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【CL札幌11-3】【デッキ解説】ネイティオネオアッパードラパルト

お久しぶりです。前回のロスギラの記事以来2回目の執筆となります、ミズと申します。先日行われましたCL札幌2024で、ネイティオネオアッパードラパルトデッキを使用し通算成績11-3の41位という成績を納めることができました。また観測上、ネオアッパーエネルギーを採用したドラパルトの中では私が最高位でした。(もし間違っていたら教えて下さい🙇‍♂️)本記事ではネオアッパーエネルギーとネイティオの詳しい採用理由、デッキを回す上での基本的な考え方、各対面への動き方など、本デッキを隅々まで解説しております!RT割引でお得にご覧下さい!

以下目次です。

使用デッキリスト、当日のマッチング

Day1のリストがこのデッキのベースとなるリストで、Day2ではミライドンや未来バレットの使用率が増えると予想し、ロストスイーパーをまけんきハチマキに変更しています。

Day1使用リスト
Day2使用リスト

デッキ構築までの過程(本質理解)

デッキを構築するにあたって、メインとなるカードの本質を理解することは、デッキの方針の確立や後のデッキ完成度に大きな影響を与えます。この作業がいかに的確に行われているかがデッキ構築において非常に重要になります。構築段階で強点を最大化し、弱点を最小化させることで強いデッキになると私は考えています。

強点の理解→方針の確立

まずこのポケモンで1番目を引く点が、①弱点を持たないHP320のポケモンであるという点です。これは基本的に攻撃を一度は耐える耐久力を意味していると同時に、一度建ってしまえば技を2回打てる権利があるとも言えます。しかしドラパルトexを建てるタイミングが遅れてしまうと、HPが低い進化前のドラメシヤやドロンチを枯らされてしまったり、320以上のダメージを出してくる(もしくは気絶させてくる)準備をされてしまう環境でもあるので、ドラパルトはなるべく早期に建てるのが理想です。
次に注目すべき点が、②技ファントムダイブの制圧力です。この技はバトル場とベンチの両方に一度に攻撃することができる技で、この技の効果を今のカードプールで防ぐ方法は、特性スフィアフィールドを持っているベラカス、リククラゲex、ミストエネルギーしかなく、この三枚のカードの中で環境で見かけるのはルギアvstarデッキに入っているミストエネルギーくらいです。ですのでファントムダイブを2〜3回打てると、ほとんどのケースで相手のポケモンを2匹以上同時に倒すことが可能となり、ドラパルト一体でサイドを3~4枚取ることが可能です。また相手のデッキによっては先にテンポをとってしまえば盤面を崩壊させることもでき、ファントムダイブの試行回数=ドラパルトデッキの強さと言えるでしょう。
今紹介したドラパルトexの強み二つを踏まえ、ファントムダイブを打てる状態のドラパルトexを早く準備することができるデッキ、具体的には先行、後攻2ターン目にファントムダイブを打てるドラパルトexを用意できるデッキにすることが構築の大筋の方針となります。

弱点の理解→採用カードの明確化(なぜネイティオとネオアッパーエネルギーなのか)

