Milt Jackson - Olinga (1974)
ヒップホップグループのATCQがサンプリングしたレコードを紹介する動画を見た時ミステリアスなジャケットとクールな演奏に惹かれました。本作はCTIからのリリースですがその内容はかなりハードバップ的なサウンド。その中にほんのり顔を見せるグルーヴィなビートや電気楽器がクールかつファンキーなサウンドを作り上げています。ちなみに本作がリリースされた1974年は長く続いたモダンジャズカルテット(MJQ)解散の年でもあります
メンバー
ミルトジャクソン:ヴァイブ
ジミーヒース:ソプラノ、テナーサックス
シダーウォルトン:ピアノ
ミッキーロッカー:ドラム
ロンカーター:ベース
ボブジェイムス:ストリングスアレンジ(1、5)
Olinga
ダイナミックでエキゾチックなリズムとサックスがかっこいい曲。ミルトはマイペースでブルージーなソロを披露しています。ATCQがAward Tourでサンプリングしたのはこの曲です。
Rerev
スウィンギーなハードバップナンバー。ここまでスウィングしている曲はCTIでは他にないでしょう。全員がソロを取りますがロンカーターのドープなベースソロがかっこいいです。この曲に限らずCTIって別にコマーシャルなフュージョンしかないわけじゃないですが勝手にそういうイメージがついているのが残念です。
The Metal Melter
ロックビートを使ったファンキーなジャズロックナンバー。ドラムは8ビートがうまいミッキーロッカーですが彼がCTIのレコードに参加するのは珍しい気がします。ロンカーターはウッドベースではなくエレキベースを弾いているように聴こえます。
The Steel Bender
この曲もグルーヴィなジャズロックナンバー。曲の始まりとソロのシダーウォルトンの豪快なエレピがかっこいいです。始まりの方のピアノのフレーズがNight In Tunisiaに似ている気がします。ジミーヒースのソロもシダーに負けず劣らず豪快でハードバップ的なサウンドでかっこいいです。
Lost April
ストリングス入りのメロウナンバー。ミルトのソロも美しいです。
I’m Not So Sure
ミッキーのマーチング風のタイトなドラミングがかっこいい一曲。ジミー、シダーとソロが続きます