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GPZ900R制作 ④-1 足回りーフロント

純正GPZ900Rのハンドル周りは専用のセパハン、フロントフォークはA6まで⌀38、それ以降⌀41、ホイールサイズは17インチ、リム幅3という仕様。
当初は純正準拠で進めようと思い部品を用意し始めたのですが、せっかくだから今風の足回りにしよう、と妙な考えを起こし、他車の足回りを流用することに方針を転換しました。

これが制作遅延の要因になるのですが・・・。

ネットを見ていたらZX-9Rのエンジン、足回りを移植している記事を発見。
「これだ!」と思い、フロント周りの部品を集め始めました。

ZX-9Rのフロント足回り。これは装着寸前の状態だけど、ここまでには試練の日々が・・・

ZX-9Rのフロントフォークは⌀46。初期型GPZに較べると8mmも太い。
キャリパーも 後期の6ポットが付くし、ディスクも大径化できる。
ホイールはリム幅が3から3.5に広がり、ピボットシャフトも25mmと太い。
安全性剛性ともに向上が見込まれ、見た目も迫力アップ。いいことずくめかと思いました。

しかし、同じカワサキの900ccバイクとはいえ、開発に10年の開きのある
車両の部品がポンと付くわけはありません。
それをフィッティングさせるためには下記問題をクリアさせる必要がありました。
ステムベアリングの相違克服
GPZ900Rのステムベアリング:上 25×47×15、下 28×52×16.5のテーパー
ZX-9Rのステムベアリング:  上 25×47×15、下 35×55×15のボール

※数値は 内径×外径×高さ(mm)
ベアリングの形状は違いますが、上部は同寸のためなんとかなりそうです。
問題は下部。高さが1.5mm、シャフト径が7mm違います。
本来ならステムシャフトを抜いて、旋盤で規定の太さに削った後圧入すれば
1日でできる作業と思いますが、旋盤も圧入機もありません。
高さはステム下部のでっぱりを可能な限り削って対応しましたが
外径は図のような方法で3週間かけ直径を小さくしました。

恐怖のシャフト径縮小装置。高回転だと遠心力で吹っ飛びそうになるのでゆっくり回す

そんなわけで出来上がったのが1枚目写真のステムです。
マネする人はいないと思いますが、かなり危険な作業です。
写真を撮る余裕もありませんでした。
ちなみにお値段は・・

  • ステム、タンクキャップ、IGキーセット・・・2,475円

  • E型フロントフォーク・・・        5,500円

  • 上下ステムベアリング・・・        2,750円                     合 計                   10,725円

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