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「義侠の相場師 岩本栄之助」の寄付で建てられた中之島中央公会堂を描く

大阪市中之島中央公会堂

大阪市にある中之島中央公会堂はスケッチポイントで、多くの方がスケッチをされているのを見かけます。
壁はレンガでできていて細かいデティールが素晴らしいです。
何年か前に耐震改修がなされ、外観は少し変わりました。

スケッチ2F 中之島 中央公会堂

コンテ パステル使用 

義侠の相場師 岩本栄之助


この公会堂は「義侠の相場師」と言われた岩本栄之助が1911年(明治49年)に自分の財産を大阪市に寄付して建てられた建物です。
しかし第一次世界大戦の勃発の影響で彼は相場で損失を出し、周囲の人は大阪市に寄付した金銭を少しでも返してもらうように勧めましたが、栄之助は「一度寄付したものを返せというのは大阪商人の恥」と言ってこの勧めを拒否しました。
そして栄之助はこの公会堂の完成を見ることなく、1916年(大正5年)に自殺を計り享年39歳の若さでこの世を去りました。

国の重要文化財


設計競技で早稲田大学教授・岡田信一郎氏の案が1等に選ばれ、東京駅を設計した辰野金吾氏が実施設計をしました。

彼の死の2年後の1918年(大正7年)に完成。今は国の重要文化財に指定されています。
詳しくは公式ホームページhttps://osaka-chuokokaido.jp/about/  に記載されています。

国の重要文化財なので部屋の内装は昔のままに保存されていてコンサートやパーティーなどにも使えます。
なかなか気づかないのですが正面の屋根の上には2体の像が飾られています。


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ペン 水彩を使用

昔のレストランが懐かしい


1階に今まであったレストランはおしゃれな店に代わっています。
私は昔のレストランで何度か食事をしたことがあり、その時食べたハヤシライスや古いテーブルや椅子が懐かしいです。値段も安かったです。

昔の建物の重厚さ、隅々にまで手間をかけた仕上げは現代では費用がかかりすぎてできないでしょう。

この中之島界隈でも大阪地裁や大阪市役所は建替えられています。
昔の建物は使い勝手や耐震性、維持にかかる費用などの問題で保存は大変なのでしょう。できれば残っていってほしいです。

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はがき絵 ペン 水彩を使用