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「ほしのはなし」北野武さんの絵本、知ってますか?

今日は7月7日、七夕。
子どもの頃は大きなイベントだった。
大人が切り出してくれた笹を、カラフルな色紙を切って輪っかを作って飾り
短冊にどんなお願いを書くか悩み。。。

しかし、今夜観たTVニュースでは七夕の話題はなかった。日本列島の大部分が梅雨の真っ最中。実際に天候は大いに不安定。さらに、大雨による災害が日本を傷つけている最中に、悠長なことを言っている場合ではないという判断なのか。

さて、そんな中、今日は北野武(ビートたけし)さんの絵本を紹介しようと思う。タイトルは『ほしのはなし』。七夕とは関係ないが、晴れていれば夜空を見上げる機会が多くなる季節。私の大好きな1冊だ。

シンプルなストーリー

ストーリーはいたってシンプルだ。

人はみんな星になる。
今まで生きていた人も、この空のどこかで星になって光っている。
そして、私たちをしっかりと見守っている。

みんな宇宙と繋がっている。
そして星が私たちを生かしている。
ひとりぼっちなんかじゃない。

シンプルなストーリーと選ばれた少数の言葉たちが
胸の奥に入り込んでくる。

この本を開くと、いつも目が潤んでしまう。
特に何か辛いことや悲しいことがあったわけでもないのに
ジーンと響いてくるものがある。

1枚の大きな星空

これは創作絵本というカテゴリーに入るらしい。
普通の製本ではなく、大きな1枚の紙に厚紙の表紙をつけ
中身は表紙サイズに折りたたんである。
大きな1枚の紙は、いっぱいに夜の星空が描かれている。
そこに、主人公のぼくとおじいちゃん、一緒に星空を見上げるワンコ。

文章はそのところどころに散りばめられ、
ページに切り裂かれるのではなく、
表紙を開き、折りたたまれた
大きな1枚の紙の絵を開くことで
イラストと文章の全体が見えるように
なっている。

さすが、たけしさん。普通の本は作らない。
夜空の広さと奥深さ、そして、
おじいちゃんの温かさ、
そしてワンコで家族を象徴させて、
人が生きることのいとなみを
1枚の大きな紙で伝えたかっただろうと思う。

ひとりぼっちじゃない

東京のはずれにいるので、空は広い。
犬とお散歩をしながら、星や月を見上げることは多い。
しかし、こんな思いで夜空を見上げることは少なくなってしまった。

時空の広がり、人とのつながりを、こんなふうに感じていると
生きていることがとても愛おしいと思えるだろう。

夜は毎日やってくる。
星空を見上げ、時空を自在に旅して、
つながりやご縁に
しっかりと気づきながら過ごそう。

そんなことを思い出させてくれる、 素敵な絵本だ。
刊行は2012年。既に絶版かも知れない。
が、子どもたちに、この大きな1枚の
紙を開いて
主人公になって星空を眺めてほしい。

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