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エンジニアの職業がなくなる?GPT-4がもたらす変化

エンジニアの職が消えてしまうのかもしれない。

そんな不安な気持ちが、GPT-4の驚異的な能力を目の当たりにした瞬間、研究室の学生たちの目に現れていました。

教師の職も、GPT-4の見事な読解力や推論力、問題解決能力に取って代わられるかもしれないと感じさせる程です。どんな職種でも、多くの人々がこの技術革新が仕事に影響を及ぼすことを不安に思っていることでしょう。

しかし、私の考えでは、エンジニアの職は決して消滅しないと思っています。ただ、GPTがさらなる進化を遂げることで、その役割は確実に変わっていきます。

特に、これまでエンジニアが開発していたプログラムは、これからの時代、GPTが手がける世界へと変わっていくでしょう。つい最近発表されたGPT-4は、人間が書いたプログラムを膨大な量で学習し、新たなプログラムを創り出す力を身につけています。

まるで言葉を学ぶ子どもが、話し方を真似て新しい文章を生み出すように、GPT-4はこれまでのコードを分析し、パターンやロジックを把握して、新たなソフトウェアを紡ぎ出すのです。指示一つで、特定の機能を持つプログラムが姿を現わします。「 エンジニアが手書きでコードを編む日々は遠い昔の話」と言うのもすぐかもしれませんね。

そして、GPT搭載のプログラム同士が連携して協調動作する時代がやってくると思います。あるプログラムがアップデートされると、他のプログラムも息を合わせて自動でアップデート。まるで生物が環境の変化に適応するように、ソフトウェアも揺らぎながら進化する力を持つことになります。生物が生態系の中で共生しながら進化していくように、ソフトウェアも自然に適応し続ける力を身に付けるのです。

そんな世界では、エンジニアの役割はプログラムの創造から、むしろソフトウェアが適切に機能し、適応し、進化することを見守り、微調整する役目へと変わっていくでしょう。エンジニアは、新しいソフトウェアアーキテクチャの設計や、ソフトウェア間の相互作用を理解し、介入するスキルが求められるようになるのです。

私の研究の舞台、ALIFE(人工生命)の世界では、生命の本質に触れるかのような、自己組織化や自己複製、自己進化といったプロセスが繰り広げられています。GPTのような技術が進歩し、ソフトウェアが生命のように自律的に機能するようになれば、ALIFEの研究の成果が注目される機会が増えることでしょう。

例えば、Leniaという見たことが無いような仮想生物たちが動きまわる人工生命のプログラムでは、バーチャルな生態系が息づき、そこからさまざまな仮想生物が産声を上げています。Leniaの世界で進化する仮想生物の振る舞いや特性を学ぶことで、エンジニアは進化するソフトウェアの振る舞いを理解し、彼らと協調して働くスキルが重要になるのです。

そして、ソフトウェアが互いに触れ合いながら、環境に適応していく過程は、生態学やALIFE研究から得た知見を活かすことで、理解が深まり、新たな開発の芽が生まれます。生態学的アプローチを取り入れたソフトウェア開発では、ソフトウェア同士の競争や共生といった現象が新たな研究の舞台となるのです。

そうした点で、生物学者や生態学者が自然界で行っている研究と類似しているのです。まるで進化する生物を観察し、研究する生物学者のように、エンジニアもソフトウェアの進化を追いかける役割を担うことになります。

人間の直感や創造性を生かして、独自の視点で評価や解釈を行うことで、より革新的でユニークな機能やアプリケーションが生まれるかもしれません。

このように、エンジニアの役割は、単にコードを書くだけではなく、ソフトウェアが持つ生命的な特性を理解し、それらを利用して新たな価値を創出することが求められるでしょう。

GPT-4の光が差し込む時代の幕開けに、エンジニアの役割は確かに変容を遂げます。しかし、心配することなかれ、私たちエンジニアの存在が色褪せることはありません。むしろ、命のように躍動するソフトウェアと共に歩み、新たな価値を生み出す力を持つエンジニアは、今後一段と輝く時代へと羽ばたいていくと思います :D

今日も最後まで読んでくれてありがとうございました!

では、また!ciao!

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