次にドラパルトexの弱点を見ていきます。このポケモンの弱点は大きく2つで、①2進化ポケモンであることと、②技に必要なエネルギーが2色あることです。
については、上記のデッキ構築方針に基づき、先行2ターン目にドラメシヤをふしぎなあめを使ってドラパルトexに進化させる、もしくは後攻2ターン目にワザマシンエヴォリューションで進化させたドロンチからドラパルトexに進化させることを目指していきます。ふしぎなあめ、エヴォリューションへのアプローチとして一番最適なカードはサポート「ペパー」です。つまりこのペパーにいかにして触るかがドラパルトデッキの安定性に大きく影響してきます。従ってなかよしポフィン、ハイパーボール、ネストボールのどれからでもペパーに繋がるようにシャリタツ、ネオラントv、ロトムvを採用することが非常に重要となります。
については、アプローチの方法が何種類かあります。
1つ目が単純に2ターンかけてエネルギーを手張りするというアプローチです。このアプローチが一番オーソドックスであり、エネルギーカードを入れている限りどのデッキにも標準的に搭載されるアプローチですが、1ターン目にエネルギーを引けていないと成功しないのでこの方法だけでは再現性を担保できません。
2つ目がサポートカードのエネルギー加速効果に頼るというアプローチです。このアプローチは個人的にはあまり好みではありません。というのもサポートカードに触るには、触りたいサポートカードの母数を増やすか、狙ったサポートカードに触るためのシステムを採用する必要があるため、デッキの枠を必要以上に使ってしまうからです。また現スタンのカードプールでエネルギー加速ができるサポートカードは「サカキのカリスマ」、「マリィのプライド」、「オモダカ」、「メロコ」の4種類、この内能動的にエネルギー加速ができるカードは3種類しか存在せず、それらの副次効果もドラパルトデッキとの相性が良くないので、このアプローチはあまり好ましくありません。
3つ目がグッズのエネルギー加速(ほとんどの場合、ミラージュゲート)に頼るというアプローチです。このアプローチは、エネルギーを2色ドラパルトにつけるという点でこれ以上ないアプローチです。しかしミラージュゲート自体に使用条件がついており、2ターン目のドラパルト起動という観点からみると再現性が担保できなかったため、今回は見送る形になりました。
4つ目がポケモン(ほとんどの場合、アカシックセンスネイティオ)のエネルギー加速に頼るというアプローチです。これはボール系カード、またエヴォリューションから辿り着くことのできる堅実なアプローチでありますが、概ねエヴォリューションを打ったとき(=後攻1ターン目or先行2ターン目)にしか効果的にその能力を発揮しないため、先行2ターン目のファントムダイブ起動には大きく関与しないアプローチであると言えると思います。
5つ目がネオアッパーエネルギーを手張りするというアプローチです。現スタンのカードプールでこのカード以上に確実にファントムダイブを起動させられるカードは存在しません。しかし特殊エネルギーへのメタカードが環境に多く存在しているというデメリットも存在しています。ですが相手側も特殊エネルギーメタカードを持ってくるためにサポート権やリソースを割く必要も出てくるため、テンポ取りが強いドラパルトの特性に非常に相性が良いカードであると言えると思います。
私は上記のうち1つ目、4つ目、5つ目のアプローチをデッキに搭載することで、先行,後攻どちらの場合も同等の出力と安定感が生まれるのではないかと考えました。

ネイティオとネオアッパーエネルギーの親和性

アカシックセンスのネイティオとネオアッパーエネルギーを採用するにあたって、この2枚のカードの親和性の高さにも注目しました。
注目した点の一つ目が、ネイティオ型ドラパルトのネオアッパーエネルギーの採用率の低さです。CL開催までに一番テンプレート化されて結果を残していたのがネイティオとポケモン回収サイクロンを組み合わせた型でした。ですのでネイティオを採用しているドラパルトにはネオアッパーエネルギーは採用されていないという前提で相手が動いてくれることが多く、特殊エネルギーメタのカードを早々に切ってくれることがままありました。実際にCLのピジョットゲッコウガ戦でも、初ターンに相手が改造ハンマーをトラッシュに送ってくれたことで安全にネオアッパーエネルギーを付けたドラパルトを起動させることができました。
もう一つの点が、ネイティオがネオアッパーエネルギーの保険になってくれるという点です。ネオアッパーエネルギーは特殊エネルギーであるためにメタの対象になることが多く、最初にファントムダイブを起動させることができたとしても途中で動かなくなってしまうことが少なくありません。しかしネイティオがベンチにいれば、新しいドラパルトを即座に用意することができることが可能なため、特殊エネルギーメタへの解答となってくれます。また相手目線では、こちらのベンチにネイティオとドロンチがいる時点で新しいドラパルトを即座に用意できることが明白なため、ネイティオという存在が「わざわざ特殊エネに干渉する」という行為への牽制にもなります。
これらの点が私が今回の構築を目指そうと思った要因の一つです。

デッキ構築方針、デッキの軸となる採用カードの整理

【デッキ構築方針】
先行、後攻2ターン目にファントムダイブを打てるドラパルトexを用意できるデッキにする。

【デッキの軸となる採用カード】
・ペパーがすべての動きの起点になるため、シャリタツ、ネオラントv、ロトムvを採用することでペパーへのアクセスを良くする。

エヴォリューションで建てたドロンチをスムーズににファントムダイブドラパルトとして起動させるためにアカシックセンスネイティオを採用する。

・最も確実なファントムダイブへのアプローチとしてネオアッパーエネルギーを採用する。

採用カード解説

ポケモン(18枚)

