マンガっていうかセリフだなって思った

私を構成する5つのマンガ、って目に入ったから少し考えてみた。ちょうどまだ今日は何書くか決まってなかったし、他の候補はGWは毎年外出してない話とかだから。

ちょっと考えてみて、マンガっていうかセリフで出てきてしまうな、と思った。やっぱり私に大切なのは言葉なんだろう。おかげで言葉を商売道具に出来ているんだからありがたい。言葉が大事だから私に起こったこととしては、洋楽があんまり聞けない。歌詞の意味がちゃんとは理解できないな、と思ってしまうから。言葉は文化なので、ネイティブの話者じゃないと理解できないニュアンスがあるだろうな、と思うと何かやる気が無くなるのだ。でも翻訳の文学や映画は見る。都合のいいこだわりだ。

①CLAMP  X 食べるということは、生きるということ

なんか前も書いた気がする。嵐っていう黒髪ストレートの巫女さんのエピソードの言葉だ。驚くほど軽薄な紹介で引くようなキャラクター紹介だ。書き込みが多い方のクランプの絵柄なのでめっちゃ美人だ。食べるということは、生きるということ。このセリフで軽い拒食が治ったのだからすごい威力だったんだろう。孤児かなんかだったこの人が食べなかった時に、食べることを促されたエピソードが絡まってる。原典が手元にないので詳細が確認できない。食べるって誰でも出来ることで、生きる意志表示が出来るっていうのはすごいことだ。意志なんだよ。ただ生きてるんじゃなくて、毎秒生きるって選択をしてるから私たちは生きている。じゃなかったらふとした瞬間に電車のホームでミンチになってる。少なくとも私はそう思ってる。そうならないのは、私たちが生きようと思って生きて、今日も食べているから。

②萩尾望都(光瀬龍) 100億の昼と1000億の夜 私はここだ

やばい。二つめからもううろ覚えが極まって本当にあるセリフか怪しくなってきた。これも手元にない。実家にある。買おうかな…。しかもググって初めて原作付きの話だと知った。正直あらすじは全く説明出来ないのだが、プラトンと阿修羅王とシッタルダ(釈迦)が世界の再創造をしようとする大いなる力を持った何者かと戦うような話だ。バトルマンガではない。思想のせめぎあいというか、なんかそんな感じだ。恐ろしく説明出来ていない。宗教や伝説をベースに、それぞれの信念とエゴに従って動くような話だ。ラストで、もうその場にとどまれなくなった3人がオリハルコンと3人の力を合わせて虚数の海を通って別の場所へワープする。ワープできたのは阿修羅とプラトンの杖のみで、阿修羅は杖を持って一人また歩き出すというのがラストなのだが、そのワープを通っている途中のセリフだ。虚数の海なので真っ黒で表現されている。阿修羅がその中で「どこに行ってしまったのだ」とともにくぐった二人に呼びかける。そうすると「私はここだ」と返ってくるのだが、もうすでに虚数の海に溶けていることが示唆されている。絵とかで。一緒に力を合わせてここまでたどり着いても、その先には共にいけない。「私はここだ」という言葉と、一人だというコントラストが強烈に残っている。私はここだ。自分の人格が部屋の中で溶けてしまいそうな時につぶやくことがある。これも意志なんだと思う。望めばそこにいるし、望むことをやめたら虚数の海に溶けてしまうんだ。

③平野耕太 ヘルシング 俺の心も魂も命も俺だけのものだ

やっと原典が手元にあるマンガになった。ラスボスの少佐のセリフだ。吸血鬼がいるんだけど、吸血鬼の異能がめちゃくちゃ強いんだけど、死にかけの少佐に吸血鬼の血が契約を持ち掛けようと忍び寄ったところを少佐がきっぱりと拒絶するシーンのセリフだ。権力も世界も強さも永遠の命も恐らく求めているが、吸血鬼の血などという自分のものでないものを、意志を持った他者を自分の体に入れることを拒んだシーン。自分の範囲、自分のことは自分がすべて決めるという強さだと思う。なんかカッコいい感じに書いてるけど別に好きなキャラではないし、この後サイボーグ化するからなんかすごい超人なわけではない。ヘルシングで一番好きなシーンはベルナドットさん(傭兵)がセラス(ヒロイン)を抱えて逃げる時にセラスが泣きながら名前を呼んでるシーンです。全マンガで一番好きなシーンかもしれません。前後も含めて。他の誰かのために、生きるための信念を曲げて、背中を預けたかった相手を背負って道を切り開く、みたいな感じだと思います。

④清水玲子 竜の眠る星 ジャックを忘れたりしたら私が許さない

エレナとジャックのシリーズはだいたい全部好き。ルイスっていう女の子のセリフなんですけど、ジャック(ロボット)とルイス(人間)は恋人同士なんですよ。ルイスも結構やべーやつなんですけど、ルイスはジャックとエレナ(セクスレス、性別がないロボット)が一緒に仕事してたりなんか時々いい雰囲気だったりするのが気に入らない。エレナが一方的になついてるけどジャックもそれを良しとして依存させてるし、ルイスとしては気にくわない。でもジャックが色々あっていなくなっちゃって、そうするとエレナに強いストレスがかかるので、エレナの自己防衛として「ストレスのかかるメモリーが消える」ってことが起きるかもしれない、って時のセリフですね。説明なっが。つらいことや悲しいことを忘れたら、多分その人の人格って変わると思う。失敗も傷つきも肯定できないようなことも全部今の人格を形成してるから。だから、忘れたら許さないっていうのはすごくエゴに満ち溢れた、人間の、感情的なセリフですごくいいと思う。忘れた方が楽だったとしても、ルイスの生活にはエレナがいない方が幸せかもしれないのに、忘れたら許さないのだ。無かったことになんかできない。Ctrl+Zは人生には無いから。それが生きるってことでは?

⑤冨樫義博 幽遊白書 右ストレートでぶっ飛ばす、まっすぐ行ってぶっ飛ばす

主人公が心を読む敵に対して、めちゃくちゃ右ストレートでぶっ飛ばすって強い意志をぶつけて相手の反応速度より早くまっすぐ行って右ストレートでぶっ飛ばすシーンですね。まっすぐな意志の強さがストレートに好きです。これはもう言葉が好きっていうのとは違うかもしれないんだけど、めちゃくちゃ語感がいいんですよ。頭の中で唱えてください。右ストレートでぶっ飛ばす、まっすぐ行ってぶっ飛ばす。字にしてもちょうど同じ長さになるようになってて、もう実際のコマが一番いいんだけど。ググったらたくさん出てきた。なんかこう、人間関係で疲れた時とかに頭の中で唱えている。何考え立って無駄なんだから、右ストレートでぶっ飛ばす。私が思うように生きるのがきっと一番いいと思う。

5つ挙げた。うろ覚えが多すぎる。萩尾望都の本はまさかの一冊も無かったので、買おうかなと思った。なんで無いんだろう。元々覚えるほど読むので、ほとんど覚えていたから何となく買わなかったんだろう。実家の萩尾望都の本は母のものだし。

マンガたくさん読むけど、こういう風に考えることはあまりなかった。他にも血界戦線の「手始めに世界を救うのだ」とか好きなセリフはたくさんあるけど、私を構成するってタグならこうかな、と思う。どれも思春期以前に読んでるセリフだ。

文章の終わり方が分からない。多分、自分で書き始めたものじゃないからだろう。こういうの書くのは思ったより楽しかった。楽しかったな。

#私を構成する5つのマンガ

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