私が有効と考える同人誌即売会におけるコロナ対策(原稿進捗)

/*毎回書くヘッダ
C99において頒布する原稿のうち、今日進めた一部を宣伝も兼ねて公開します。頒布する際にはイラストと図が追加され、また変わる可能性もありますが雰囲気と概要は掴めるかと思います。
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前文

本書では、以下に示すスタンスでコロナ対策を考えた即売会での列整理方法を考えます。ただし、あくまでもここから述べる内容を理解しやすくするためにスタンスの明文化を目的とするのであって、「これが正解である」と主張することは目的ではありません。筆者はコロナウィルスを含めた疾病の専門家ではありません。

2019年末から続くコロナウィルスの影響で、みなさんもご存知の通り「密」を避ける傾向が続いています。

その流れは同人誌即売会にも大きく影響しています。2020年5月の大型連休に開催予定であったC98中止という大きな出来事をはじめ、各種中小イベントも軒並み中止に。私の観測範囲内では、コロナ禍が広まってから東京県内での最後の即売会が○月の〇〇で、そこから○ヶ月後の6/20(日)に日本橋綿商会館で開催されたサンクリminiまでの空白期間を挟むことになりました。

同人誌即売会が開催されない間も当然社会は動いていくわけであり、いわゆる三密といわれる「密閉・密集・密接」状態を避けた列形成方法は日常の至るところで目にするようになりました。(https://www.clinicfor.life/articles/covid-012/)

スーパーやコンビニなどの小売店舗では、ドアや窓を開けるなど空気の入れ替えを強化し(密閉の回避)、代表者のみが入店のうえレジ待ち列では2歩程度の間隔を開け(密集の回避)、会話を控えてマスクやスクリーンによる飛沫の飛散を防ぐ(密接の回避)が行われています。その他、ウィズコロナやポストコロナの対策は様々なところで行われていますが、本文のテーマとブレるのでこれ以上の社会におけるコロナ対策について述べることは避けておきます。

さて、日常生活ではかのように対策が行われていますが、私達多くの同人誌ファンにとって、ハレの場である即売会でも同様に対策が行われています。本文では、それらの対策を紹介し、今後の各種即売会における対策を考えるものとしたいと思っています。

三密の回避

人との接触距離が短く、接触時間が長く、風通しが悪いほどコロナウィルスが感染してしまう危険性は高いと言われることは、既に周知のことと思います。では、それらにどう対応するかを見ていきたいと思います。

・密集 集合時間をずらす、列でいる時間を短くする
・密接 列内と列間を離す
・密閉 空気の入れ替えが不十分な部屋内に長時間いる(飛沫の浮遊)
・不特定多数との接触
・飛沫感染対策

接触距離対策

列の前後間隔を広くし、列幅を狭めることが大切です。コロナ前であれば、4人列やなんなら16人列でも状況に応じて作っていたものですが、今では列内の距離を開けた状態で1か2、せいぜい4人が許される最大人数ではないでしょうか。その代わり、列はズルズルと長大化。結果として、同面積に並べられる人数は数分の一にも激減しているはずです。列を作れる場所が広くなったわけではないので、そもそも参加人数を絞る何かしらの手段が必要かもしれません。抽選による参加人数の限定や事前登録、または僻地というのも良いかもしれませんね。

接触時間対策

仮に列内に感染させる可能性のある人がいた場合、接触する時間が増えればその分受け渡されるウィルス数が増えることになり、感染の可能性が上がっていきます。
そこで、列内に滞留する時間を短くすることが対策として考えられます。列は進むだけではなく、例えばイベント会場前行列のように待機時間が圧倒的に長いパターンもあります。
対策としては、再集合時間を定め、それまでは自由に散歩などしてきてもらうか、そもそも列を作らずに並んで集合することを無意味にすることなどがあります。後者に関しては、その分変なところで集まって迷惑を掛けられるのであればこちらで管理したほうがマシ、という考え方もありますが……。

密閉対策

空気の入れ替えが最大の狙いとなります。

ドアや窓を開け放ち、外気と入れ替えを行います。その際はできる限り部屋の対角線を取ることと、会場の立地による風向きを考慮に入れると良いでしょう。

自然換気だけでなく、会場の外気交換ができる空調設備を最大で運転したり、扇風機やファンを活用して強制換気することも有効です。なお、ただのエアコンは空気の温度を変更するだけで、空気の入れ替え能力はないものもあることに注意です。この2020年の夏は、空調にかかる電気代がそれまでよりかなりかかる可能性があり、会場費や主催者が払う空調代にも影響があると思われます。例えばみんな大好き東京ビッグサイトでは、〇〇円が必要になります。

