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水彩画の技法のことを少しだけ書きました(2023.4加筆)

少しだけ加筆してトップ記事にしました。

水彩画を始めようと思われている方に何か少しでも参考になればと思い、、また自分自身がすべて守られていないのですが、注意すべきことを忘れないためごく基本的なことを綴りました。
個人の考えですので不正確なところはご容赦下さい。

書店では多くの水彩の技法書が販売されています。
私が絵を始めたころは技法書のようなものも当然ユーチューブなどの動画も今と比べて少なかったです。
わけのわからないままやってきましたので今でもよく書店で技法書を立ち読みして勉強していますが。(笑)
技法書は親切でわかりやすいです。

1・色々
 1-1・色遊び

持っている絵具を一覧表にしておくとわかりやすいです。
私がよく使う絵具は10から12色くらいです。

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パレットに出している色と水彩紙に塗った色とは見た目に違いがあります。また、このような作業は水の使い方の練習にもなります。
wはウインザー&ニュートン、Kはクサカベ、Mはまっち絵具、その他はホルベインです。

 1-2-1 ・混色

紙の上で何色かの絵具を混ぜていろんな色を作ってみました。

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混色する色数を増やすと濁ると言いますが、何色までならそうなるのかはご自身の手で試すのが良いと思います。

どの程度筆に水を含ませたらよいか、紙の湿り気がどのように絵具のにじみ具合に変化を与えるか、いろいろ試して感覚を養ってください。

うまく操れた時の気分はとてもいいものです。こんな色遊びも自分は楽しんでいます。

筆の水の含み加減は布で調整します。よく水を吸う布がいいです。布は必需品です。
筆はやや太いかなと思うものを使用します。

ティッシュも色を剥いだりするのに必要ですので必ず用意しておいてください。
パレットに出す絵具は多めに絞り出すことが大事です。量が少ないと発色が良くありません。

混色をする時は黄色など淡い色を先に取り、筆をよく洗ってから次の色を取っていきます。こまめにパレットはティシュでふき取ってきれいにしておいてください。

混色は必ずしもパレットの上で作る必要はありません。紙の上で作ることによってグラデーションを作ることが出来ます。あまりパレットの上で混ぜすぎない方がいいと思います。

また、水をほとんど使わずに描く画法もあります。
パレットナイフを使ったり、チューブから直接紙の上に絵具を絞り出して描くこともできます。

絵具は塗った時より乾いた時の方が薄くなるので、濃すぎたと思っても心配ありません。

仮に濃すぎても周りを塗っていくうちに弱く感じられるようになってきます。
既成の画法にこだわらずいろんなことをするのも面白いです。

いろいろな道具を使って質感を出すことにも挑戦してください。釘を使って傷をつけたり塩をまいたり、とにかく多種多彩な描法があります。

ただ、オーソドックスな画法が基本にあることは忘れないでください。

初心者の方では風景や草花を描く時、絵具の緑色をそのまま生で使う方がおられます。草花は緑色と決めつけずよく見てください。
混色でも緑色は作れます。ご自身の色を作ってみてください。

 1-2-2・重色

混色以外に下塗りが乾いてからその上に他の色を塗り重ねて色を作る手法で、ちょうどセロハン紙を重ねたような感じです。

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下塗りが良く乾いてから塗り重ねる必要があります。

1-3・色相環

色相環画像

青、赤。黄の3色で図のような色相環を作ってみて下さい。

例えば青と黄の混色で緑色が作れます。青と黄の絵具の量で緑の色も違ってきます。

色相環の色の反対側にある色が補色と言われるもので、補色同士を混色するとグレー色ができますが濁ることもあります。

画面では補色同士は反発しあう感じになりますが、例えば緑の中にポイントで赤色を配すると強い調子を出すこともできます。

2・モチーフについて

画因とも言われますが、風景画では建物や自然など何を描くか、静物画なら果物など何を並べて描くか、自分が描きたいと思ったものがモチーフとなります。

何気ない風景、身近な品など目に留まったものを何でも絵にしましょう。
名所ばかりがモチーフではありません。

近所の散歩コースも絵になります。家にある季節の野菜や果物、魚などもすばらしいモチーフです。

とにかくなんでも描くことが大切です。探し回って時間ばかり費やしていても時間がもったいないです。

3・遠近法
 3-1.透視図法

物体は遠くへ行くほど小さくなります。目の高さのある一点に消失していきますが、この中に一点透視、二点透視などがあり、常に目の高さが基準となります。
その他にも三点透視といって高いビルなどで上下に消失していくものもあります。

