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John Coltrane And Johnny Hartman - S,T(1963)

本作はバラードやデュークエリントンとの共演盤に次ぐ3枚目の企画盤で歌手のジョニーハートマンの伴奏を当時の黄金カルテットが務めるというなんとも豪華な一枚です。ジョニーハートマンはクルーナースタイルの歌手で力強くも甘いバリトンボイスは聴いていて自分もこんないい声で歌ってみたいと思わずにはいられません。一方のコルトレーンはモード手法を取り入れ過激な演奏をしていたのと同一人物とは思えないソフトでストレートな演奏です。また選曲もロマンチックな曲が多くて疲れた時とかに無性に聴きたくなります。

They Say It’s Wondeful
ジョニーハートマンの美声にうっとりするバラードナンバー。トレーンのソフトなサックスやスウィンギーなリズムもいつもとは違って新鮮です。

Dedicated To You
トレーンのソロが美しいバラードナンバー。ソフトなボーカルも印象的です。

My One And Only Love
このアルバムの中で一番というかジョニーハートマンの曲で一番好きなのがこの曲です。演奏もジョニーの歌声もロマンチックで惚れ惚れしてしまいます。

Lush Life
ビリーストレイホーンが書いた曲でトレーンがプレステッジで吹き込んでいます。マッコイタイナーのピアノとのデュオで始まり徐々に他のメンバーが入るアレンジが印象的です。

You Are Too Beautiful
マッコイのソロが美しい曲。ソフトで語尾を伸ばしつつ少し流すような歌い方が印象的です。ほとんどの曲は一発録りだったそうですがこの曲だけはエルヴィンがドラムスティックを落としたこととジョンのソロに良さにジョニーが聴き入ってしまい歌うタイミングを間違えたために録り直したそうです。ジョニーが聴き入るほどのソロですが録り直し(つまり本テイク)の時の方が同じかそれ以上に良かったそうです。

Autum Serenade
ラテン調のリズムを使った曲でトレーンはいつもの激しいアドリブを吹いていますが雰囲気を壊さず上手く調和しています。

Villa
CD化で追加された同じセッションで録音されたもののジョニーハートマンのいない曲です。