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Gato Barbieri - Under Fire(1973)

 コルトレーンの影響を受けフリーに身を投じたガトーバルビエリ。その後自身の出身である南米の音楽にも目を向けるようになっていきます。初めて買った「第三世界」はフリーで好みに合わなかったので売ってしまいましたが本作はフリーな演奏もありますがテーマやメロディにも気を配ったアドリブやバラエティ豊かなリズムが面白く個人的には彼の作品の中で本作が一番好きです。

メンバー
ガトーバルビエリ:テナーサックス
スタンクラーク:ベース
ロニーリストンスミス:ピアノ
アイアート:ドラム、パーカッション
エムトゥーメイ:コンガ
ジョンアバークロンビー:ギター
ロイヘインズ:ドラム
ムーレイアリハフィド:ダンベグ

リリースは73年でその頃には有名グループにいたけど録音された71年には無名だった人ばかりなのが興味深いです。

El Parana
ゆったりとしたミステリアスな雰囲気のイントロからアグレッシブな演奏へと向かっていきます。ガトーの情熱的なフリークはかっこいいのでロニーのソロはもう少し短くしてガトーにその分長くソロを吹いてもらいたかったと思わないでもないです。

Yo Le Canto A La Luna
アタウアルパユパンキというアルゼンチンの歌手の曲でガトーは歌も披露しています。民謡的な曲のヘタウマボーカルは普通の兄ちゃんが仕事や風呂でも入りながら歌ってる感じがあって好きです。

Antonico
ボサノヴァ調のリズムを用いた曲でガトーのサックスがオーバーダブされて情熱度も重厚さも二倍ではなく二乗されています。

Maria Domingas
ブラジルのシンガーのジョルジベン(ジョルジベンジョール)の曲でサンバ調のイントロから始まりそれがやむと繊細なギターと情熱的ながらも繊細なサックスのデュオになり、そこからファンキーなリズムギターへ変わるともう一度バンドでの演奏に戻りファンクとラテンとジャズをミックスした楽しい演奏になり、それをテーマにソロパートが始まります。どれも高揚感のある良いソロです

El Sertao
野生的で荒々しい雰囲気の曲。ガトーの壮大で荒々しいアドリブは曲の由来となったブラジルの乾燥地を思わせます。一方ロニーのエレピは荒地に降る雨のような優しさのある演奏です。