの距離も、様々な条件が理想的だった。
すでにT北大学に入学申し込みをしていた浅海だったが、福祉に本腰を入れようとした時に、本の世界に引き戻された思いがした。

2011年6月22日(水)
続く

エンドレスヒールⅡ-3.11 #22あさみの場合

私は泣いていない。理屈で理解しても、感情では納得していない。
私はもう一生、大丈夫にもならないし、落ち着くこともないだろう。

次回 エンドレスヒールⅡ #23はこちらから
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