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墓終いのため四国に渡る

昨年、妻の実家の墓終いのため、四国へ渡りました。
その様子を書き留めてみました。

『妻の実家の墓は崖っぷちの狭い土地に建立されているため、がけ崩れの心配があった。また両親も亡くなっていることから、墓終いをしてすべての遺骨を菩提寺の供養塔に納めることになった。
当日になり妻の親族が急に参列することができなくなり、自分が墓から十数体の骨壺を取り出し、ダンボール箱にいれてお寺まで徒歩で運ぶことになる。墓の周囲にはすでに大きな落石があった。
住職の読経の後、墓石の蓋をあけ、腕をいっぱいに伸ばし骨壺を取り出した。結構奥に深いため取り残しがあったら大変なので、何度も奥の壁まで探りを入れた。
中は水がたまりじっとりとしていた。十数体の骨壺があった。
墓へ通ずる道は急な狭い山道で、雨が降った後で落ち葉もあり、足を滑らせないよう細心の注意が必要だった。
寺で骨壺の蓋を開け、中に溜まっていた泥水を捨てたり、骨壺の泥や苔の汚れをきれいに落とした。
骨壺の中の泥水につかったお骨を見て、考えさせるものがあった。
ここでも手を滑らせて落とさないよう低い姿勢で慎重に扱った。
骨壺には石ころしか入っていないものもあり、どの先祖の物かわからない遺骨が多くあった。
供養塔に納め、住職に経を上げていただき、無事に終えた時はすごく疲れていた。
翌日は墓石の撤去作業もあり、立ち合いを済ませきれいになった土地を見て、妻も長年の心配が解消されてホッとしたようだった。』

ここまで来るのにいろいろ大変なこともあったので、自分の墓のことは残った者の自由に任せるつもりです。
墓の維持は相当の負担になるので、合同墓でも散骨でもなんでも構わないと思っています。


船上から四国を望む


JR徳島駅にて


帰路の船上より