見出し画像

縦列駐車より…

スーパーで買い物して出たところ、一台の車が 車止めを越えて しかも越えた上 斜めになっていて出せずに 困っていた。
運転手は 高齢の女性。バックで出さなければいけない。
通りすがりの数人のお客さんが
「右に1回ハンドル切って」とか いろいろ指示していたが タイヤの向きといい、車止めの位置といい、口頭で指示するだけでは無理だろうと思った。

咄嗟に
「よかったら 運転代わりましょうか。出してみます」と声をかけていたわたし。


当時 この少し前から 「縦列駐車がしたい」と ずっと事ある毎に言っていた。
わたしは運転が好きで 遠距離も全く苦にならない。駐車するのも好き。狭い駐車場は燃える(笑)
縦列駐車する場所が なくなったなぁ、と思っていたところだった。

と言っても この時 縦列駐車したいということは 一切思い出してなかった。

ただただ勘で なんの根拠もなく車を「出せる」という気がしただけだった。自信があるわけでもない。


そして 運転手の高齢女性と 代わった。
周りの野次馬は全くわたしの視界に入ってない。

乗ってみた。ん?バックしたいのだが 右後方に丸い石の大きな像がある。
これは思ったより 迷いを持ってはいけないやつだな、と思った。
そして 確認しつつ バックしたいので 窓を開けたいのだが 開かない。その運転手の方に ドアを開けて
「窓どうやって開けるんですか?」と聞いてみた。
「あぁ、それ壊れて 窓は開かないんです」

…あ、なるほど。
そう来たか。
「大丈夫です」とにこっと笑ったものの さて、と 車止めがこうあって 前輪がこう越えてて こっち向きで バックしたい方向には 石像がある…と 頭の中で シュミレーションしてみる。

もう ただの勘しかない。

数回 ハンドル切りつつ ゆっくり 少しだけ右後方に 石像すれすれで 車をバックさせて また反対にハンドルを勘で切りつつ 今度は逆に少しバックした。

あれ?と思うほど すんなり車は無事出た。

気がつくと 通りすがりの人が少し増えてて みんな大拍手(笑)
そんなつもりじゃなかったので びっくりした。

急に 照れたけど 一応 みなさんに笑顔でお辞儀しつつ、高齢の女性にも会釈して さっと帰ったのだった。

しかし。
あとあと ゆっくり落ち着いて考えてみると、 縦列駐車より 難解なことをクリアできたので とてつもない爽快感があり、それからは 縦列駐車やりたい病は落ち着いたのでした。


 縦列駐車より難解な車を出す、ということをやってみた話でした。



 ヘッダー画像は Googleよりイラストフリーで使わせていただきました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?