TRPGリプレイ:ケダモノオペラ「少年と絵」その1
情景1:失われた天井画
「―――勿体ない」
ケダモノは、落胆と、諦観の呟きを落としました。
たまに出かける散策で。たまに訪れる街での出来事です。
「風の噂で話は聞いていたけれど。モノには罪はなかろうに」
ほぼ、瓦礫と化した壊れた街の通りを行きながら、独り言ちてしまいます。
綺麗な花壇も。白壁と明るい色の屋根の建物も。
今や、灰色の廃墟と化し。当然ながら、人の気配も感じられません。
闇の森に、少しばかり長く、籠りすぎたのでしょうか。
外界――ヒトの世が様々に変遷し。剣と魔法