・ドラメシヤードロンチードラパルト 4-4-3
ドラメシヤ、ドロンチに関してはシステム兼アタッカーになるカードなので最大枚数の4枚ずつの採用となっています。ドラパルトは全ての対面で2枚以上使うカードのため、サイド落ちも考慮して3枚の採用となっています。

・シャリタツ 1枚
なかよしポフィンからペパーにつながる可能性を作ってくれるカード。

・ネイティーネイティオ 1-1
元々2-2からスタートしたカードでしたが、中盤以降に1体建てられればいいことやネオアッパーエネルギーを採用したことで採用枚数を減らし、その分で自由枠を捻出する方が強いと考え、1-1での採用になりました。しかしネイティオがサイド落ちしてしまうと触る手段がないため、ネイティオの2枚目の採用は要検討です。

・かがやくフーディン 1枚
「ドラパルトexの弱点③バトル場へのダメージが少ない」を解決してくれるカード。特性ペインスプーンを適切に使うことで無駄なくばらまいたダメカンを使うことができます。またこのデッキにおいて貴重な非エクアタッカーでもあります。

・マナフィ 1枚
月光手裏剣から僕たちを守ってくれます。

・ネオラントv 1枚
ハイパーボールからペパーに触ることができるカード。

・ロトムv 1枚
ネストボールからペパーに触れる可能性を作ってくれるカード。

グッズ(19枚)

・なかよしポフィン 4枚
入っているたねポケモンのほとんどがHP70以下であり、システムポケモンであるドロンチ、アタッカーであるドラパルトexの進化元であるドラメシヤを一気に展開できるカードのため最大枚数の4枚採用。

・ハイパーボール 3枚
ネオラントに1枚、進化ポケモンに1~2枚使う計算で3枚採用。

・ネストボール 3枚
調整期間のほとんどの時間を2枚でやりくりしていたが、ロトムを1ターン目に出すことの重要性と、単純に2枚だと序盤の安定感に物足りなさを感じたので3枚採用。

・大地の器 2枚
このカードも元々3枚で回していたが、ネオアッパーエネルギーの採用により2枚でも足りると判断しての2枚採用。

・ふしぎなあめ 2枚
最初の一体目のドラパルトを建てられればいいのと、デヴォリューションの返しに建てられるようにする必要がある場合があるので最低限の2枚採用。

・すごいつりざお 1枚
このカードも元々2枚で回していたが、1枚で事足りる試合が多かったのと、ネオアッパーエネルギーの採用により数を減らし、1枚の採用。

・カウンターキャッチャー 1枚
ペパーから繋がる呼び出し札。2回使いたい場面もあるが、基本的には1枚使えればいいので1枚採用。

・ヒスイのヘビーボール 1枚
ドラメシヤの数がデッキの安定性とデッキパワーに直結するので採用。

・改造ハンマー 1枚
主にミストエネルギーを割るため採用。環境に強い特殊エネルギーが複数存在するためそれらに対応するためのカードでもある。

・ロストスイーパー 1枚
ドラパルトデッキの特性上、ジャミングタワーやハンディサーキュレーター、HPを底上げしてくる道具で簡単につまずいてしまうため、イージールーズをなくすためのカードとして採用。またネオアッパーエネルギーを採用している関係上相手のシンオウ神殿を即座に剝がすことのできるカードとしての役割も持っています。

ポケモンのどうぐ(4枚)

・エヴォリューション 1枚
主に後攻1ターン目に使いたいカード。1回使えればいいので1枚の採用。

・デヴォリューション 1枚
ファントムダイブと非常に相性が良いカード。1回使えればいいので1枚の採用。

・緊急ボード 1枚
主に1ターン目に手張りができなかった時の保険として採用しているカード。ネイティオとのシナジーもあり、完全ネイティオ軸であれば2枚採用したいカード。

・森の封印石 1枚
ペパーからネオアッパーエネルギーに触ることができるようになる唯一のカード。このカードの有無が一番デッキの安定感を左右するといっても過言ではない。本当は2枚採用したいが、枠の都合上1枚の採用。

