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Chick Corea. Return to forever (1972)

いきなり関係ない話ですがビートルズのリミックスを手掛けているジョージマーティンの息子ジャイルズが何かのインタビューに対してアルバムとはタイムカプセルのようなもの、どれだけ時間が経ってもその中の音やミュージシャンの歳にはその時から変わっていないと語っていました。このアルバムを聴くとその言葉を思い出します。フリージャズやジャズロックと言った破壊的なサウンドを持つジャズを基に美しさや音楽を聴く楽しみを再構築したこのアルバムを多くの人に影響を与え、チックコリアを、フュージョンという音楽をガラッと変える一枚になりました。今でもそれは変わらず50年前のアルバムとは思えないタイムレスな印象を受けます。ジャズが聴かれる限りこのアルバムも聴き継がれ、鳥もどこかへ飛び続けるはずです。

メンバー
チックコリア:ピアノ
ジョーファレル:フルート、ソプラノサックス
スタンリークラーク:ベース
アイアートモレイラ:ドラム、パーカッション
フローラピュリム:ボーカル、パーカッション

Return to forever
チックのエレピの音から始まりそこにパーカッション、ボーカル、フルートの順で音が入るイントロがとても美しい展開です。イントロが終わるとテンポを少し上げてドラムとベースが入り躍動感が取って代わります。再びイントロのリフが入りクールダウン。そこからベースとドラムのグルーヴが全体を引っ張っていくようなサウンドになります。

Crystall silence
透明感のあるエレピと抑制されつつも情熱的なサックスが対照的な曲。

What games shall we play today
明るいサウンドの曲。以前の二曲が複雑な構成だったのに対してすっきりとまとめられた印象です。

Sometimes ago - La fiest
B面を丸々使った大曲で少し不思議なリフを重ねた長めのアドリブのようなイントロから始まります。長いベース、ピアノソロ、フルートとアルコのユニゾンを挟みテンポが上がっていくと同時にアドリブからテーマに移り変わっていきます。Sometimes agoは深みのあるベースを土台に軽やかなフルートとエレピが舞い、フローラが歌う曲。そこから煽るようなドラムに合わせて各メンバーの演奏も熱を帯びていきます。La fiestは熱を持った演奏をバックにジョーが伸びやかで情熱的なサックスを吹きまくっています。


裏RTFたち(随時追加します)