雨が降らなきゃ虹は見えない ドラマ「にじいろカルテ」
あまりにも私と状況が似ていたので、私の想いをふまえて、感想を書いてみます。
真空先生の病気は多発性筋炎。
ドラマで描かれていた症状としては、体に発疹が出たり、お茶碗をうまく持てなくなったり、食べ物が飲み込みづらくなったりといったもの。発病する原因が明確ではなく、治療法が確立されていない指定難病。(詳しくはお医者さんに確認してください)
多発性筋炎は大きく膠原病という病気に含まれるんだけれど、私もこの膠原病を発症していて、つまり薬を飲んだり手術をすれば治るというものではありません。
症状も似ていて、手足が不自由になり、関節の痛みが伴い、日常生活に支障が出てきます。だから、「働けなくなる」っていう仕事に対する不安が大きくて、自分にはできることがないっていう「価値のない人間」みたいな感情がどうしても生まれてしまうんですよね。
だから、真空先生が自分の病気を告白した時、朔先生が「患者で医者か。最高じゃねえか」って言ってくれたこと、すごく救われたんじゃないかなと思うんです。
もちろん良いお医者さんであれば、患者さんの気持ちを想像して寄り添ってくれると思うけれど、それでもやっぱり本人にしかわからないツラさはあって。病気の当事者だからこそできること、患者の気持ちが必要な場面は必ずありますよね。
そして、病気のことを親に話せないというエピソード。
私は病気のことがわかって6年ぐらいになるけれど、いまだに親には言っていない(笑)。
ドラマを見ていて、「あー、病気になると、やっぱり同じことを考えるんだなー」って思いました。
私が病気になったことを知れば、お母さんは絶対に自分を責める。「自分のせいで娘が病気になった」「自分がもっと健康に生んであげていれば」「自分がもっと食べ物に気を使っていれば」と、きりがない程思い浮かべてしまんだろう。
幸い?入院や手術が必要な(それで治るような)病気ではないし、見た目も手足を隠しさえすればバレる心配はないから、たまに会うぐらいであれば問題はない。
だけど、やっぱり知っていて欲しいなっていう気持ちはちょっとだけあるかな。
もちろんドラマだし、医療ドラマっていうよりヒューマンドラマっぽくてファンタジー要素もあって、ちょっと違和感を覚える箇所もあるけれど、とにかく、虹の村の人たちが本当に温かいんです。
この村には、まだら認知症で数週間で記憶を失ってしまう人や、突然旦那さんが失踪してしまった人、子供ができなかった夫婦など、色んな人がいて毎日色んなことが起こるけれど、みんなでどうにかしていくんですよね。
小さな村だから、そうするしかないんだけれど、それでも、誰かに責任を押し付けたり、知らんぷりするなんてことはせず、解決方法を自分たちで見つけていく。
結局病気だって、お医者さんなら治せるなんてものでもなく、遺伝とか環境とか食事とか色んなことが複合的に絡み合って発症するもので、自分の体と付き合っていくしかないんです(医療は素晴らしいものです。批判しているわけでは決してありません)。
そこにはどうしたって誰かに頼ることも必要で、だから周りの人たちがあんなに温かかったら、きっと生きていけると思うんです。
虹の村の人たちはみんなで生きていて、真空先生を受け入れてくれた。最高の場所ですね。
病気になったからこそ気付けたことって本当にあって。
周りのサポートや心配が本当に有難くて、逆に自分の友達が病気になった時、私はこんなにも優しくできていたかと、おそらくできていないんじゃないかと思うぐらい、みんなの優しさがすっごく嬉しいんです。
それでもやっぱり、周りに心配かけたくないから、「大丈夫です」っていう言葉を使ってしまう。自分よりも大変な思いをしている人がいるのもわかるから。
だから、朔先生のあの言葉に涙がこぼれました。
土砂崩れの現場でトリアージをしている時、「私は大丈夫なんで」といった女性に対して、怒鳴るように放った一言。
過去に自分の奥さんを助けられなかった朔先生だからこその言葉。
もちろん医者は患者の声に耳を傾けるべきだけれど、周りにもっと大変そうな人がいたり、ちょっとの痛みだったり、気を使わせないために「大丈夫です」って言ってしまう人がほとんどなはず。
でも、誰かに「あなたは大丈夫じゃない」って言ってもらえたら、自分の痛みを知ってくれている人がいたら、うれしいんです。
誰でもいつでも病気になる可能性はあるわけで、それでも生きていかなきゃいけないから、周りに助けてもらうしかない。
それはどうしても申し訳なさが伴うけれど、それでも病気になった自分でも、病気になった自分だからこそできることを探し続けていくしかないなと思いました。
病気を抱える方のご家族なんかに見てほしいドラマだなーと思いました。
虹の村のみんなで歌う曲「虹」
こんな素敵な動画を見つけました。
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