サポート(9枚)

・ペパー 4枚
このデッキの根幹を担うカード。問答無用で最大枚数の4枚採用。

・ナンジャモ 3枚
手札干渉と手札リフレッシュの2つの役割を持つカード。あくまでペパーを使いながら試合を進めていくので、3枚で十分と判断しての3枚採用。

・ボスの指令 2枚
対戦中一回は必ず使うのでサイド落ちを考慮しての2枚採用。

スタジアム(2枚)

・シンオウ神殿 1枚
主にルギアへのメタカードとしての採用。改造ハンマーと合わせて2枚のメタカードをルギアに対して入れているのは、それくらいしないとルギアに安定した勝率を出せないと練習段階で判断したためです。

・崩れたスタジアム 1枚
負け筋となるネオラントvやロトムvを消すために使うカードであるのはもちろんですが、相手の盤面を狭めた状態のファントムダイブの威力が高いので、その点も高く評価しての採用。

エネルギー(8枚)

・超エネー炎エネ 4-3
ドラパルトを2回動かすのに最低2枚ずつは必要→サイド落ちを考えて3-3→アカシックセンスを強く使うために超エネの比率を多くして4-3という配分になりました。

・ネオアッパーエネルギー 1枚
このデッキの主役です。CL2日間通してMVPカードを決めるなら間違いなくこのカードでした。ドラパルトexの強みを最大限引き出してくれる素晴らしいカードです。

採用候補カード(優先度順)

・ネイティオ2枚目
ネイティオが1枚採用の場合、その1枚がサイド落ちしてしまうとサイドから引いてこない限り触ることができないので採用候補カード筆頭です。

・ツツジor博士の研究
ドラパルトデッキの特性上、サイドを早く取り過ぎてしまう展開になってしまうこともあり、中盤以降の相手のナンジャモの通りがよくなってしまうことが懸念されます。そこで一度手札を回復させるためのカードとしてツツジor博士の研究が候補カードとして挙げられます。

・まけんきハチマキ
後攻1ターン目のごっつあんプリファイがきついので、主にテツノカイナを一撃で倒すために採用するカードになります。

・テツノツツミ
効率よくファントムダイブの効果を使うために、相手のベンチポケモンを呼ぶ際に一番アプローチしやすい手段。


デッキを回す上での基本的な考え方

デッキ構築方針で既に明らかにした通り、このデッキは先行2ターン目、後攻2ターン目のファントムダイブ起動を狙います。ですので最初の手札7枚でいかにしてファントムダイブまでつなげるかを最初に考えます。ここで大事なのが、後の展開をどれだけ予想できるかです。2ターン目のファントムダイブが第一到達目標ですが、ファントムダイブを打つためにリソースを切り過ぎて、次のターン以降手札が細くなりすぎて簡単に捲られてしまっては本末転倒です。ですのでオープンになっている情報(相手のトラッシュに送られているカード、手札の枚数、デッキタイプ、デッキの回り具合、自分のサイド落ち等)をフルに活用し、常に最高のケースと最悪のケースを想定しながらプレイすることが非常に大事になります。

各対面解説

この項は筆者の知見がまだ足りていないため、新しい対面への戦い方を確立できた時点から随時更新していく予定です。

ドラパルトデッキ(ミラー)対面

現在ドラパルトデッキには様々な型が存在しますが、どの型と対峙する時も基本的に意識するポイントは変わらないため、一括りにして紹介します。

①ドロンチを狩る
ドラパルトデッキでは、お互い基本的にシステム兼アタッカーとなるドロンチを倒し続けるような戦い方になります。場からドラパルトとドロンチを消すことができれば、その後はドラパルトを建てるためにふしぎなあめが必要になってくるので、手札干渉と合わせてこの動きができると相手の次ターンの要求を爆上げすることができます。

②盤面作りをしっかりと行う(ドロンチ、ドラメシヤの数を確保する)
①で紹介した通り、ミラーではドロンチをお互いに狩り合う試合展開になることが多いです。ですので攻撃へと移行する前にしっかりと盤面を形成することでドロンチの貯金を作ることが非常に重要です。もちろん先にファントムダイブを打てた方がサイドレース的に有利になることは明らかですが、目先のサイドレースよりも恐れるべきなのがアタッカーの枯渇なので、ミラー時の行動優先度は1盤面形成→2ファントムダイブとなります。

