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離乳食で大事なことを思い出す

先日友人から
離乳食について相談があった。
私は管理栄養士でもないし
小児科医でもないし
飲み屋の女将じゃーんって思われるかもしれないけど
4人の子どもの母ちゃんでもあったわけで
離乳食からはだいぶご無沙汰しちゃったけど
経験値は豊富で
以前は「離乳食ワークショップ」
なんてのもやってたのだ。

もう8年前になるね、離乳食WS

私だって新米ママだった時があったのよ。
当たり前か。
4人も産んだのに
母親学級には一度も行かず
(特に確固たる理由はなかったけど)
育児本も大して読まず
でも食については色々と勉強していた。

生きとし生けるものが欠かすことのできない食。
半年前に産まれたばかりの赤ん坊
やっとミルクや母乳以外のものを
口にする瞬間。
調べてもテンプレートのように
6カ月にはこれを
7カ月にはこんなのを
1歳になる頃にはこれを!
ってお決まりのフルコースが決められていて
そのフルコースに乗り切れないママは
なんで?うちの子だけ?
って他にも悩みはいっぱいあるのに
もう一つ悩みが増えるわけだ。

どれどれそのフルコースとやらに
どんな意味があるのだ
とへそ曲がりな私は調べまくって
大事なことはたった2つなんじゃないか
という考えにたどり着いた。

1つは『咀嚼』。
少しずつ噛む力を育てていくってこと。
まだ歯が生えていない赤ん坊に
すっ飛ばして大人と同じか
もしくは多少硬くても飲み込むから大丈夫と思って与えると
内臓はまだ未熟なもんで消化し切れなくなったりする。
噛む力は大人になってもとても大事。
なんちゃらゼリーみたいなものばっかりだと
脳の働きにも影響があるらしい。
テンプレートに書かれている
ゴックン期、モグモグ期、カミカミ期、パクパク期って
それなりに意味があるように感じた。
段階を踏む必要はかなりある。
「飲む」から「食べる」までの練習だからね。

もうひとつは、『食べるって楽しい』を教えること。
離乳食で摂取できる栄養素なんて
実はたいしてなくて
粉ミルクや母乳のほうが断然優秀。
だけど一番大事な『食べる楽しさ』は
お母さんやお父さんと一緒に食べながら得られる喜び。
眉間に皺を寄せて
必死になって食べさせてるママを見たりすると
一緒に美味しいね~って食べなよ〜って思う。
1時間掛かったっていいじゃないか。
楽しければってね。
多分栄養士さんとかにはダメって言われると思うけど。
食べることが楽しくなればこっちのモンだよ。
そして感謝にもつながる。

ああ、あと塩分濃度も重要か。
3つめになっちゃうけど
赤ん坊の身体の体積と
大人の身体の体積は違うわけで
同じ塩分濃度のものを与えてしまうと
内臓に負担をかけちゃうし
味覚を育てるという意味でも注意が必要。

あるお母さんが離乳食で悩み
こんな相談をしてきた。

『30代、7ヶ月半の赤ちゃんの母親です。
離乳食を初めて1ヶ月半・・・全然進みません
というか食べてくれません。
2回食に進むどころか
未だに1さじ(ベビースプーンで)食べてくれない日もあります。
心が折れそうです。

お粥も手作り、ベビーフード試しました。
野菜(玉ねぎ、キャベツ、かぼちゃ、じゃがいも、トマト)
果物(ぶどう、桃、バナナ)
食べさせても、二口目からはブーッと吐いたり、ダラダラ口から出します。

そもそも食の細い子か関心のない子だと思います。
完母で育てていますが、おっぱい以外はお水すら口にしません
スプーンだろうが哺乳瓶だろうがダメです(未だに)。
2ヶ月半から遊び飲みが始まり母乳もほとんど飲んでくれなくなりました。
何をやってもダメでした。
寝ているとき、寝かけたときだけは飲んでくれるので
寝かしつけて授乳をしていました。
情けなくて泣きながら授乳していました。
精一杯頑張っても体重は増えず、未だによその子より小さいです。
本当に育児ノイローゼになっていたと思います。
毎日授乳の度に泣いていました。

ようやく「もうしょうがない」と思うようになり
最近、起きているときも少しずつおっぱいを飲んでくれるようになり
少し楽になりました。
が、今度は離乳食です。

今はまだ「大丈夫、大丈夫」と自分に言い聞かせ
赤ちゃんにも笑顔で
「今日は嫌だったね」とか
「ちょっと食べて偉いね」とか笑顔で言うようにしています。
でもだんだん難しくなってきました。

今日、同じくらいの月齢の赤ちゃんが
テレビでパクパク離乳食を食べているのを見て
「いいな・・・なんで自分だけ苦労するんだろ・・・」と涙がでました。

こんなに全然食べない赤ちゃんいますか?
まだ食べなくても食べられるようになりますか?』


赤ちゃんによっては離乳食の進みが遅い子もいるし
後になればそりゃそうだよな、な話なんだけど。
その真っただ中にいるママにとっては
どうする事も出来ない
大きな壁にぶち当たったように感じちゃうんだと思う。

そう!
子どもなんて思い通りになんかならないんだよ、実際。
是非離乳食ではそれを学んでもらいたい。(先生みたい)

出かけると言えば「ウンチ~!」と言ったり
早く食べて欲しい時に限って食べ物をぶちまけたり
お友達と仲良くね、と言っても
そのお友達に嚙みついたり
もう少し大きくなれば
勉強しなさいと言ったってしなかったり
朝早く起きなさいと言ったってグズグズしてたり
時間を守れ(←段々こっちの口も悪くなる)と言ったって
飄々と遅れてきたり

でも、だから子どもなんだよね。
その瞬間は分からないことだろうけど
大人になればご飯も食べるし
お友達にも優しくなれるよ。
自分の子を信じよう。
人間の生きる力を信じよう。



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