曇り空の下、本のことを考えた今日のはなし。
空が一段低くなったんだと思った。そんな朝だった。大学生の頃から5年以上、雨の日を共にしてきたレインブーツはだいぶくたびれている。私はいつもどおり職場に向かって歩いていた。
こんなどんよりとした曇り空の日は、目も、耳も、外からの刺激を受け取りづらい。だから、自分の内側にどうしても目が向いていく。
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自分の本棚を誰かに見られることは、心のウチガワを覗かれるのとおんなじ気分。ウチガワの、やわらかくて、どろどろ、きらきらしているところ。そんなところが自分の本棚には投影さ