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Ike Quebec - Heavy Soul(1961)

アイクケベック。ブルーノートの中でもマイナーなミュージシャンな彼ですがアルフレッドライオンのお気に入りでもありました。また彼も新人のスカウトや変曲を行いブルーノートを支えました(真偽不明ですがアルフレッドの運転手や白人の彼が黒人向けのクラブでトラブルにならないよう仲介役をしたこともあったとどこかで読んだ記憶があります)彼はダンサーとして芸能界入り、その後ピアノを始めテナーサックスに持ち帰るとエラフィッツジェラルドやコールマンホーキンス、キャブキャロウェイなどのバンドを渡り歩きます。その後ブルーノートと契約して人気になりますがクスリ問題で引退同然に。それを心配したアルフレッドが再デビュー盤として制作したのが本作です。

メンバー
アイクケベック:テナーサックス
フレディローチ:オルガン
ミルトヒントン:ベース
アルヘイウッド:ドラム
ベース入りの変則的にオルガントリオをバックにしたワンホーンカルテット。フレディローチもブルーノートリーダー作をだしていますがソウルフルというよりブルージーなスタイルで好きなオルガン奏者です。

Acquitted
スウィンギーなオルガンをバックにアーシーだけど臭すぎないトーンでブルージーなアドリブを吹きます。オルガンもたまにゴスペル風のロングトーンを弾くのがアーシーでかっこいいです

Just One More Chance
太く掠れた音色で朗々とブロウしています。この男らしく歌うようなプレイは最高にかっこいいです。

Que’s Dilemma
グルーヴィなリズムがかっこいい一曲。アイクのプレイもソウルフルやファンキーとは微妙に違いますがそれらによく似たスタイルです。

Brother Can You Spere A Dime
ビバップ以前の古き良きスタイルのムーディでありつつも少し切なげなバラードナンバー。フレディローチのブルージーなオルガンソロもたまりません。

The Man I Love
ゴスペル調のオルガンをバックに哀愁いっぱいに柔らかくサックスを吹きます。後半になるとテンポを上げてグルーヴィになった演奏をバックにアドリブをバリバリ吹きます。どちらもかっこいいです。

Heavy Soul
ラテン風のミステリアスなリズムをバックにブルージーな演奏をします。

I Want A Little Girl
ムーディかつリラックスした演奏の一曲。フレディの自分のソロだけはうっすらロングトーンだけを弾き、ソロもバラードらしくおとなしいトーンなのが好きです。

Nature Boy
ミルトとのデュエットナンバー。ベースもほとんど目立たずほぼワンホーンと言ってもいい演奏です。ムーディーでブルージーなサックスがじっくり聴ける一曲です。

Blues For Ike
ボーナストラック。ややアップテンポの明るい曲でブルージーなバラード多めの本作に最初収録されなかったのも不思議ではないです。しかしソウルフルなプレイでしまっておくにはもったいない一曲です。