すえもり

陶守(すえもり)。アマチュア物書き。エセ西洋ファンタジー・読書記録・本屋巡りエッセイ等…

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陶守(すえもり)。アマチュア物書き。エセ西洋ファンタジー・読書記録・本屋巡りエッセイ等。本職は本の管理とかする人 https://lit.link/suemori

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  • へそ日記

    日々の由無し事を綴る日記です。 各回タイトルでジャンルがわかるようにする予定です。

  • 短編小説

    オリジナル小説

  • 【エッセイ】もういちど、ブラッチェ

  • 【短編小説】下鴨カルテット

    短編の本文は無料でお読みいただけます。 各パートの有料部分には長編のプロローグのプロットや、未収録部分を収録しておりますので、 もし気に入っていただけましたら、応援ついでに是非。

最近の記事

【創作雑記】響け!ユーフォニアムと人間関係について

この春くらいから『響け! ユーフォニアム』を見始めた。 いまは三期を追いはじめたところ。 今になって追いかけているのは、自分がオーケストラものを書くにあたって、音楽系の部活ものの有名どころにはあたっておこうと思ったから。 本当は最後まで見てから書くべきだと思うのだけれど、ここまでのシナリオの作り方を踏まえると、この作品の結末には裏切られないだろうと確信を持ったので、書いておく。 ♭♯♮♭♯♮♭♯♮♭♯♮♭♯♮ この作品は、楽器がうまくなるプロセスよりも、人間関係に焦点

    • 【健康雑記】冷凍食品通販やってみた①

      料理があまり得意でない。 それで今までは、晩ご飯は週に1回の外食を自分に許していた。 予算は千円以内。好きな飲み屋さんがコロナを機に始めた、お弁当のだし巻きが美味しくて、おかずのみ650円のものをよく買っていた。 しかし、立地が職場と家のちょうど中間で、寒い冬にわざわざ買いに行くにはやや不便だった。 そこで、インスタの広告に流れてきた冷凍商品を注文してみることにした。 一度保存すると、どんどんいろんなメーカーの広告が出てくる。 日清、POLA、カゴメ…… 中でも美

      • シルバー・フイッシュが泳ぐ午後《後編》 ※後書きのみ有料

        前編はこちら↓ ✦最後にご購入いただいた方向けの後書きがございますが、本編は最後までどなたでもお読みいただけます。  ユリが口にしたのは、もちろん、そんな残酷な質問ではなかった。 「あのね、ハルくんは昔からピアノにしか興味なかったでしょ。大学では続けてね。きっとサークルがあるでしょ」  居間の壁際の、数ヶ月前までアップライトピアノがあった空間の床は、真新しい木の色をしていた。母の嫁入り道具で形見でもあったヤマハは、継母が黙って売ってしまった。大学受験で僕が弾かなくなっ

        ¥100
        • シルバー・フィッシュが泳ぐ午後《前編》

          ✦『下鴨カルテット』の主人公の過去編ですが、前作を読んでいなくても問題ありません。 ✦前作はラブコメ調ですが、当作品は少し毛色が違います。暗め・特に何も起こらない作品が大丈夫な方向け。 ✦後編の最後に、ご購入いただいた方向けの後書きがございますが、本編は最後までどなたでもお読みいただけます。  居間のソファで本を読んでいる最中、僕が本の文字の上を走る紙魚に気付くのと、紙魚が僕に気づかれたことに気づくのは、ほぼ同時だったと思う。  慌てふためいて進むべき方向を決めかねた紙魚

        【創作雑記】響け!ユーフォニアムと人間関係について

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        記事

          もういちど、ブラッチェ【3】川の向こう岸まで

          楽器屋で『あまり弾かないと思います』と言ったにもかかわらず、 あの輝かしい音色を聴いてしまったあとの私は、ちょっと試しに弾いてみたい気持ちになっていた。 夏の盛りの、夕方だ。 オレンジ色の光が川面と雑草を染めていた。 河原のベンチが近い適当なところに自転車を停めた。 弓の銀線は、掃除をしたときにも気付いていたことだが、学校楽器のように酸化して黒ずんでいた。 革も、ちょっとベタついていて、明らかに経年劣化していた。 それほどの時間が経っていたのだ。 悲しいというべきか

