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「人生はドラマではないがシーンは急にくる」だった。


6人でワーっと飲んでる時に、思いついたように私の目を見て「あ、おれけっこんします。」と言った。
あんぐりと口を開けてしまった。

なんやかんやで3年間も彼のことが好きだった。(過去形ではないのだが、)
ドラマとかでよくある、めちゃくちゃ大事な人が幸せになるシチュエーション、まさか自分が体験することになるとは…

そんなこと言われたから、と言い訳したくなるくらい、べろんべろんに酔っ払ってしまった。

一緒に飲んでて、ひどく酔うと最寄りについた後電話をかけてしまうことが度々あった。
マジで意味わからんけど、1時間以上にわたる電話を付き合ってくれるのだ。
(切ればいいのに、出なければいいのにと勝手なことを思いながら。)

この日がそうならないはずはなかった。
きっといろいろ話したんだろうけど、
「喜んでくれると思わなかったです」とか「ショック受けちゃうと思いました」みたいなことを言われたような気がしている。
(この話を親友にしたら、好きなのバレバレなんじゃん…と言われました…。)
平静を装える気がしなかったので、式は呼ばないでくれ!と駄々こねた気がする。(オトナになろ〜!)

ずっと"忘れたい"とか"彼への恋愛感情を無くしたい"って思ってたけど、彼より大事に思える人ができるまではきっと難しいんだろうなと諦観できるようになった。
いろんな言葉でこの気持ちを説明したり押し込めたり納得させようとしたりしていたけど、このままの思いをそっと持っていよう。
0か100ではなくて、その間に無限のグラデーションがあることを認められるようになった。
彼にとって自分が恋愛対象だったかどうかも、「はい」、「いいえ」で答えられるものではないだろうし(はっきりいいえの可能性はあるのだが一旦置いといて)もはやそこは重要ではなくて。
彼が結婚するという事実だけが今目の前にあって、それ以前の彼の心の中など知ったところで何にもならないし、きっと0か100でもないんだろうなと。
事実を事実として受け入れて、本人にバレないように少しの間しくしくします。


恋人がいる人のことをずっと諦められないこととか、好意を隠せないこととか、彼を好きな自分がずっと嫌だった。でもそれは好きな気持ち自体が悪いわけではなくて、なんかまだうまく言葉にできないけど、こうやっていろんなことを経験して、自分の気持ちとかコントロールできるようになってくるんかな。
少し、ほんの少し成長できたと思ってる。

この恋が叶わなかった悲しさよりも、自分がすごく大事に思える人に出会えて、相手もまあそれなりに自分のことを大事に思ってくれている、そんな関係を築けたことのほうがずっと重要。

本人の口から聞けたこと最大に幸福だった。
自惚れだけど、私を思いやってくれた証拠だと思ってる。


自分が直接関係ない事象なのに、人生で一番シーンを感じた。

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