Gabor Szabo - Mucho
ボブジェイムズ企画番外編として初期のプロデュース作品である本作を紹介します。本作はエンジニアでCTIのほとんどのアルバムを手がけたルディヴァンゲルダーの名前がなく演奏するメンバーも西海岸を拠点にした人ばかりなのでおそらく西海岸で録音されたものと思われます。ガボールの個性的なギターとこの地のグルーヴはミスマッチなように思いますがそこはボブジェイムズ。しっかりまとめています。
ガボールザボ:ギター
エリックゲイル:リズムギター
ボブジェイムズ、イアンアンダーウッド:ピアノ、エレピ、シンセサイザー
ルイスジョンソン、スコットエドワード:ベース
ハーヴィメイソン:ドラム
ラルフマクドナルド、アイドリスムハンマド:パーカッション
トムスコット:テナーサックス、リリコン
ジョンファディス:トランペット
ジョージボハノン:トランペット
ベースは2人いますがルイスジョンソンは得意のスラップ奏法でこれでもかと主張してきます。正直ガボールとルイスどっちが主役なのかわからないです笑
Hangarian Rhapsody #2
ディスコよりのファンクグルーヴで一瞬かける曲を間違えたのか不安になりますがガボールのギターはいつも通りなので安心します。ストリングスの代わりのシンセはらしくないですがホーンアレンジはボブジェイムズらしい作風です。ギターソロが終わるとシンセがバグパイプか笛を模したような音でソロ取りますがホーンっぽいフレーズもでてくるのでリリコンかもしれません。クラシックの作曲家フランツリストのカバーです。
Time
モロNautilusなイントロから始まるメロウなナンバー。ガボールの幻想的かつ哀愁あるギターの音色が印象的です。意外なことにボブではなくガボールのオリジナルです
Transylvania Boogie
かなりファンキーなグルーヴに少しミスマッチなギターやホーンアレンジが乗っかる面白い曲。エリックゲイルのリズムギターがマイルスのSo What(チャーッチャを繰り返すあれ)のイントロみたいでこれも面白いです
Ziggy Zag
リズムセクションとホーンが主張強めの一曲。ギターソロもありますがバッキングがファンキーかつ華やかなので相対的に地味です。ただ周りがなんであれ俺は俺のスタイルで弾くガボールのスタイルは大好きです。
Macho
ガボールの中近東風の幽玄のギターを主役にした曲。ハーヴィメイソンのタイトながらもグルーヴィなドラミングと誰かはわからないコンガがDJ向きな感じでかっこいいです。
Poetry Man
フィービスノウのカバー。ガボールらしい音色のギターとそれを包むようなメロウでゆったりとしたサウンドが印象的です。オリジナルも本作と同様NYが拠点の人が西海岸で作ったアルバムに収録されてます。
ここからは米版CDのボーナストラックです。
Evening In The Country
ドッシリとしたグルーヴのスローナンバー。ガボールのよく使うフレーズが詰め込まれています。
Macho
別テイク。オリジナルよりも2分ほど長いです。
コネクション:Airto - Vigin Land
こちらはビリーコブハムプロデュースでNYのエレクトリックレディスタジオでの収録。どちらもCTIのサブレーベルSalvationからのリリース。元々ゴスペルのレコードのために作られたもののクリードテイラーが制作に関わっていないアルバムをリリースするレーベルとして使われました。KUDUとは違いCTI名義で販売されることが多かったので知っている人は少ないはずです。(僕もこれを書くためにいろいろ調べて初めて知りました。)