巴の龍（ともえのりゅう）＃１２＆閑話休題・人物関係図
「それは、わたくしの・・・。お返しくださいませ。
母の形見にございます」
「母の形見・・・」
丈之介は その鍔（つば・刀の鍔）をしげしげと見つめた。
「この鍔は わしが作ったものだ」
少女が驚きの目を向けた。
丈之介は 鍔を見つめたまま 少女に問う。
「母の・・・名は？」
少女は うつむいた。
「言えぬか。では、もうひとつ。わしは菊葉（きくは）殿を着替えさせた。
これがどうゆうことか わかるな」
丈之介が顔を上げた。
「事情を聞くには、やはりこちらも名乗らねばならないか」
少女は顔をうかせて、丈之介を盗み見るようにしている。
「わしは草薙丈之介（くさなぎ じょうのすけ）。
菊葉殿を助けたのは 息子の大悟（だいご）。
この鍔は、妻の桔梗のために作り、妻の太刀についていたものだ」
少女は顔をあげ、目を大きく見開き、ふるえる手で丈之介の鍔を持つ手にふれた。
「お父上様・・・」
巴の龍＃１２
ありがとうございました。＼(^o^)／
閑話休題
ここまできて、少し整理しましょう。
まず ①
草薙丈之介（くさなぎ じょうのすけ）（桔梗の従者だった）
の妻は
涼原桔梗（すずはら ききょう）（涼原の姫だった）
② 丈之介と桔梗の子供
長男 涼原兵衛（すずはら ひょうえ）１６歳
（涼原洸綱に育てられる。
いいなづけは 涼原 葵）
次男 草薙大悟（くさなぎ だいご）１５歳
（父・丈之介に育てられる。
父以外に人を見たことがなかった）
なぞの少女 菊葉（きくは）？１３歳
（桔梗の娘？丈之介との関係は？）
③ 桔梗の兄の家 涼原家
涼原洸綱（すずはら たけつな）
（桔梗の兄、かつての新城の国の城主）
涼原 葵 （すずはら あおい）
（洸綱のひとり娘・兵衛のいいなづけ）
④ 宿敵
三つ口定継（みつくち さだつぐ）
（南の果ての蛇骨（だこつ）から新城を攻め滅ぼした。）
さて菊葉は 何者なのか？
桔梗は生きているのか？
三つ口定継の残党狩りは？
逃げた兵衛、そして葵は？
兵衛と太刀を合わせた少年は？
狩りに出た 大悟は？
次回 巴の龍 お楽しみに！
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弟が最後に見たかもしれない光景を見たいんですよ
巴の龍＃１３へ続く
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巴の龍＃１ こちらから
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