          もういちど、ブラッチェ【3】川の向こう岸まで

          もういちど、ブラッチェ【2】鴨川右岸の弦楽器工房

          盆休み中は楽器屋が休みだったので、明けてすぐの週末に行くことにした。 ↓前回 たぶん預けることになるだろうと思ったので、行く前にもう一度すみずみまで綺麗にしておくことにした。 弓の銀線は随分黒ずんでいて、学校楽器のようだった。革との境目には緑青が浮いていた。 これは拭いてもダメだった。 f字孔から中を覗くと、ほんの少しばかり変色したシミが数カ所あるようだったが、もこもこしているわけではなさそうだった。 とりあえず、アルコールを含ませたウェットティッシュで顎当てとケー

          もういちど、ブラッチェ【2】鴨川右岸の弦楽器工房

          もういちど、ブラッチェ【1】カビの生えた顎当て

          自室の床に座る。 目の前にあるのは、楽器ケースである。 上の方が細くて下のほうはすこし瓢箪型のカーブを描いている。しかしギターケースほどの横幅はなく、厚みがある。 背負うと、首の上のほうからお尻の下のほうにちょうど当たるくらいの長さだ。 もちろん、こいつの中身はP90ではない(ガンスリンガー・ガールがわかる人、挙手)。 楽器だ。しかし、ヴァイオリンではない。 ヴィオラである。 ヴィオラってなんですか、と聞かれると、ヴァイオリンより一回り大きくて弦一本分低いやつで

          もういちど、ブラッチェ【1】カビの生えた顎当て

          下鴨カルテット おまけ(カルテット動画集)

          参考にしたカルテットの動画です。 ♪OP 一番易しそう。みんなもっと笑って ♪OP・ED 誰が何を弾いているか見やすいカメラ位置ですが、途中ブレあり。目配せと笑顔がいいですね ♪風 映画の解説付き。作中でピチカートはやっていないと思います。忘れていました ♪風 オーケストラ版 チェロのソロ。この感じを想定していました ♪ねこ 私が弾いたオーケストラ版はもう少しラクで、それを想定していました。この動画のアレンジはハルキには厳しいでしょう ♪ト◯ロ ちょっとリピート部

          下鴨カルテット おまけ(カルテット動画集)

          下鴨カルテット part C

          ♫購入者特典のおまけは、当作品に収録しきれなかった打ち上げパート約2200字です 「再試? 日程がかぶった!?」  練習場で伊達から試験に落ちたと聞いたとき、僕は膝から崩れ落ちそうになった。 「僕の練習に付き合わせたせいだ」 「ちげーよ、俺がサボってたんだって。ほんっとにすまん。あと一週間だけど、今からやってくれそうな人っているか……?」  まだ試験期間中なのに、先輩に無茶なお願いはしづらい。アベレージに今からファーストをやらせて代わりのセカンドを探すなんてのも無理

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          下鴨カルテット part C

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          下鴨カルテット part B

          ♬有料部分には、おまけとして長編版のプロローグのプロット後半約1400字を収録しております  ひと通り自分で楽譜をさらったあと、僕は軍曹を捕まえて見本の演奏をしてみせてほしいと頼んだ。  五線譜の上に整然と並んでいた音符たちは意思を持った生き物のように立体的に立ち上がり、表情豊かに飛び跳ねた。彼女は弾くまえに初見だから大した演奏はできないと言っていたが、僕は聴いているうちに息することさえも忘れてしまいそうになっていた。  弾き終えると、彼女は楽譜に弓のアップダウン記号を

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          下鴨カルテット part B

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          下鴨カルテット part A

          ♬有料部分には、おまけとして長編版のプロローグのプロット前半約1650字を収録しております ♬構想中の長編作品の一部読切版の短編です。part A〜Cまで、各5000字程 ♬2023年7月のぽんつく堂さんのすりすり会参加作品 ♬月丘ちひろ氏には主にキャラクターを担当していただきました  蝉がわんわんと川の両脇で大合唱している。太陽が傾いた空に浮かぶ入道雲は、食堂で盛りすぎて失敗したソフトクリームみたいだ。  賀茂大橋を市バスと乗用車が途切れなく行き交い、すぐ脇ではカップ

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          下鴨カルテット part A

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