WOWOWドラマ 『青野くんに触りたいから死にたい』 感想

こんにちは!「青野くんに触りたいから死にたい」、不意に見たら面白すぎて感想を書き始めてしまいました。放送開始のタイミングでもなんでもないけど気にしない💪✨好きな作品のことは書き留めておかねば! 

さて、以下項目ごとにまとめています。
ネタバレも含むので未見の方はご注意ください…!


①全体的な印象


ホラー描写怖いね?!!いや、怖いのは黒青野くんが出現したりする瞬間だけでその時間そんなに長くないけど、青春ラブストーリーかと思ったらそういう側面もあってびっくりした。でも笑えるシーンもあるし、ほどよい刺激感。ちょっと変化球の青春ドラマ見たい時にいい気がする~!
(後日原作でドラマの続きにあたる部分読んだら、じわじわ怖くなる場面あって泣きました。ほんとにホラー苦手な方はそういう場面薄目で読んだ方が良いかも。でも読んだ方が面白い…!)

基本的なストーリーはタイトルの通りで、物語の序盤にちょっとしたきっかけでヒロイン・優里ちゃんと付き合い始めた青野くんがものの2週間で交通事故により他界、絶望した優里ちゃんのもとに青野くんが幽霊になって現れて…というものですが、親友含めたメインキャスト4人で展開していくので、2人だけの世界になって視聴者が置いていかれないの良かった。ちゃんとツッコミ役のいる漫才みたいな安心感があります。場面によっては結構シリアスですが…。

②登場人物たち

刈谷優里
(高橋ひかるさん)


物語の序盤、青野くんに偶然図書委員の仕事を手伝ってもらっただけで「なんで手伝ってくれるの?なんで微笑んできたの?絶対おかしい!〜(中略)〜青野くんが私のこと好きだったらどうしよう…」ってうっとりした顔で優里ちゃんが言い始めた時、「このドラマ絶対オモロい!」ってなりました。恋愛至上主義時代の少女マンガみたいな思考回路を持ってる彼女、声も姿も可愛いけど、言ってることが超怖い。わりと暴走しがちだし、危うさ全開ですが、青野くんや仲間との関わりの中で「何も捧げない」にたどり着く過程が素敵でした。

「超怖い」とか書いたけど、彼女の好きな人への一途さや懸命さ、わかるなと思ったんです。視界がゼロになって、ある意味捨て身とも言えるような行動に出たり、何もかえりみないことが素晴らしく思えたり。でもそれって思考の停止でもあって。意図せずして相手を加害者にしてないか?とか。このドラマでは「幽霊の青野くんに何かを捧げる(=身体を貸すなど)と青野くんがどんどん悪霊化してしまうからやってはいけない」が最初のきっかけになっていますが、現実でも、捧げる方は気が付いたらボロボロになっていて、捧げられた方は誰かが自分のためにボロボロになることに対して感覚が麻痺してみたいなこと、程度はあれど結構ある気がしています。このドラマでは、そういう意味での「無償の愛」を否定してくるところが新鮮でした。

そして高橋ひかるさん、出演されているドラマを見たのはこれが初めてでしたが、優里ちゃんのちょっと怖いような、でもほわほわしてて可愛いところのバランスや、意を決して黒青野くんに立ち向かう姿良かった…。喋り方にも「良い子だけどクラスでは浮いてる」様子のリアリティがあって、なんかもう…絶妙。原作で今やっているパートも高橋さんの優里ちゃんで見たい。

青野龍平
(佐藤勝利さん)


黒青野が怖すぎて寝れなくなるかと思ったよ!!!
前触れとかなく、急に変身するから予告して?!と思いました。彼には(いわゆる)悪霊化して「黒青野」になった際の記憶はないようですが、普段の青野くんが優しくてお茶目なぶん、ギャップが凄かったです。

ヒロイン優里ちゃんにベタ惚れされる相手役の彼ですが、決して聖人君子などではなく、「エロいことばっか考えやがって!俺の優里ちゃんに近付くな!」(誰)みたいな展開もあって、それが好きでした。でも基本はアップダウンが激しくてびっくりするような行動に出る優里ちゃんに振り回されつつ、彼女と同じ目線になって優しく気遣う姿が恋。あと後に発覚することですが、藤本(後述の青野くんの親友)の身体に入って優里ちゃんとしていた会話や行動が全部藤本の記憶にあって詰められるシーン、大爆笑だった。もっと明るいラブコメでも佐藤さんのお芝居見たい!

