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雨の日のオーケストラ

 小さい頃 ずっとひとりの時間を過ごしていたわたしは
孤独を感じながらも
ひとり遊びは とても好きで
どこにでも
ひとりで行ったし
どこででも
ひとりでいれた。


今 ふと思い出したのは
雨の日のこと。
育った祖父母の家は とても貧しい家で
雨漏りも酷かった。

でも 楽しみもある。

雨が降り始めると
雨漏り避けのバケツや器の音が
「ちょん」
「ぽつん」
「ぽつぽつ、ぴちょん」
どんどんリズムがついていく。


ちょっと楽しい。


オルガンが家にあったので
雨漏りの音や
屋根に当たる雨の音、
 雨戸いをつたい地面に落ちる音、
それを オルガンの鍵盤で拾って遊んでいた。

窓から見える葉っぱに落ちる様子も
脳内で
音に変換して
そこに加えてみる。

そうして遊んでいると
時間が経つのがはやい。

わたしの頭の中では
自然たちのオーケストラが始まる。

車のフロントガラスに
ついていた雨粒たち

大人たちには
感受性が強すぎて怖いなどと言われ 
警戒するような表情で
わたしを見る目に傷ついたりもしたけど

その傷すら
わたしの中のきらきら宝石になった。

何に対しても
偏見を持たないように
考えられるようになったんじゃないかと思う。

それでも
どうしたって
360度 純粋に素直に物事
受け入れて考えられるか、というとそうではない。

だけど
あの頃 傷ついたあの視線があるから
あらゆる方向で「考える」ということは
身についた。


今でも あの雨の日の
賑やかな雨のオーケストラや
それに合わせて
音を拾うイメージは 記憶にある。


どれもすべていい経験をしたと思っている。

もうすぐ梅雨の時期が来る。
雨の日は
またその楽しみがあるなぁ。


まとまりがない文章になりましたが
思い出したこと
書いてみました。


ヘッダーは
可愛らしいイラストをお借りしました🐈‍⬛

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