③デヴォリューションを念頭に置いた試合進行をする
現在ドラパルトデッキのほとんどには「技マシンデヴォリューション」が採用されています。ですのでこの技をお互いに打てることをランドマークにして試合を進めていくと途中の分岐で迷うことが少なくなります。このデヴォリューションを打つ(打たれる)タイミングの指標となるのが場からドロンチが消えるタイミング、すなわち90以上のダメカンが乗っているドラパルトがいる盤面もしくはふしぎなあめから進化しているドラパルトがいる盤面になります。つまりデヴォリューションを打たなければならない展開を強いられた側(主にファントムダイブを先に打たれた側)は上記の盤面を作るようにダメカンをばらまかなければならないですし、逆にデヴォリューションを打たれる側は上記の盤面を避けるプレイを心掛けなければなりません。
*tips: シャリタツに緊急ボードを付けずにエネルギーを張った状態で置いておくとデヴォリューション待機魚になるよ!

④無駄のないダメカン配分を心掛ける
ファントムダイブを打つ際はドロンチを効率的に倒せるようにダメカンを乗せることが基本です。ここで一度ミラーにおける基本的な有効ダメージラインを見ていきましょう。
30+60=90(3個ダメカンが乗ったドロンチをファントムダイブで倒せるダメージライン)
60+60+200=320(ファントムダイブの効果2回+200点でドラパルトexを倒せるダメージライン)
このダメージラインを見たうえで下の例をご覧ください。

例えば上のような盤面を相手に作られてから、自分側が先にファントムダイブを打つ際、あなたならどのようにダメカン6個を置くでしょうか?
一見するとドロンチを枯らしていくという観点から、「ドロンチ2体にダメカンを3個ずつ乗せる」という選択が正解のように見えます。しかしそれではダメカン効率的に損をしてしまう可能性が高いです。概ね相手は次のターンにドロンチのどちらかを進化させて技を使ってきます。ですので仮にドロンチに3点ずつダメカンを乗せた場合、片方のドロンチはダメカンが3個乗ったドラパルトになります。つまり次の自分のターンにダメカンが3個乗ったドラパルトに200点を当てる事になります。230点というのは上記の有効なダメージラインのどこにも該当しない数字のため、前のターンに与えた30点が無効になってしまうことを意味します。ではどのようにダメカンを乗せれば一番効率的だったのでしょうか。
正解は「ドラメシヤに6個ダメカンを乗せる」でした。ドラメシヤにダメカンを6個乗せた場合、相手がどのドロンチからドラパルトに進化してもダメカンが無効になりません。またダメカンを乗せたドラメシヤがドロンチに進化してきたとしても、そのドロンチに3ダメカンを乗せて倒し、残ったドロンチもしくは新しく出てきたドラメシヤに残りのダメカンを乗せると、ダメカンが乗ったポケモン全てが有効ダメージライン圏内に入ります。
採用されているカードやその時の諸々の事情等で一概にこのダメカンの乗せ方が正解だとは言えませんが、一見正解のように見えるものも正解ではなかったというケースがミラーではよく発生します。基本的な立ち回りの項でも書いたように後の展開を予想立てながらプレイしていくことがこのデッキにおいて一番重要なことです。

ルギアチラチーノ対面

相性 五分

この対面では、ルギア側のポケモンのHPが全体的に高いことと、ミストエネルギーの採用によってファントムダイブが有効に効かないことが多いです。ですのでチラーミィを狩り続け、ワンパンされる状況を避けながら1体のドラパルトに攻撃させる回数をなるべく多くさせることで、ファントムダイブの試行回数を増やします。最終的にファントムダイブの効果が3回通れば18個のダメカンをばらまくことができ、そのタイミングでアーケオスを取ることができればサイドの2-3交換ができるのでサイドレースで負けることがなくなります。改造ハンマーとシンオウ神殿を駆使しつつ、適切なタイミングで適切なポケモンにダメカンを置くことで試合展開を優位に進めることが可能です。
*有効ダメージライン
200+60+20=280(200点を当てたルギアvstarをペインスプーン+ファントムダイブの効果で倒せるダメージライン)
60+60+20+20=160(ファントムダイブの効果を2回当てたアーケオスをペインスプーン2回で倒せるダメージライン)
200+60=260(200点を当てたガチグマをファントムダイブの効果で倒せるダメージライン)

