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ため息俳句 夏の月

今夜の月は、月齢17.4。一昨日の月が望月であったから、昨夜が十六夜、では今夜は、立待月ということになる。そうして今南西の辺で、ちょっと赤みを帯びて光っている。夏の月だ。

イヤ待てよ、立待月は陰暦の17日の月である。しかるに今日は陰暦にすると六月十八日である。陰暦は、月の満ち欠けで決まるのであるから、新月が一日であり、望月が十五日である。すると十八日の晩であれば、居待月ということになるのではないか。さて、いま西側の窓から姿を消したその月は、どっちなんだ。それとも、もともとの望月は一昨昨日であったのだろうか。

こうなると、爺のおつむはちんぷんかんぷん、判らない。誰か教えて下さい。

れも見ず十七日の夏の月

明日なれば花火も上がる夏の月

夏の月待ちぼうけなら常のこと

飲めぬ酒飲むは愚かし夏の月

閉ざされし南改札夏の月

靴紐はほどけっぱなし夏の月

夏の月低き廂の家ばかり

夏の月カラオケ漏るるあたりかも

カーテンは閉ざされてけり夏の月

ノック無く部屋に入りけり夏の月

夏の月サンダル片方裏返り

腰浮かす素顔の女夏の月