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僕のツメはとても甘い。 それは放っておいたらアリさんがわらわらとやってきそうなくらいには甘い。 まあもちろん「ツメが甘い」の「ツメ」は、「爪」ではなく、「詰め」である。 (爪が甘かったら小腹が空いたときに便利そうだけども) ペーパーレス化が進むこの時代に、僕は「成果物を印刷して書類を取引先に郵送する」という何とも前時代的な職に就いている。 事件が発覚したのはとある朝だった。 朝起きて、社用スマホを開いたとき、取引先から先輩宛に「〇〇の件について」というメー