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Sonia Rosa - "Sensitive Sound Of Sonia Rosa" aka "Bossa Nova" (1970)

ルパン三世をはじめ大野雄二さんとの共演で有名なソニアローザの日本でのファーストアルバムです。僕は渡辺貞夫さんの関連作品として聴いた一枚です。盤はレアで配信にもないものが近所の図書館にあったうれしさとナベサダさんが全曲で参加していると思って大喜びで借りて帰ってブックレットを見たところ2曲にしか参加してしないと知って少しがっかりした記憶があります。ただ主役のボーカルがとてもよかったうえに参加していない曲の演奏もよかったので一瞬とはいえがっかりしたことが申し訳なくなると同時に愛聴盤になりました。選曲は当時のこういったアルバムではよくあるベタなものですがかえって演奏やチャーミングな歌声が引き立っています。

メンバー
ソニアローザ:ギター、ボーカル、編曲(3,7,9,11)
渡辺貞夫:フルート、ボーカル、編曲(1,12)
鈴木邦彦(2,5,8)、馬飼野俊一(4,10)、鵜飼康一(6):編曲
宮沢昭男:フルート

ナベサダカルテットのメンバーは不明ですが小川隆夫さんは渡辺文男(ドラム)、増尾好秋(ギター)、鈴木良雄(ベース)宮田英夫(パーカッション)ではないかとしています。文男さん、鈴木さん、宮田さんの3名に関してはナベサダさんのボサノヴァ作品にも参加しているので可能性は高そうですがソニアがギターを弾いているので増尾さんが参加しているのかは疑問です。

The Girl From Ipanema
ナベサダカルテットをバックにした2曲のうちの一つ。珍しいポルトガル語版の歌詞を歌っています。さり気ないけどノビノビしたフルートも印象的です。

Fly Me To The Moon
ソニアのチャーミングながらも大人っぽいボーカルがよい曲です。途中の演奏より速いテンポのスキャットや語尾をやや伸ばすような歌いかたが印象的です。

Desafinado
この曲ではソニアのボサノヴァスタイルのギターの上手さがよくわかります。フルートソロは宮沢昭男さん。唯一参加が判明しているミュージシャンです。

The Look Of Love
少し間違えれば演歌かムード歌謡になりそうな演奏ですがそうはならず物憂げなバラードになっています。段々とリズミカルな演奏に変わるのもかっこいいです。最後の方はかなりウッドベース?がグルーヴィで最高です。

Meditation
グルーヴィなリズムと優雅なストリングスの対比が印象的です。

Corcovado
ソニアの弾き語りナンバー。二人で弾いているようにも聴こえるギターやメロディにあったアンニュイなボーカルは聴いていて穏やかな気分になります。

I'll Never Fall In Love
いつもの歌いかたでもチャーミングなソニアですがこの曲はさらにチャーミングな歌い方をしています。

The Shadow Of Smile
フルートやストリングスを効かせたアメリカンなボサノヴァバラード。

La Chanson D'orphee
とてもスローテンポのバラードナンバー。フルートの切なげな響きが印象的です。

Alfie
オリジナルのシラブラックの熱唱のせいかある程度歌唱力のある人が歌い上げる曲ですがここではほんのりスウィンギーなボサノヴァのリズムに載せて静かに語りかけるように歌っています。

Secret Love
ギターとフルートだけのシンプルな演奏に乗せてチャーミングなスキャットをいっぱい交えながら歌っています。

Tristezaia
再びナベサダカルテットとの演奏です。グルーヴィな演奏はもちろんスキャットやコーラスを披露していてセルジオメンデスっぽい演奏です。