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ウェイト版タロットカードの基礎知識


〈タロットカードの構成〉 

タロットカードは、大アルカナ22枚と小アルカナ56枚の計78枚で構成されている。
タロットにアルカナという言葉が使われるようになったのは、占いとしてタロットを用いるようになってからである。
タロットカード78枚1組をデッキと呼ぶ。

・アルカナとは?

タロットにアルカナという言葉が使われるようになったのは、占いとしてタロットを用いるようになってからである。
アルカナとは「意味深な・秘密・神秘」という意味で、大アルカナは大きな神秘が込められた意味深なカード、小アルカナは小さな神秘が込められた意味深なカード。

・大アルカナ

合計22枚
0番〜21番までの番号がつけられたカードで、人間の魂の成長が物語のように描かれている。
「0番:愚者」は物語の主人公、それ以外のカードはその物語の章(ステップ)になっており、「1番:魔術師」から始まり「21番:世界」へ向かって成長していく。
この成長物語は一度で終わりではなく、螺旋階段のように少しずつ上に向かって上昇しながら何度も繰り返し体験していく。
それぞれの絵柄にはその章で自分自身が向き合うべきテーマや成長のためのメッセージが込められている。


ウェイト版タロット 大アルカナ22枚

・小アルカナ

合計56枚
小アルカナには4つのスート(シンボル)があり、それぞれ10枚のヌーメラルカード(数札)とそれぞれ4枚のコートカード(人物札)に分けられる。
その絵柄には人生の中で起こり得る具体的な出来事が描かれている。
読み解くときにはカードの数字や人物と属するスートの特性を組み合わせて読み解いていく。

スートとは?

  • ワンド (棒)     →火のエレメント

  • カップ (杯)     →水のエレメント

  • ソード (剣)     →風のエレメント

  • ペンタクル (金貨)  →土のエレメント

上記の4つで、それぞれ四大元素(エレメント)の火水風土に当てはめることができる。


ヌーメラルカード(数札)
4つのスートに1から10までの数が振られた合計40枚のカード。
ヌーメラルカードは、大アルカナが描く『魂の成長物語』の中で起こる具体的な出来事を表している。

コートカード(人物札)
4つのスートに「ペイジ」「ナイト」「クイーン」「キング」の4人の人物が描かれたものがそれぞれ1枚ずつ、合計16枚のカード。
コートカードは相談内容に関連する人物を表す。

・ペイジ(小姓)
若者、年下の人や目下の人の象徴し、仕事なら部下や教えている人、人物の子供っぽい性格などを表す。
純粋さ、多様性、未熟さ、子供っぽさといったキーワードをもつ。


・ナイト(騎士)
同僚や同級生、同等の立場の人物を象徴し、行動的な男性やそのようなキャラクター(性格の人物)を表す。
アクティブさ、変化、行動的な様子、男性的な側面といったキーワードをもつ。


・クイーン(女王)
成熟した年上の女性を象徴し、職場なら女性の上司や経営者、母親、女性的な男性などを表す。
母性、女性性、権威、影響力の強さといったキーワードをもつ。


・キング(王)
成熟した年上の男性を象徴し、職場なら男性の上司や経営者、父親、男性的な女性などを表す。
父性、男性性、権威、影響力の強さといったキーワードをもつ。


〈タロットカードの歴史を簡単に解説〉

タロットカードはもともと占いのために作られたカードではなく、15世紀頃に貴族の贅沢品として出回っていたカードゲーム。原型となったものはトランプで、小アルカナを見ると1〜10までの数札と人物札(ジャック→ペイジ、ナイトという違いがあるが…)が共通点と言える。

・カードゲームとしてのタロット

タロットの歴史で最も古いカードデッキとされているものは14世紀にフランスのシャルル6世が注文したと記録が残っている「金色や様々な色で描かれた56枚の遊戯札」だが、現在実物が残っているのは17枚のみ。
現存している最も古いタロットは15世紀中頃にイタリアで作られた「ヴィスコンティ・スフォルツァ版タロット」。この時代は他にも「エステンシ・タロット」や「マンテーニャのタロット」など、上流階級の貴族たちがそれぞれの家に関するシンボルなどを加えた絵柄のカードを気に入った画家に命じて作らせた。また、この頃はまだ絵柄の決まりが確立していなかった。

15〜16世紀頃になるとイタリア戦争の影響を受け、タロットはイタリアからヨーロッパ各地へ広がっていく。
特にフランスのマルセイユ地方多くで作られるようになり、この頃からタロットの絵柄や枚数が確立する。
大量生産されたタロットカードは貴族から庶民へと広がり、特に船乗りの間でギャンブルのツールとして使われ庶民にも身近なゲーム用カードとして普及した。

・占いとしてのタロット

18世紀頃、エティヤ(本名ジャン・バプティスタ・アリエット)という人物がタロットカードを初めて占いの道具として使い始める。
エティヤは「タロットエジプト起源説」に影響を受け、4大元素や占星術、数秘術などを取り入れて「エジプシャン・タロット」を発売する。
また、18世紀末にはフランス革命が起こり人々は不安にかられていた時代。そのような背景から、占いとしてのタロットは広まっていった。
この頃の占いは「未来はこうなる」というお告げのような未来決定論型の占いであった。この未来決定論型の占いは現在にもつながっており、占いといえば未来を当てるものという考え方を持つ人が大多数であると言える。

・ウェイト版タロットの誕生

19世紀後半、イギリスのライダー社から新しいタロットデッキが発売される。これが数あるデッキの中で最も有名になったウェイト版(ウェイト・スミス版、ライダー版と呼ばれることもある)タロットデッキである。
ウェイト版タロットは、神秘主義者であるアーサー・エドワード・ウェイトが黄金の夜明け団の解釈に基づき、パメラ・コールマン・スミスに描かせ作成した。

〈ウェイトがタロットカードに込めたもの〉

アーサー・エドワード・ウェイトは「未来は決まっていない、見えていないたくさんの可能性があり、やり方や魂(精神)の成長によって未来は変えていける」という考え方のもとにタロットカードを作っている。
ウェイトはタロットの大アルカナをユダヤ教カバラの生命の樹に当てはめるという新しい発想を取り入れ、大アルカナの絵柄にも反映させている。
この頃には既にタロットカードが占いの道具として使われていたが、ウェイトはこのタロットを占いをする道具ではなく『潜在意識の世界を旅するための道具』として制作し、そのカード1枚1枚には人間の精神の成長について奥深い知識が詰まっている。ウェイト版タロットは魂の成長パターン図鑑や人間の行動パターン図鑑とも言われている。

まとめ

タロットデッキの大まかな構成と歴史について学習した内容を文字に起こしてまとめてみた。
カードの意味をただ覚えるだけではなく、歴史背景や絵柄に込められた象徴やメッセージを調べることでリーディングの幅も広がっていくようなので時間を見つけて深く探求してみたいと思う。

〈参考文献〉
タロットの書 叡智の78の段階
(レイチェル・ポラック/著、伊泉龍一/訳、株式会社フォーテュナ、2014年)
いちばんやさしいタロット・リーディングの教科書
(手賀敬介/著、ナツメ社、2015年)

〈参考ホームページ〉
タロットパレット ココロ彩るタロット占い
(&U アンドユー)


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