麻雀プロの自己プロデュース

とは、なんぞや。ということについて、自分が日頃考えていることを書いてみようと思います。

私はあまりツイッターのTLを頻繁にみないのですが、ちらりとそんな話題が目に入り。ただ、詳しく話を追っているわけではないので、誰かの何かに向けた内容ではないです。誰かがすでに書いていることに重複しているかもしれないし、大したものでもないので、軽い気持ちで読んでください。(って書いたけどめっちゃ長文になりました…あくまで雑記ですのでめちゃくちゃお暇な時にでも…!)

自己プロデュースってなにかというと、いかに(どのように/どれくらい)自分を外に向けてアピールするか、ということだと解釈しています。

なぜアピールが必要なのか。それは、人は人に興味を持つからだと思います。そして、興味がないものを人は見ない。興味を持ってもらうためにはまず、知ってもらわなければならない。

知ってもらう→興味を持ってもらう→好きになってもらう/応援してもらう、という段階があるとおもうのですが、そもそも麻雀をみてもらうために、知ってもらって興味を持ってもらうところまでいかなきゃいけない。

つまり、興味を持ってもらえなければ「麻雀の内容/結果で魅せる」ことのスタート地点にも立てない、という認識でいます。

既にご存じの方もいるかもしれませんが、私は麻雀プロのテレビ対局をみて麻雀を覚えました。当時は麻雀の放送自体数えられるくらいしかありませんでしたが、まもなくしてネットでの対局配信も少しずつ始まり、とにかく麻雀が見たい私は知ってる限りすべての放送を観ていました。出演しているプロの方の人数もさほど多くはなかったので、一人ひとりの個性も自然と頭に入って、観ていてとても楽しかったです。

しばらくして、対局配信の数もどんどん増えていき、ついにすべてを観るのが難しくなりました。そうなるとやっぱり、優先して観るのは知っているひとが出ている放送で、知らない人の対局は観ないことが多くなりました。

現在はさらに増え、プロアマ問わずでいうなら膨大な数の麻雀番組や放送、動画で溢れかえっています。視聴者にとって供給過多状態です。

Mリーグに限って話しても同じことで、全試合を観るのは厳しいという人もたくさんいると思います。そんな時「この試合はみようかな」ってなる理由のひとつに、出場選手が誰かということも大いにあるでしょう。

なので、スタート地点にたつために、知ってもらわなければならない、興味を持ってもらわなければならない。

知ってもらうチャンスはいろんなところにある。なにかの番組にでたとき、麻雀店や大会のゲストに呼ばれたとき、配信をしたとき、SNSで発信をしたとき、ネット麻雀で同卓したとき、注目度の高い対局にでたとき、タイトルをとったとき。

めちゃくちゃ余談になるのですが、麻雀スリアロチャンネルが開設された当初、前述したとおりまだまだ麻雀の放送や配信は少なく、メディアにでているプロも限られた数でした。そんななかで、スリアロはとにかくいろんな番組をやっていた。麻雀の対局放送はもちろんだけど、桃さんがとんでもない料理作る番組とか(なぜそれをいちばんに書くのか)人狼、将棋、ポーカー、クイズ、うっかるりかの挑戦、などなど、多種多様のいわゆるバラエティー番組をたくさんしていた。当時、私はまだプロになる前だったのですが、それをとても良い試みだなぁとおもって観ていました。だって色んなプロを知れるし、それもバラエティーなので人となりがよくわかる。この人面白いな、好きだな、って思った人が対局者の麻雀番組があったら、興味をもって観ることができた。真剣な対局番組にも負けたら公開される動画があったりして、対局者の人柄や個性が伝わってきてとてもよかった。時代に合っている企てだなぁって、今思うと謎の視点だけどそう思っていました。そんなことをふと思い出した。

そういうわけで(?)、知ってもらうチャンスにアンテナを張ること、チャンスをチャンスだと認識すること。まずは発信しないことには始まらない。麻雀の腕だけで勝負したい、という声を聞くこともありますが、それとはまた別ベクトルのお話だと思っています。

どこに興味を持ってもらえるかはわからない。ラーメンが好き、〇〇県出身、血液型、趣味やハマっているもの、ふとした一言、そんな一見どうでもいいようなものが理由で興味を持ってくれる人も、たぶんいる。なにがきっかけになるか、引き金になるかは本当にわからないものです。でも何かを発信すると、良くも悪くも何かしらの影響や反応がある。それを積み重ねていくしかない。

それから、観る雀の熱に欠かせないのは「物語性」だとおもっています。Mリーグだとそれがわかりやすく「チーム戦である」ということで、放っておいてもぽんぽん勝手にドラマができて熱くなっていく。個人戦であっても、そのひとのその一戦にかける想いやそれまでの道のり、様々な背景で視聴者は自ずと物語を受け取って観戦に熱が帯びる。これは元観る雀勢視点の話です!だから、その時々に思っていることや考えていること、今やっていることなどを都度発信していくことは有意義なことだとおもう。それが勝手に物語になっていく。私はどの対局も自分と麻雀と闘っているので、視聴者のために打つとか盛り上げるためにやるとかではないのですが、でもその意識は持ち合わせておかないとお金が動く世界にするのは難しいとおもうのです。

そして個人的に大事だとおもっているのが、自己プロデュースの目標を「好きになってもらうこと」にしない、ということ。人の好き嫌いっていうのは本当に個人差があるから、そこをゴールにしてしまうと、なんていうか、やり方がわからなくなったり自分がもはや自分ではなくなったり(哲学)苦しくなったり迷走したりしそう。好きになるかどうかは受け取り手の自由なので、あまり気にしすぎず、自分はこんなもんですってお見せしたうえで好きになってもらえたらハッピー、でいいんじゃないかなとおもっています。

なので、この乱文を無理やりまとめると、「自己プロデュース」っていうと難しい響きに聞こえるけど、奇をてらう必要も個性をひねり出す必要もなく、シンプルに「自分はこんな人間ですってアピールする意識を持つ」ことなのではないかと。無理やりまとめました。もちろんその先に、自己プロデュースが得意な人は自分の個性や魅力をどう伝えるか、どう見えるようにするか、どうまとめるかなど、考えることやるべきことが沢山あるんだろうけど、ひとまずは意識を持つだけでも違うんじゃないかなって思います。

ここまでたいそう偉そうに書いていて、ひぃ、ごめんなさい、という心持ちです。なにを隠そう私も発信することがとても苦手で、ツイートも色んな人に心のなかでリプライする通称エアリプをいつもしているし、スペースもやってみたいけど「まぁ今日じゃなくていいか」で一生やってないし、noteももっと書くぞーって思ったまま月に一回書いてるかどうかだし。本当はひとりでも多くの人に興味を持ってもらうためにyoutubeとか始めたい気持ちもやったほうがいいんだろうなという気持ちもあるのですが、気持ちだけではなにも動かず…。もともと自分について知ってもらおう、わかってもらおうとすることに対してとても苦手意識がある。次女だからかな(関係ないか)。

とはいえ、麻雀プロになりましたので、麻雀をみてもらうために楽しんでもらうために、できる努力はしたい。そしてもちろん、みてもらえたときに応援してもらえる選手になれるよう、また見たいと思ってもらえるよう、しっかり麻雀の技術や実力をもっともっと身につけていかなきゃいけない。

という、自分への戒めのおはなしでした。おしまい

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