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【 原文 】 西寺《にしでら》の 老鼠《おひねずみ》 若鼠《わかねずみ》 御裳《おむしやう…
【 原文 】 かれがれの契りの末はあだ夢の 契りの末はあだ夢の おもかげばかり添ひ寝して …
【 原文 】 そよ わがやどの梅の立ち枝《え》や見えつらん 思ひの外《ほか》に君が来《き》…
【 原文 】 月は山田《やまだ》の上にあり 舟は明石《あかし》の沖を漕《こ》ぐ 冴《さ》え…
【 原文 】 伊勢の海の きよき渚《なぎさ》に 潮間《しほがひ》に なのりそや摘《つ》まむ…
【 原文 】 梅花は雨に 柳絮《りうじよ》は風に 世はただ嘘《うそ》に揉《も》まるる (10)…
【 原文 】 情《なさけ》は人のためならず よしなき人に馴《な》れそめて 出《い》でし都も 偲《しの》ばれぬほどになりにける 偲ばれぬほどになりにける (118) 【 現代語訳 】 情けを掛けるのは他人のためではない。つまらない人と親しくなり、離れた都を懐かしむほどになった。思い慕う過去の出来事になってしまった。 ※Amazonで現代語訳版「とりかへばや物語」を発売中です。
おほぢの時計は過重なれば、九十《ここのそ》まで床に置かれぬ。丈《たけ》はおほぢより半《な…
【 原文 】 仏は常にいませども 現《うつつ》ならぬぞあはれなる 人の音せぬ暁《あかつき》…
【 原文 】 春の初めの歌枕 霞《かすみ》たなびく吉野山 鶯《うぐひす》佐保姫《さほひめ》…
紅《くれなゐ》の鵜皮履《うひり》の女童《をんなわらは》、唐人《たうじん》に具《ぐ》せられ…
鴉《からす》、如何《いか》に鳴く。 鴉は山に美しき七つ児《ご》居《ゐ》る故なり。 愛《か…
誕辰《たんしん》祭、めでたや。 誕辰祭、めでたや。 むかはりぞ吉事《よごと》なる、真人《ま…
【 原文 】 思へど思はぬふりをして しやつとしておりやるこそ 底は深けれ (87) 【 現代語訳 】 愛《いと》しく思っていながら素知らぬ振りをしているのが、深い愛情というものである。 ※Amazonで現代語訳版「とりかへばや物語」を発売中です。