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Shirley Horn - Loads Of Love(1963)

シャーリーホーンは80年代のアコースティックジャズ復活時代に弾き語りスタイルのアルバムを何枚かリリースし、滅多にサイドマンにならないマイルスデイヴィスがゲストとしてトランペットを吹いたことでも話題になりましたが実は彼女のデビューは60年代。本作は3枚目のアルバムになります。ただ子供を育てるために地元のクラブに出るのみの半引退状態に。子供が結婚してから完全復帰して前述のような活躍をします。本作をリリースしたエマーシーレコードは彼女の他にもダイナワシントン、ヘレンメリル、サラヴォーンなど僕の好きな女性ジャズボーカルのアルバムがとても多いので僕が好きなレーベルの一つです。そしてこの暗闇から明るいところをぼんやりと見つめるようなジャケットも印象的です。僕はこのジャケが好きで一時期スマホの壁紙にしていました。

メンバー
シャーリーホーン:ボーカル
ハンクジョーンズ:ピアノ
ジミージョーンズ:ピアノ(7、11)、アレンジ
ケニーバレル:ギター
ジェリーマリガン:バリトンサックス
アルコーン:テナーサックス
フランクウェス:フルート、テナーサックス
ジェロームリチャードソン:フルート
ジョーニューマン、アーニーロイヤル:トランペット
ミルトヒントン:ベース
オシージョンソン:ドラム

シャーリーはピアノも上手い人ですがこのアルバムでは弾いていません。メンバーに関してはリズム隊、ケニーバレル、ジェリーマリガンは間違いないですが他のメンバーは信ぴょう性が不明です。

Wild Is Love
ほんのりティファナブラスっぽいラテンタッチの軽快な曲。軽くスウィングする歌い方が印象的です。

Loads Of Love
ピアノトリオをバックにした曲でスウィンギーでユーモラスな雰囲気の曲です。

My Future Just Passed
囁くようなハスキーボイスが切ない一曲。ハープやストリングスの音も過剰でなく切なさを強調しています。

There’s A Boat That’s Soon For New York
洗練されたミディアムテンポの演奏と少し気取った歌い方が印象的な曲。元々ミュージカルのポーギーとベスで麻薬密売人のスポーティンライフがヒロインのベスを口説いてニューヨークへ連れて行くシーンで歌われた曲なのでそれにピッタリの演奏と歌い方といえます。

Ten Cents A Dance
囁くような歌い方が印象的な曲。詳しくはないですが当時10セント払うと女性ダンサーと踊れるというサービスがありそれをしている女性の歌らしいです。

Only  The Lonely
ストリングスとピアノが美しくも切ないバラードナンバー。

The Second Time Around
しっとりとしたボーカルと柔らかいストリングスが印象的な曲。

Do It Again
囁くようなボーカルが印象的な曲。エリントンがよくやるようなワウワウしたトランペットが印象的です。

It’s Love
躍動感あるグルーヴがかっこいい曲。ほとんどベースとドラムだけをバックにした演奏なのがよりグルーヴを強調しています。

That’s No Joke
少しキリッとした歌い方が印象的な曲。

Love For Sale
ハスキーですれた歌い方が印象的な曲。歌詞を見ながら聴くとよくわかりますが歌詞の中の主人公を演じているような歌い方をする人だと感じます。僕はこういう役者のような歌い方結構好きです。

Who Am I
ゴージャスなストリングスをバックにしたスタンダード風のアレンジの曲。