子供たちの学び① 宿題不要論
こんにちは,HARuです。昨日まで教員の働き方改革についてお話しさせていただきました。今日は子供たちの学習について思っていることをお話しさせていただきます。
宿題は必要?それとも不要?
さて,みなさんのお子様の学校では「宿題」が出されているでしょうか。おそらくYESという方がほとんどだと思います。小学校では定番のドリル学習(漢ド,計ドと言われていました)さらにはプリント学習(現在はタブレットもあるので,紙媒体ではないかもしれませんが),そして中学校では「自主学習」という名の謎の毎日1ページノートに学習して提出する習慣。それ以外にも各教科からの宿題が出されていることが多いのでは無いでしょうか。宿題は必要なのでしょうか,それとも不要なのでしょうか。
宿題の目的は?
ちなみに,保護者の方にお聞きします。
宿題はなんのためにあるのですか?
学習習慣を身につけるため?一向に勉強しない子供を勉強に無理やり向かわせるため?漢字や計算能力の基礎を身につけるため?さまざまな理由が考えられます。それは子供達一人一人によって目的が違うからです。ですが,宿題は常に一律で出されます。例えば漢字ドリル。既に知っている漢字。書ける漢字をノート1ページに延々と書き続けることになんの意味があるのですか?私なら,同じ漢字を書く作業(学習ではなくあえて作業といいますが)なら,いかに効率良く書けるかを考えます。一行分部首を書いてからつくりを書いたり,ノート1ページだけが求められているのであれば,文字のサイズを大きくしたりします。果たしてその作業に意味はありますか?
先ほども書きましたが,宿題の目的は子供によりけりです。それを一律に同じ宿題を出すことははっきり言って無意味だと思います。宿題をしなければいけないから学習習慣が身に付くのであれば,宿題がなくなれば学習しなくなるということに他なりません。現に,教員として何度も保護者の方から宿題をたくさん出すように求められました。なぜなら,宿題が無いと子供たちが勉強しないから。それには,教師として敗北感を感じます。
教師は子供に学びを楽しいと思わせる存在でなければいけない
我々教師の大切な仕事の1つは「子供たちに学ぶことが楽しいと思わせること」だと私は思っています。例えば宿題にしても,なぜその宿題が必要なのか目的を子供たちに納得させることが大切です。
勘違いして欲しくないのですが,私は決して学ばなくて良いと言っている訳ではありません。むしろ,子供達は積極的に学ぶべきであると思っています。ただ,それが嫌々やる勉強では意味がないと思っているのです。
自分の考えが変わった出来事
元麹町中学校校長で現在 横浜創英中学・高等学校校長である工藤 勇一先生のお考えを知り,私は衝撃を受けました。以下はあるインタビューの記事ですが,比較的分かりやすくまとまっているので引用させていただきます。
工藤:例えばフィンランドは世界最高水準の学力だと言われますよね。フィンランドの教育改革で最初にやったことは、宿題をなくしたことなのですよ。宿題を出されたら、宿題をこなすことが目的になるでしょう。
―――― とりあえずやらないと、と思います。
工藤:自分に必要じゃないものだとしてもやりますよね。特に一般的な子どもたちは宿題を出すことが目的になるから、わかることをやって、わからないことは飛ばします。勉強は、わからないものがわかるようになれば、学力が向上します。
―――― それが本来の目的であるはずなのに、とりあえず仕上げることが目的になってしまっている。
確かにおっしゃる通り。私も宿題(中学校では「自主学習」と呼び,毎日ノート1ページ分の課題をこなすことを宿題としていることが多い)を提出させることが目的となっていました。学習係という宿題チェック係を作り,毎朝子供たちに声をかけさせる。そして,やっていない生徒は朝の読書の時間を潰して1ページを仕上げる。その1ページは当然身にならない1ページです。大きな文字で英単語を数個羅列したり,答えを見ながらワークの問題と解答を書き写したり,全く意味がありません。でも,それを提出することが正しいことだと思い込んでいたのです。教員としてお恥ずかしい限りです。
食欲がないのに食べても健康に悪いように、やる気がないのに勉強しても記憶力が損なわれ、記憶したことは保存されない。ーレオナルド・ダ・ヴィンチ
最近知ったダビンチの名言です。なるほどなぁ…昔の人たちは本当に素敵な格言をたくさん残してくれています。
宿題は子供の学びの邪魔
子供たちは学びが楽しいと思えば,大人顔負けの知識を披露します。現在テレビ朝日系列で放送されている「博士ちゃん」などがいい例ではないでしょうか。
学びたい!と思っている時の子供たちの能力は大人の想像を遥かに凌駕します。そんな子供たちに強制的にやらせる宿題は学びの邪魔でしかありません。ですので,個人的には宿題は不要派です。お子さんたちがご家庭で学習していないのは,学びが楽しいと教えることが出来なかった周囲の大人たちの責任です。もちろん,自分自身も教えている子供達に学びは楽しい!と思わせることが出来ていない未熟者ですが。
というわけでいつもの様に長くなってしまったので,本日はここまでで😅
いつも長くなり過ぎてしまい申し訳ありません。明日へと続きます。ご興味のある方はぜひ明日もお楽しみに。
以下に工藤校長先生の子育てに関する本のリンクを貼っておきます。ご興味のある方はぜひお読みください。※私は現在工藤校長先生のご著書は全て持っています。とても参考になりますし,何度読み返しても学びがある素晴らしい本だと思っています。
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