ロスギラ対面

相性 五分

ロスギラと対戦するときのポイントは主に3つあります。
①キュワワーへのダメカンの乗せ方
ロスト軸デッキと対戦する時は必ずキュワワーが複数体出てきます。このポケモンはファントムダイブの餌になってくれるので、いつでもキュワワーを倒せるようなダメカンの置き方(入れ替えカートを想定したダメカン配分)をすることが重要です。
例:キュワワー3体にダメカンを4-1-1と乗せることで入れ替えカートを4回使わない限りファントムダイブ圏内のキュワワーが存在し続けることになる。

②ギラティナvを早期に倒すor倒す準備をする
ギラティナvはドラパルトexをワンパンしてくるギラティナvstarに進化するポケモンであり入れ替えカートの対象となるポケモンなので、ギラティナvが出てきた際は優先的に倒す、または倒す準備をしましょう。具体的には、ファントムダイブの200点をギラティナに乗せ、次のファントムダイブ+ペインスプーンの圏内に入れておくプレイが重要になります。

③ツツジ圏内に容易に入らない
ロスト対面で一番気を付けたいのがツツジ連打からの捲り展開です。ですのでサイド4枚の状態でなるべく盤面にダメカンを貯め、サイドの複数枚取りを意識することが重要です。

ミライドンex対面

相性 微不利

この対面はミライドンデッキの方が先に動き出すことがほとんどなのでミライドン側の回り方によって優劣がつきます。
ドラパルト側が目指すのはドラパルトexしか存在しない盤面です。ごっつあんプリファイのサイド複数枚取りによる試合のペースアップを避けたいので、ドラパルトラインのポケモン以外はなるべく建てずにドラパルトexで攻撃を受けることでファントムダイブの試行回数を増やしましょう。基本的に3回ファントムダイブが言えれば勝てる対面なので、ネオアッパーエネルギーやロストスイーパーを駆使しつつ戦えば勝機はあります。

サーナイトマシマシラ対面

相性 不利

この対面はドラパルト側がいかに早くファントムダイブを打てるかが一番重要なポイントになります。無傷キルリアが2体以上いて、マシマシラも建っている盤面を作られたらほぼ負け確なので、ボスを使いながら相手の盤面崩壊を目指しましょう。実際CLで当たったサーナイト2戦のどちらも先2ファントムダイブから盤面を崩壊させて勝利しています。
*tips:キルリアorラルトスに2点ずつダメカンをばらまくことを意識すると、ファントムダイブ圏内のキルリアを複数体作れると同時にマシマシラの効果を強く使わせないことができるよ!しかし最初のファントムダイブで2点ずつダメカンをばらまいてしまうとムーンライトリバースで返されてしまう危険性があるので注意しよう!

パオジアンex対面

相性 有利

この対面は基本的にセビエを枯らすことを意識して戦います。序盤にセビエを枯らすことができなかった場合は方針を変え、ビーダルとセグレイブにダメカンをばらまき、デヴォリューション+ナンジャモから捲る展開に持ち込みましょう。相手が先2キャンコロ手裏剣とかを決めてこない限りは上記どちらかは概ね成功するため基本的には負けない対面です。

ピジョリザ対面

相性 五分

この対面は単純に殴り合うだけではダメージレースで負けてしまうので、アタッカーの準備をさせないターンが必要になります。アタッカーの準備をさせないために重要なポイントは主に3つあります。(ポイントは優先度順に記載しています。)

①ポッポを狩る
ポッポを狩ることでデッキの生命線であるピジョットを建たせないことが可能になります。ファントムダイブを打つ際には相手の場に出ているポッポの枚数を確認し、ポッポを場から枯らすことができる場合は積極的にポッポから取っていきましょう。

②フレアヴェールのリザードを建たせない、もしくは倒す
ポッポを枯らすことができなかった場合は、フレアヴェールのリザードを建たせないような立ち回りを意識することが重要です。ピジョットとリザードが建ってしまった場合、ミストエネルギーやかがやくアマージョのエレガントヒールの効果によってファントムダイブの効果を有効に使うことができません。そうなってしまうとドラパルト側のすべての動きが後手に回ってしまうのでリザードを建たせない意識で攻撃をしましょう。

