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プペル歌舞伎観ました!

1月9日、新橋演舞場で新作歌舞伎プペル〜天明の護美人間〜鑑賞。

私は歌舞伎を語れるほどの歌舞伎体験は
持ち合わせていない。
なので、歌舞伎としてどうなのか?
は正直わからない。

しかし、とても気持ちのいい感動をいただいた。
歌舞伎という伝統芸能に時勢を反映した
アップデートの試みという
貴重な現場に立ち会えたということ。
真摯なチャレンジのオーラを受けたということ。
そして、ぼたんちゃんの見事な役者っぷり。
どれも最高でした!

絵本も映画も観ていて、和と洋、
江戸と現代という背景の転換が
どのように表現されるのか
とても楽しみだったが、
浅間山の噴火や天明の飢饉という史実を
上手に織り込んで
えんとつがない江戸の街に
もくもく雲と星を表現する
ストーリーはお見事だった。

大道具はやや貧弱?と思ったが、
回を重ねることで
バージョンアップしていくことだろう。

それをカバーして余りあるのが舞台照明。
エンディングの、星空をイメージした
ライティングは
星空のきらめきと
信じることをあきらめない勇気と
希望を象徴して
観客はみんなウルウル。。。

映画の公開から1年。
現在進行中のコロナ禍にあって
子供も大人も一緒に心を揺さぶられる
極上の作品でした。

歌舞伎体験の浅い私が感じたことが2つ。

私はこれまで歌舞伎よりも
オペラを観ることが多かった。
市川海老蔵さんを観ていて、
3大テノールのひとり、
プラシド・ドミンゴを思い出した。
舞台上に100人以上が
うごめいているシーンでも
ドミンゴ様はどこにいるのかわかる。
まるでスポットライトが当たっているかのように
そこにオーラが現れるので探さなくてもいい。

海老蔵さんは、まさにそんな存在。
「華がある」の見本のような人だ。
一緒に観ていた友人は
「海老蔵さんが観れて幸せ」と
目を♡にしていた。
所作の美しさにストイックな鍛錬が
にじみ出ている。

もう1点は、主役は圧倒的な主役で、
脇の演者が主役を食ってしまうということは
歌舞伎では起こりにくそうだということ。
観客はご贔屓の演者目的で観劇に来る。
ご贔屓の演者をなるべく長く観ていたい。
ご贔屓の演者は主役級であることが
ほとんどだから
この主役が何役もこなすこと自体が話題になる。
海老蔵さん自身、ひとりで13役に
挑まれたこともある。
当然海老蔵さん目当ての観客は満たされる。

オペラでは、圧倒的な主役を置く演目でも
主役以外の人が主役を
食ってしまうことがある。
主役のピンチヒッターとして
登場した代役が大受けして
いきなりスターになったりすることもある。
歌舞伎ではそんなこと起こるんだろうか。。。

ということで、超久しぶりの
歌舞伎体験だったが、
新作や新しい試みと同様に古典的な演目も
ちゃんと観たいと思った。

プペル歌舞伎、おススメです。

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