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Toots Thielemans & The Shirley Horn Trio - For My Lady (1991)

数少ないハーモニカでジャズをするトゥーツシールマンス。彼が歌手でありピアニストでもあるシャーリーホーンのトリオと共演したのが本作です。この頃はハーモニカ奏者として幅広いジャンルのミュージシャンのアルバムにゲスト参加したり、年齢による体力の衰えを理由にギターの演奏をやめてしまうのでギタリストとしてのトゥーツのアルバムとしては最後の方になります。

メンバー
トゥーツシールマンス:ハーモニカ、ギター、口笛
シャーリーホーン:ピアノ、ボーカル(4)
スティーブウィリアムス:ドラム
チャールズエイブルス:ベース

For My Lady
スウィンギーで落ち着いたバラードナンバー。ハーモニカの哀愁ある音色はもちろん絶妙なバッキングもとてもいいです。

How Long This Been Going On?
端正なタッチのピアノから始まるバラードナンバー。ハーモニカが入ると一気に哀愁度が上がります。

Blues In The Closet
ブンブン唸るベースがかっこいいブルースナンバー。シャーリーホーンのリズミカルでアップテンポのピアノもかっこいいです。単にハーモニカとは言いますがいくつか種類がありトゥーツが使っているのはブルースやフォーク系のミュージシャンのとは別物です。ブルースやフォーク系の人のは少し線の細いピョロピョロした音ですがトゥーツのはもっと深みのあるアコーディオンにも似たサウンド。

Someone To Watch Over Me
シャーリーホーンがボーカルを取るしっとりとしたブルース調のバラードナンバー。シャーリーのボーカルが好きで彼女のボーカルもののアルバムも何枚かもっているのでそちらもいつか紹介したいです。

I’m Begging To See The Light
デュークエリントンの曲で口笛とギターのユニゾンで演奏されます。ハーモニカもいいですが個人的には口笛とギターのユニゾンの方が好きだったりします。

The More See You
この曲ではハーモニカに戻ります。アドリブパートでは音色をダブらせたりビブラートをかけたりとホーンにも負けないアドリブを披露しています。

The Mooche
ここではエフェクターをかけたギターを弾いています。どういうエフェクターかは分からないですがエレピやヴァイブのような不思議な音色で面白いです。フェイザーと何かを組み合わせているような気がしますが詳しくないのであってるかは分からないです。

Close Your Eyes
リズミカルなアップテンポのナンバー。ハーモニカとピアノでのコールアンドレスポンスがクセになります。

Blues And Sentimental
落ち着いたブルースナンバーで終わりまでずっとソロなのかと思うくらい長い頭のハーモニカソロが印象的です。

Corcovado
クワイエットナイトというタイトルで呼ばれることの多いボサノヴァの曲です。ボサノヴァの穏やかなリズムとハーモニカの音色がよくあっています。

Willow Weep For Me
有名なスタンダードですが切ないメロディとハーモニカの音色がマッチしています。ブルージーなピアノも印象的です。

Once In A While
美しいバラードナンバー。このカルテットでの演奏をもっと聴いてみたいですが他にはないようです。

こうして書いていたら自分も小学校時代楽器工場の工場見学に行って小さいハーモニカをもらったことを思い出して引っ張り出して吹いてみました。吸うと吹くだけだから簡単かなと思いましたが思ったのより何倍も難しい。やっぱり音楽は奥深いです。