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縦に連なって歩く私たちの横を追い越した軽トラが、石造りの立派な門の前で減速して、ゆるり…
うすぐらい へやで ひとり ほんのすこし あけた しょうじの すきまから あおい …
「まだやっとってです?」 21時すぎに扉を開けた、裏通りの小さな居酒屋。食べログで評判が良…
「浮かんできたお魚を捕まえるのよ」 どうすれば書くテーマが見つかりますかと訊いたら、その…
世界には1枚の鏡がある、と遥奈は思っていた。 いつ見ても水平で、鋭利な光りが跳ね返っ…
背が高い。よくわからないけど、たぶん180cm以上あると思う。比較的小柄なわたしと並ぶと30c…
「最近、ことだま診断に興味があってさー」 画面越しに久しぶりに対面した彼女はページに目を落としながら、「みずきって、らしくて良い名前だね」と呟いた。 「そうなの?」 「うん。"み"は流れる水で。ひとところに留まらない、くっついたり淀んだりしない、サラサラしたみずきちゃんらしい感じ」 「あー・・・確かに。あんまり愛着とか持たないから、私って冷たい人間なのかなって思うこともあるけど、それが私って感じもする」 「でしょ。」 彼女はにっこりしながら大きく頷いた。 「それで