風通し対策

これは、サークル向けの人でどうにかできる問題ではないような……??
風が通ると、感染の原因になると言われている飛沫が他の人に吸収される前に飛んでいき、その間に飛沫の感染力は失活することが期待されます。

目安として、人間の呼吸に伴い必ず放出されるCO2濃度が使われることもあります。筆者もセンサーを一つ持っていますが、風通しの良い屋外や室内であれば430ppm程度であるCO2濃度が、少し人がいるだけでどんどんと上がっていく様子はもはや見えてしまった人特有の恐怖。その分飛沫も飛んでいる恐れがあるのか、と。

さて、対策としては窓や扉を開ける、換気装置を活用する、などが挙げられます。

窓を開ける際は、入口と出口を意識し、特に出口には大きめの口を開けるようにすると良いらしいです。基本は外の風の流れをきちんと読むことですね。

接触感染の対策

列に並んでいる際の接触感染対策は、それほど困難ではありません。コロナ前のように、ほとんど触れるくらいの列圧縮は現在不可能になっています。その結果として、並んでいる間の接触感染に関してはほとんど気にする必要はなくなりました。ただし、頒布物自体と最後尾札の扱いに関しては例外となります。

接触感染対策としての手洗い励行は、これにより明確にインフルエンザの報告された感染数が減ったことにより効果が証明されていると考えます。機会を見つけて、できれば石鹸・洗剤を利用してこまめに手洗いをするのが対策になります。なお、同人誌即売会の範疇では、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸水、紫外線、オゾンその他空間に噴霧・拡散させるものはリスク以上の効果がないとして除外します。

他に、手袋によるウィルスとの接触を避けることも行われています。ホームセンター等では100枚組程度の箱で販売されています。材質により随分値段は変わりますが、ポリエチレン製のかさかさするものが一番安く、1箱400円程度。透明なビニール(塩ビ)製が伸びやすくて使いやすくておすすめです。1箱1,000円程度。アクリロニトリル製は青などの色付きの手袋で、刺突に強かったりしますが、同人誌即売会ではスペックオーバーだと考えます。1箱1,600円程度しますし。個人的には、白手袋を推したいです。指先感覚は少し鈍くなりますが、通気性は問題ないですし、39枚で1,000円程度とコスパは悪い数回なら洗えば再利用可です。なんなら紳士・淑女な自分の演出まで可能かもしれませんよ。

接触者の記録

サークルとしてはここでは考えなくても良い内容ですが、イベントの主催者が考えているべき内容についてついでに言及しておきます。

コロナウィルスの潜伏期間は、一般的に2週間と言われています。それまでは、もし感染者が発生したり、そうなっては欲しくないですがクラスターが発生したとき、その報告を保健所に対して行う必要があります。

2週間が経つまでは、イベントの参加者に対する連絡先を収集し、必要なら連絡を取る業務が発生するかもしれません。

その対策として、イベント主催者は参加者の連絡先を開催2週間後まで保持する必要があります。また、期限を超え次第速やかに個人情報の抹消も必要となります。収集した個人情報の消去としては、シュレッダーが最初に思い浮かぶかもしれません。他にも、ヤマト運輸による個人情報の溶解処理サービス「機密文書リサイクルサービス(https://business.kuronekoyamato.co.jp/service/lineup/kimitsubunsho/index.html)」という選択肢もあります。例えばダンボール1箱(A4サイズ5,000枚相当)で2,079円です。筆者はヤマト運輸からロイヤリティは頂いていませんが。

イベント主催が信用できないなどの不信感がある場合は、他サービスに個人情報を一時的に委託してもらう方法もあります。どれだけ誠実に運営をしていても、顧客にはどうしてもそれが100%伝わることは難しいです。イベント主催者としてはできるだけ多くの人にイベントに参加してもらいたい気持ちもあるでしょうし、多少コストがかかったとしても複数の選択肢は用意することが求められます。例えば、Livepocketsなどが選択肢として挙げられます。

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