③デヴォリューションを使う
デヴォリューションを使用し、サイドをとりながらピジョット、リザードン、リザードを場から消すことができると、相手のアタッカーを途切れさせることができます。かがやくアマージョの存在に気を付けながら常にデヴォリューションを打つ想定をしながら動きましょう。

未来バレット対面

相性 五分

未来バレットはドラパルトデッキに対して基本的に

①後攻1ターン目にアクセルピークミライドンでサイドを1枚取りながらテツノカイナexにエネルギーを付ける  
          ↓
②テツノツツミのハイパーブロワーorプライムキャッチャーorカウンターキャッチャーorボスの指令を使いながらテツノカイナexのごっつあんプリファイでサイドを2枚取る
          ↓
③テツノカイナのアームプレス+ごっつあんプリファイをドラパルトに当ててサイドを3枚取る (②と③は順不同)

上記のような、サイドを1-2-3もしくは1-3-2の順番で取ってくる最低4ターンかかるサイドプランを取ってきます。
なのでドラパルト側には確定で3回の攻撃チャンスがあります。ですがドラパルト側はサイド2のポケモンを呼び続けない限り3回の攻撃ではサイドを取りきれません。(初めの攻撃は概ねミライドンにすることになるため) ここで重要になってくるのが、相手のエネルギー供給を途絶えさせるという点です。未来バレット側はサイドプランを完遂するために最低でもテツノカイナを2体使ってくることが分かったと思います。つまりこの2体目のテツノカイナの起動を遅らせることができれば、ドラパルトが4回攻撃することが可能になり、サイドを取り切れるようになります。未来バレットがテツノカイナの2体目を起動させる時に1番良く使う手段として道具「ヘビーバトン」とグッズ「エレキジェネレーター」が挙げられます。この2枚を上手く使わせないことができれば2体目のテツノカイナの起動を遅らせることができるので、ナンジャモを打ちながらエレキジェネレーターを牽制し、ヘビーバトンを貼られた場合はロストスイーパーを使って剥がすことで相手に理想の動きをさせないようにすることができます。もしくは、③のアームプレスを打ってきたタイミングで、ナンジャモを使いながらダメージを負ったドラパルトをベンチに下げて新しいドラパルトで攻撃し始めることで、相手に呼び出し札を要求し、勝機を伺うことができます。
※ちなみにお守りを貼ってきたテツノカイナのHPは200+60+20の圏内なので、入れ替えカートを上手く使われない限りはサイドプランにそこまで影響は出ません。

ハピナスマシマシラ対面

相性 不利

この対面は不利対面です。勝機を作るためには、ラッキーを狙う意識で攻撃できるといいです。ハピナスが2体建ってしまうとダメージレース的に勝てなくなります。なので何とかしてラッキーを取り続け、ダメカンを乗せたハピナスをファントムダイブ一回で取れるようにするとワンチャンをつかめます。

ライコオーガポン対面

相性 微不利

この対面ではドラパルト側に3回攻撃できる権利があります。つまりサイドレース的にはそもそも勝てる対面なので、あとはこの三回の攻撃でサイドを取り切れるのかどうかという相手との要求の勝負になります。

理想のサイドプラン
①タケルライコに200点、イキリンコに6ダメカンを乗せる
         ↓
②ペインスプーンでタケルライコに乗っているダメカンを2個イキリンコに移す。その後タケルライコを倒し、イキリンコに6ダメカンを乗せる
         ↓
③ペインスプーンでイキリンコに乗っているダメカンを1つオーガポンに乗せる。その後オーガポンを倒しながらイキリンコにダメカンを乗せて倒す

ロストスイーパーを使いながら上記のサイドプランを通すために頑張りましょう。
*理想のサイドプランでイキリンコにダメカンを19個乗せているのは、いれかえカートをケアするためです。

ゲッコウガex対面

相性 五分

この対面はゲッコウガ側がどんな型であれ、基本的には先殴りを成功させた方が勝ちます。意識すべきポイントは二度のデヴォリューションから復帰できるようにする盤面づくりを心掛けることです。現在ゲッコウガデッキのほとんどがデヴォリューションを2枚採用しています。ですのでデヴォリューションでアタッカーの継続を途絶えさせられてしまわぬように、ドラパルトexを2体用意した状態でサイドを取り進める等のデヴォリューションケアをしながら試合を進めていくことが重要です。


