「ロ・ギワン」感想


『ロ・ギワン』を見た。

『太陽の末裔』からソンジュンギにハマって、
『トキメキ☆成均館スキャンダル』『ヴィンチェンツォ』『財閥家の末息子』とかソンジュンギが出演する様々なドラマを経て、
今回の『ロ・ギワン』に辿り着いた。


普段だったらあまり選ばない題材で、
あらすじの内容から観るのに抵抗を感じていたが、
ソンジュンギの演技が見たいし、観てみて無理だったら途中でやめよう、、、!と心に決め、いざ視聴開始。

血が苦手問題

最初から結構な量の血が出てきて、
序盤から目を覆いつつ画面を見ることになった。

なんで血が滴る道路を掃除しているんだ、!?
この後も結構血が流れる内容なのか!?と動揺したし、
何より掬い上げられる血が生々しくて、
まだ始まって数分なのに映画視聴を断念しそうになった。

医療ものとかはまさにそうだが、
生々しい血は具体的な死を感じて苦手だと感じる。

漫画ならグロくてもある程度大丈夫だが、
映画やドラマだとリアルすぎるので見るのがきついのだと思う。


私がドラマや映画を見るより漫画や本を読むのが好きなのは
程よくフィクションを感じられるからなんだろうなあと思ったりした。


難民の人の苦難


ギワンが公衆トイレで日々を過ごす姿や
瓶やゴミを集めてお金を稼いでなんとか生き抜いていこうとする姿は痛々しくて、
見ているのが辛かった。


難民の人のリアルは本当にきっとこんな感じなのだろう。
私たちの当たり前の生活にたどり着くことが、
この人たちにとってはとても難しいことなのだ。
こういう姿を見ると感情移入してしまって苦しくなる。

余談だが
生きるのになりふり構わない他人の姿を見て
憐れみを感じることは、何かモヤモヤする。


誰かを憐れむのは自分がその人たちより豊かであることを認めているようなものであり、
誰かを下に見ている感情なので、いい気がしないのだろうか。


私が誰かに憐れみの感情を持たれたくないので
余計に誰かにその感情を抱くことにモヤモヤを感じるのかもしれない。


また映画を見ていると感じるが
他人の不幸をエンタメとして消費するのはどこか心苦しい。
本以上に映画というものはリアルなので、人物の顔が、不幸が、リアルに想像できてしまい
不幸をコンテンツとして消費している感が強くなるのが原因だろう。

だがこれもなんか偽善的な感情だなぁと感じてまた頭を抱えるなどする。

....話が脱線してしまったので、映画の感想に戻ろうと思う。


裏切りと優しさ

裁判の場での同志の裏切り、しんどかった。

一度信じてみたいと思った人に裏切られた時の落差はしんどいと思う。

むしろそうなら最初から裏切ってくれたほうがいい。
そうすれば何かに期待しなくて済む。

裁判の場でのギワンの感情が痛いほど理解でき、苦しかった。


同志が事情を説明しにきたが、ギワンが許さずに去る場面にすごく共感した。

同志がどれだけ言葉をつぐんでも、裏切った後の言葉は全て言い訳にしか聞こえないだろう。
悲しい現実ではあるが、結局はその人がした行動が全てだからだ。

また、その後のパトカーに乗る同志をギワンが見つめる場面は心苦しかった。
相手に事情があり、相手も必死だったということを認めてしまうと、自分が裏切られた事実が曖昧になる気がしてしまい、うまく消化しにくくなる。
きっとギワンもそんな感情だったのではないだろうか。

ただ同志が償おうと新聞社各所を回って
お母さんの死亡が記載された記事を送ってくれた場面は涙が出た。


口だけでなく罪滅ぼしをしようとしっかり動いてくれるのは
その人にとっての裏切った相手への感情の重さが伝わってきて尊いと感じる。


その行動で裏切りを許すか許さないかはまた別だが。


安楽死問題

結構突っ込んだ内容だと感じた。
安楽死、どうなんだろう。

マリのお母さんが
マリに罪悪感を持たせたくないから、お母さんとお父さんの意思で安楽死を選択したことは秘密にしてほしいと頼む部分がとても印象的だった。

病人を支える側が精神的にも肉体的にもあまりにも限界で、
相手もこの先回復する見込みがなかったり、
もう相手も生きているのが辛いと感じていたり、
あるいは経済的にも治療が難しかったりする場合に
安楽死を選択する他ない場面はあるかとは思うが、
通常の倫理観を持っていたら、死を選択させてしまったという罪悪感はずっと残ると思う。


自然ではない死である以上、そうだと思う。

だが死ぬ本人からしたら、苦痛がないに越したことはないし、
誰かの負担になっているという地獄から抜け出せるので
安楽死の方が良いのかもしれない。

ここは難しい問題だと思う。
この映画では結局お父さんに罪悪感が残ってしまっていた。

ソンジュンギの演技

私の見てきたドラマのソンジュンギはいつもキラキラしていたので、
今回の映画とのギャップに最初は頭が追いつかなかった。


綺麗なソンジュンギだけ見ていたかったという気持ちと、
役の幅広さに感心する気持ちと両方を抱え複雑な心情だった。


けどやっぱりキラキラ自信のあるソンジュンギの演技が好きなんだ.......。


総じて、色々な社会問題が詰め込まれていて、
結構考えさせられる内容だった。
たまには今回のように食わず嫌いせずに見るコンテンツを広げていきたいと思った。


終わり。

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