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ため息俳句 顎髭《あごひげ》

長年通った散髪屋さんが廃業した。
そこで新しく行き始めて三度目の理髪店、夏だから少しさっぱりとしたいと希望を云うと、・・・、刈り上げていいですかと尋ねてきた。少しくらいならいいでしょうと答えると、刈り上げられてしまった。
刈り上げなんて、中学生の頃以来だ。
家に帰って、洗面台の鏡の前でしばし呆然として、早く見知らぬ自分に馴れようと思った。
二週間程経ったから、この髪型も涼しくて悪くないような気がしてきた。
髪を短くした反動からか、顎に髭を生やすことにした。5ミリほどで揃える、顎だけだ。鼻の下などはもってのほかだ。
髭を生やすと、何気なしに顎を撫でていたりする。


老いの日は徒然なるに顎に髭