今回のドラマ版では青野くんの過去パートはなかったけど、それを示唆するような場面がちらほらあったのでその部分も見たい。佐藤さんの青野くんには明るい陰りがあって、その深みを知りたくなる人物でした。

藤本雅芳
(神尾楓珠さん)


マジで心の底から好きになってしまいぶっ倒れました。ぶっ倒れた勢いで神尾さんが出演されてる「彼女が好きなものは」見た。心に残る作品でした。いや違う、藤本について書かないと。

初めて会った優里ちゃんに「青野の彼女の人?」は全然分かるけど、その後そんな恋愛ぶっちゃけトーク繰り広げるな、こっちがビビるわ!の登場シーンが面白すぎて「こいつ、真顔で面白いこと言うタイプのポケモン…?!好き!」ではあったんですけど、藤本、通常運転だと何もかもがストレートすぎてほんと見てて楽しいのに急にイケメンになるからずるい。あと折り紙同好会所属なのも可愛い。

優里ちゃんと青野くんのロマンスへの巻き込まれ度合いとんでもないけど、無愛想だし口は悪いけど、嘘なく生きていて、優里ちゃんが「わたし、藤本くんみたいになりたい!」って言ったとき、「わかる!」って画面につぶやきました。クラスメイトに「亡くなった親友の彼女と付き合いはじめた」ってうわさ流されて攻撃されても、担任の教師が急に亡くなった青野くんを美化し始めてクラスメイトに彼への賛辞を求めても、揺らがない。優里ちゃんが「肯定する強さ」なら「否定する強さ」でした。

ドラマ内では揺らがないままだった藤本ですが、今後優里ちゃんに惹かれていくんですよね?!「俺だって寂しいよ」の場面とかどうなるの?!!ただ原作と比べた時、作品の再構成の仕方もあって、彼が一番原作と受ける印象が違うなと感じています。幸福な家庭で育った彼が、意図せずして優里ちゃんを傷つけ、2人の環境の違いが浮き彫りになる台詞がこの先あるのですが、ドラマ版の藤本はそんなこと言わなそうなんだよな…。どんな展開になるのか見たい。

堀江美桜
(里々佳さん)


「ホラー映画にはルールがあるの。でも現実にはない」が印象的でした。なにがあったんだろう…?
劇中どんどん襲い来るホラー展開を冷静に分析してくれて、優里ちゃんと藤本にアドバイスしてくれて、彼女がいなきゃ誰も生き残れてない気がしますが、優里ちゃんとの関係で見せる初々しさも好き。友達(になれるかも知れない子)にLINE送って「送っちゃった!」ってなるのすんごい分かる。返事秒で来て喜んでるのも可愛い。優里ちゃんに寄り添ってくれる女の子の友達がいることで、ハラハラするストーリーの中、時々心穏やかになれました。彼女は偉大。

③音楽と美術

・音楽

Tempalayさんの曲、めちゃめちゃ世界観とマッチしてて惹き込まれた。エンディングの「おいでおいでおいで…」の歌詞が口ずさみたくなるし、ちょっと怪談とか妖怪ものを思わせるような音が入っていて好き。劇中、青野くんと優里ちゃんの恋愛パートで流れる曲もレトロで可愛くて、でもちょっと浮世離れしてる感じが2人の関係性みたいだったな〜!

・美術

優里ちゃんのクラス、後ろの黒板に「積土成山」ってありますよね?あれ怖いけどこの物語そのものって感じがします。あとは優里ちゃんの部屋の本〜!大量にあるけど、あの一角だけでキャラクターが伝わってくる。いつか何の本があるのか見てみたいけど、物語序盤で買った恋愛テクニック本がほとんどなのかな?謎。

以上、書いても書いても終わらない感想でした!
作品への思いが強すぎる。切実に続きを望んでおりますので、どうぞ宜しくお願い申し上げます!!!




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