胆嚢摘出手術覚書・その1(胆石症発症)

<胆石発見>

10年くらい前、背中の上部に強いピンポイントの痛みを感じ、近所の内科でレントゲンを撮ったが異常なし、しかし私の痛がり方が強いので、即日受け入れてくれることになった大病院の呼吸器外科へ紹介状を書いてもらい、そこでCTを撮影した際に言われた一言が最初だった。

「肺や心臓に異常はないですね。痛みはおそらく悪い姿勢の維持などによる一時的な、筋肉の深いところの凝りだと思いますよ。で、それ以外に分かったことですが・・・ごく小さい胆石がありました」

この当時の胆石は、とても悪さをする大きさではないとのことで、痛みの原因とは考えづらいとのこと、経過観察でいいというし、症状も出ないので、相変わらず放埓な食生活を続けていた。なお背中の痛みは、張り薬と鎮痛剤でその日のうちに消失した。

その後体重も増え、70キロラインを突破。腹も出た。歩行数は多かったが、それだけで特に運動もしない毎日。

そんな2020年8月31日、夕食にカレーライスを食べた1時間後。まずは胃に鈍い痛みが来て、それが次第に強くなり、さらに痛む場所が右の肋骨の裏から背中へ通り抜けていくような激痛に変わったのだ。これは夜間救急受診の必要あるかもと、動けるうちにシャワーだけ浴びて3時間近く我慢したが、じっとしていられないほどの痛みとなったので、タクシーで近くの総合大病院の夜間救急外来へ。呻いていたのを運転手が不振がるといけないので、「コロナじゃないです、熱も出てないし、腹痛なんで」とか言い訳を言ってたような覚えがある。

身体をくの字に折りながら受付をすまし、「早く痛み止め打ってくれ~!と叫びたくなるのを何度もこらえ、名前が呼ばれるまでの長かったこと。尋常でない身のよじり方と冷や汗を見て、順番を早めてくれた(ようだ)。

「食事をしているから精度が下がるけど、まずはエコーしましょう」。同時に痛み止めの点滴、血液検査とバタバタと処置してもらう。この段階で、痛む場所と痛み方から、医師は胆石発作をほぼ確信していたもよう。右側を下にするように指示。痛み止めは10分ほどで効いてきたのが救い。

エコーは、「ああ、確かにありますね~大きさはハッキリしないですが」ということで、血液検査に異常はなかったものの、この胆石が胆嚢の出口を塞いで、胆汁が充満して胆嚢を圧迫し、激痛が起きたのだろうという話。

「掛かりつけで早く正確な検査をしてもらってください」と、痛み止めだけもらって、痛みが嘘のように消えたので夜中に帰宅。

その後かかりつけ医で再度エコーしたところ、5ミリ前後の石が複数あるとの見立て。最初に見つかった時は、本当に小さな、砂粒くらいと言われたので、かなり大きくなったことになる。ただ、エコーだけだと、良性の胆嚢ポリープと胆石の峻別ができないとのこと。だから石の大きさや個数はあくまで見当と言われた。

そこで驚いたのが(私が無知なだけ?)、発作のない胆石症は経過観察でいいが、ひとたび発作が出ると繰り返すようになるので、今は胆嚢摘出手術を受けるというのが常識と言われたこと。「へ?摘出?」胆嚢がなくてもいい臓器ということは知っていたけど、これ手術しないといけないようなもんなのか?と頭の中は?だらけとなったのであった。

とりあえず、救急で行った大病院に改めて紹介状を書いてもらい、手術するしないはそちらのドクターと相談で決めることになった。これが9月20日のことだった。



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