この規則を知っていると風景画が描きやすくなると思います。自分自身の目の高さを常に意識して描いてください。

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1点、2点透視図
3点透視図

 3-2・空気遠近法

色彩表現による遠近法です。よく見ると遠くの山はもやがかかり少し青味がかって見えると思います。また。ぼんやりとさせた描き方などの表現方法もあります。 

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滋賀 箱館山 パステル

静物画では奥にあるものを少し弱く描くとか、後ろに高さの高いものを置くなどでも同じような遠近感が表現できます。

 4・デッサンなど

 ペンや鉛筆の線を引く時は手元ばかり見ずに、描きたい対象の方をよく見てください。
このことが大切です。あまり慎重すぎないように。少々間違えても構いません。

 描きなおしができないペンを使われるこのもよい練習になります。
またペンの代わりにオイルパステルや色鉛筆などは戸外で使用するのに簡単で使いやすい画材です。

また、時間がない時に短時間で描き上げる練習もするといいでしょう。

その時の描き方はとにかくシンプルに、着色はポイントのみと手抜きのような描き方ですが逆に生き生きとした楽しい絵になります。

その時もできるだけ対象物を見て、紙面は極力見ないようにしてください。

大概の人は紙面を見ている時間の方が長いものです。網膜には映っているでしょうが頭の中で過去の記憶によって勝手に修正してしまうため、目の前のものと違ったものになってしまいます。

例えば立木をスケッチするとして幹の形、枝の形、葉の繁み、足元はこうだったと先入観で描いてしまいます。
生まれて初めてその樹木を見た時のようにまじまじと見てください。
先入観で描かないためには描く対象をじっと見て、手元の紙面は見ないで描く練習をすることもいいでしょう。その際はゆっくりと線を引いてください。

紙面を見ているときは手を動かさないくらいがちょうどよいでしょう。

紙面を見ないと目の前の対象しか頭に入らないため、そのままを描いていくことになります。また、目を細めて見ると対象物を単純化することができます。

 5・着色について

エンピツの線からはみ出しても構わないので思いっきり塗ってください。鉛筆の線は目安です。但し、一筆一筆丁寧に絵具を置くような気持ちで塗ってください。

以下は技法の主な物です。

5-1・紙が濡れている内に絵具を差していく
(ウエット・イン・ウエット)

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5-2・乾いてから塗り重ねる
(ウエット・イン・ドライ)

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5-3・絵具が乾く前に水で濡らした筆でぼかしていく(ぼかし)

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5-4・水を極力減らした筆で塗る(乾筆)

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5-5・絵具が塗れている内にティシュペーパーなどでふき取る(はぎ取り)

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色を塗るというより色を置くといった感じで丁寧に着彩してください。

チューブから出した絵具の色は鮮やかでやや派手ですが、混色で作った色は落ち着いた色になります。但し、パレットや紙面でやたらこねくり回さないこと。色が濁ります。

混色しすぎると濁ってきますので混色する色の数は3~4色程度にします。

その他塗った絵具を剥ぎ取る、水をほとんど使わずこすりつけるように塗り込むドライブラッシュ、チューブから出した絵具をパレットナイフで塗り込むといった描き方もあります。これは好みです。

時々油彩画と間違えられることがありますが、下の絵のような表現も水彩で可能です。


timer 水彩

 
色を間違えても心配いりません。きれいな水を筆に含ませ絵具を洗うようにやさしくこすって色が浮いてきたら布かティシュでふき取ってからまた新しい色を塗ります。

同じ色を再度作ろうと思っても簡単には作れません。混色表を作ってみて常に研究してください。

また、どの時点で完成として筆を置いたらいいのかは大変むずかしいものです。これも経験を積むしかありません。

オイルパステルや色鉛筆を使う時は、これらの画材は油性ですので水分をはじきます。
水彩を先に塗ってからその上に描きますが、先に線描きした上に水彩をかけるとまた面白い表現ができますので色々と挑戦してください。

6・鉛筆淡彩画

坊ちゃんかぼちゃ
かぼちゃ

私は鉛筆淡彩で細密画を描くのが好きです。
鉛筆は下書きというのではなく、鉛筆でかっちり描いてから淡彩をかけ、その後また鉛筆で描き起こしています。

下描きする時に複雑なものは、一旦トレッシングペーパーなどに描いて形をとってから、それを水彩紙に写して描き進めます。
何度も水彩紙の上で修正すると紙が痛んでしまうためこのような描き方をしています。
できれば紙は硬めの方が描きやすく、アルシュ紙の極細目が使いやすいです。
色をほとんど付けないような描き方の際はケント紙を使うこともあります。

ハッチングで描いたり、擦筆やティシュペーパーを使ってこすったりして調子を整えますが、水彩絵具をかけるので鉛筆を濃く使うと色が濁ったりはじいたりすることがあるので注意が必要です。

とにかく時間をかけることが大事だと思っています。