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ため息俳句 蟲時雨

つい先ほど、スコールのような雨が通り過ぎた。
午後10時、少し前である。
今はすっかり雨が上がり、お陰で随分と涼しくなった。
今夜は、エアコンをつけずに寝られるかもしれない。
窓を開けてみると、夜のむこうから蟲の鳴き声が聞こえてきた。
あれは、蟋蟀こおろぎか、邯鄲かんたんか。

ちるちるちるちる
りるりるりりり
きゅるりゅりゅちちるりゅりる
じりゅじりゅじりゅじりゅじりゅじじじ

遠く近く、一体何匹の虫がないているのやら

りゅりぃりゅるじひじひじひじひ
しりゅしりゅしりゅゆゆしじりゅじじじ
ちりちりちりちりちりりりりり

蟲鳴くや糸紡ぐよに引くやうに

コーヒーはぬるめ好もし夜長かな

蟲の恋聞くともなしに地球上

虫けらに夜は更け驟雨彼岸入り

雲間よりの三日月まがしインク壺

窓細く開けて眠らん蟲時雨