古代バレット対面

相性 有利

理想のサイドプラン

①バトル場のポケモンを倒しながらかがやくゲッコウガにダメカンを6個乗せる。
          ↓
②バトル場のポケモンを倒しながらダメカンの乗っていないトドロクツキにダメカンを6個乗せる。
          ↓
③ペインスプーンを使い、かがやくゲッコウガのダメカン2個をダメカンが乗っているトドロクツキに乗せる。その後バトル場のポケモンを倒しながらダメカンの乗っているトドロクツキを倒す。
          ↓
④バトル場のポケモンを倒す
          ↓
⑤バトル場のポケモンを倒す

この対面では上記のようにサイドの複数枚取りをするターンを作ることでドラパルト側の攻撃回数を5回までに抑えること、またドラパルト2体に攻撃当てさせることで相手の攻撃回数を6回にさせることで確実にサイドレースの有利を作り出すことができます。必要に応じてロストスイーパーや崩れたスタジアム、また手札干渉を行うことで有利盤面を形成させましょう。

CL札幌雑感

今回のCL札幌は新弾発売から一週間での開催であったため、どこまで環境が進んだ状態で本番を迎えるのかを予想することが非常に難しかったです。しかし今回のCLには比較的しっかりとポケモンカードをプレイしている層の参加が多いと予想できたため、CL直前の環境の半歩先くらいのデッキを組めば新しく出てくる強い構築にも戦えると考え、調整を重ねていました。元々私は調整期間のほとんどをネイティオ+ポケモン回収サイクロンの形で回していたのですが、知人との練習を重ねるうちにミライドンやサーナイトが環境的に非常に強いことが分かったのでドラパルト側はよりスピードを意識した構築にしなければならないと感じたのがそもそものネオアッパーエネルギーを採用しようと思ったきっかけでした。結果的にネオアッパーエネルギーの採用は大的中しほとんどの試合でMVP級の活躍を見せてくれました。練習仲間と様々な意見を交換しあいながら怒涛の勢いで迎えたCLだったので、なんだかとても新鮮で最高に楽しかったです。
また今回は知り合いが多く参加していたので、彼らと毎試合励ましあいながら戦えたのも最高でした。ベスト4と8に直前まで一緒に練習していた方々が入賞されていたり、Day1の魂の最終戦では知人の大吉さんが隣の卓で全てのカードを引かれて負けていく場面を目の当たりにするなど、刺激的な大会でもありました。

改良版リスト

CL札幌Day1のリストからの変更点並びに変更理由

シンオウ神殿 1枚→0枚
ルギアのシェア率が減少したため不採用

ナンジャモ 3枚→2枚
試合終盤のドローサポートとしてのバリューが低いため、2枚採用に変更

ネストボール 3枚→2枚
ナンジャモ、博士の研究を採用する価値の方が高いと感じ、CL前に回していた原案と同じ2枚採用に変更

カウンターキャッチャー 1枚→2枚
タケルライコオーガポンやロストバレットなど、サイドを先行してくるデッキの増加により、2回使わなければいけない展開が増えたため、2枚採用に変更

ツツジ 0枚→1枚
ドロンチを狩られながら試合を展開された場合、試合終盤に手札を大きくリフレッシュする価値が非常に高いため採用。またナンジャモの採用枚数を減らした分、互換性を保つために採用

博士の研究 0枚→1枚
ツツジの採用理由とほぼ同じ理由での採用。ツツジを2枚にするよりも使い勝手が良いと判断

更新履歴

5/14 各対面解説の項にピジョットリザードン、未来バレット、ハピナスマシマシラ、ライコオーガポン、ゲッコウガex、古代バレット対面を追記。
採用候補カードの項を追加。
5/18   改良版リストの項を追加。


最後に

ご購読してくださり、またここまで読んでくださりありがとうございました!
まだ精査しきれていないカードや対面が残っているので、随時更新はしていきたいと思います。
また不明点や質問等ございましたら@Miz_pirloまでお願いいたします。
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