生まれて初めて書いたラブレターには返事がなかった
小学生のときずっと好きだった、引越して遠くの中学に進学した男の子に送った手紙。私は当時から、というか俄然今以上に分かりやすかったから、ラブレターなんて書かなくても、当人含めてみんなにバレバレだったと思う。
それからいくつもの恋をしてきた。
中高生の頃は、「ホンモノの恋ってどんなものだろう? 今までの恋愛は本当じゃないのかもしれない」とよく思っていた。
中学で好きになった男の子は、玉砕しても何度も好きになって、その間ずっと好きだったわけじゃないけど、3回は告白したな。勿論漏れなく振られたけど、なんだかんだで長い友達付き合いになっている。
初めて彼氏ができたのは高校浪人中だった。今でもたまに会うことがあるけど、彼はずっと良い男だ。
高校卒業してすぐ渡加して、語学学校時代前半の初級〜中級クラスは、入れ替わり立ち替わり入る大学生がかわるがわる友達になった。当時付き合った2つ年下の彼はまだ高校生だった。付き合って割とすぐ彼が帰国して結構短期間で別れたけど、今でも良い友人。
語学学校生活が半年も過ぎて上級クラスになってくると、クラスメイトも多国籍で、長期滞在している年上の生徒が多かった。アパート暮らしの友人の家にみんなでよく入り浸っていて、その仲間の一人と付き合っていた。
私が一旦帰国している間も1年以上続いたのだけど、現地で彼に他に好きな人ができてしまって別れた。これはもうめたんこ引きずった。私の20代の殆どは彼を想っていた。
30になってからFacebook経由で夫と知り合って、すぐに意気投合して半年で結婚した。まぁ死ぬまで一緒にいるんだと思う。
結構はしょっているけど、それなりに経験を重ねてきて、思う。
恋愛って比べるもんじゃない。勿論他人の恋愛や経験ともだし、自分の恋愛や経験とも。ホンモノの恋ってどんなもの? って思っていた過去の自分への答えは、ちゃんと見つかった。返事がなかったあのラブレターにしたためた気持ちも、間違いなくホンモノの恋だった。
恋の形にはほんと色々あって、比べようにも比べられない、自分の感情とは思えないほど思い通りにならない、出会いがあるだけなんだと思う。何度も「これこそが初恋なのかもしれない」と思ったし、今の恋もそう思うくらいに強い強い気持ちだけど、形が違うだけなんだと思う。
どんな形にせよ、今ある気持ちを、大事にしたらいいんだと思う。