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トランスジェンダーについておさらいしてみた

2020/4/15(火) 晴れ

日記ということなので、トップの写真は、原則その日の女装姿を載せてます。たまーに女装できない日もあったりもするので、そういう日にはどうしようか思案中。

ところで、今回も長くなっちゃいました。ちなみにこのマガジン、「日記と称したエッセイ」と位置づけし直したので、今後も長い回はあるかと思います。数行で終わる日の方が多くなると思うけど。

突然だけど、私の性自認は、ずっと揺れていた。

それでも30代中頃までは、自分は男性であり、女装は趣味という感じだった。何かのはずみで、朝起きたら女性になっていたとしたら、それはそれでラッキーという感じ。

それが2003年だったと思うから、40歳になる手前だったかな?

急に女性になりたいと思ったの。

それで、まずヒゲとVゾーンを脱毛した。ヒゲは全部終わる前にクリニックがつぶれちゃったので、まだ残ってる。でも週1で毛抜きで抜けば、全然目立たない程度。Vゾーンは数回で終わった。ショーツから毛がはみ出るのが嫌で剃ってたんだけど、私、肌が弱い方でよくひげそり負けしてたの。

今のひげそりは5枚刃でバイブレータ機能もついてるから、ひげそり負けってほとんど無くなった。ありがたい進歩だよね。

そして髪を伸ばし始めた。かなり強いくせ毛なので、ストパを当ててもらった。まだ会社員だったので、人事部長(女性)とすれ違うとよく注意された。

カウンセリングにも通うようになった。

でも結局、気づいたの。私は体を弄りたいワケじゃないんだと。

気づいた後は、髪を切り、普通の男性のフリをすることにした。実は会社も辞めようとも思っていたんだけど、それから2年ぐらい続けた。その後、転職して、さらに独立したんだけど、普通の男性のフリは続けてた。

40過ぎの女装男子が生計を立てる方法なんか、当時は思いつかなかったから。

また女になりたいと思い始めたのは、2018年ぐらいのこと。

2014年からライター専業になった。コンサルタントとしての事業に失敗し、就活もした。内定もいただいたのだけど、自由な時間が無くなる、というより人様が決めた時間枠の中で働くのが嫌だったの。

できることと言えば、ライティングぐらい。それで「ライター募集」でググって、応募したら、面接があって、お仕事をいただくことができた。

それ以来、ライター専業。しばらくはがむしゃらに執筆していて、女になりたいどころじゃなかった。

2018年、気づいたら50代半ばになっていた。収入も多いとは言えないけれど、安定するようになってきた。時間もかなり空くようになっていた。

その当時、ようやく日本でもLGBTという言葉が普及し始めたんだよね。LGBT関連の記事を見たりしているうちに、私は何なんだろうと思うようになったの。人生何度目かの自分探しが始まっちゃったんだよね。

トランスジェンダーなんだろうか?

LGBは性愛対象の話だから、まああまり誤解はないの。昔は女装していたらゲイ(オカマって言われてたけど)だみたいな誤解もノーマルな方にはあったようだけど、そういうのもさすがに減ったみたい。

難しいといえば難しい話もあるんだよ。たとえば性自認が男性なので性別適合手術を受けた元女性がいたとするじゃない? この人が男性が好きだとしたらゲイなの、どうなの? みたいな。ま、私はゲイだと思うけど、違う見解の方もいるんじゃないかしら?

とはいえLGBはまだ誤解が少ない。

トランスジェンダー(TG)に関しては、もう読む記事ごとに微妙に違う感じだった。

1990年代。私がパソコン通信を始めて、その後急速にインターネットに移行していった頃。当時は、こんな見解が女装者の間では一般的だったと思う。

・TS(トランスセクシャル):性別適合手術を受けたいと思う人。現在のGID(性同一性障害)=GD(性別違和、できればこっちを使いたい)と同じ。
・TV(トランスヴェスタイト):服装倒錯、異性装趣味者。この言葉はいまも健在だが、元々は病名みたいなものだったので、当事者の間ではCD(クロスドレッサー)の方が好まれているみたい。
・TG(トランスジェンダー):TV以上TS未満。ほとんどの時間を自認する性の服装や振る舞いで過ごしているが、性別適合手術は望んでいない。ただホルモン治療をする人は多い(必須条件ではない)。

で、多くのMtFTVはTGになれたらな、つまりフルタイムで女装できたらいいなぐらいの感覚だったと思う。

ちなみにMtFは体は男性で女性になりたい人、FtMはその反対です。

ところが、いつの間にかこの3つをごちゃまぜにTGと言うようになっていた。その上、いろんな記事を見ていると、TVはTGでなかったり、TS=TGだったり、いろんな解釈がある。混乱しているみたい。

まあ、わかりづらいよね。女装する人も、そういうのを気にしない人は、全然気にしない。それにTVからTGに移行したり、さらにTGからTSに進んじゃう人もいる。逆戻りのパターンもある。

逆戻りですごいのはね、1回性別適合手術を受けて女性になったのに、その後男性に戻ったなんて人もいるの。この人はいったい何なのよ?って思わない?

まあ、例外的なことを言い出すとキリが無いけど、例外じゃなくても分かりにくい人もいるわね。

例えばゲイには男に愛されてたくて女装する人がいる。でも性自認はあくまで男性なんだよね。この人はTG? いややっぱりゲイでしょう。

まあ定義なんてどうでもいいという面もある。LGBTでセクシャルマイノリティーを網羅できたと思っていたら、どこに分類していいか分からない人がたくさん出てきた。

それでLGBTの後にどんどんアルファベットを付け加えるようなことが一時期行われていたのだけど、全然足りないことがそのうち分かってきた。

Facebookがセクシャルマイノリティーに配慮して、性別を男・女・その他にしたの。そこまでは良かったんだけど、その他の人は自分で思う「性別」を書いてねってことにしたら、あっと言う間に50を超えちゃったわけ。

もう大混乱ですよ。ということで、今はLGBTQで落ち着いている感じ。

Qはクイアの略で、変態ということですね。その他は全部Qって感じで使われてる。このような言葉は自分たちのことを言う分にはいいけど、他人に使うべきでないとも思うのだけど。「オカマ」って自分で言う分にはいいけど、女装している人を指差して「オカマ」って言うのは良くないのと同じ。でも便利だからQで定着してる。

さて2018年、私が再び自分探しを始めた頃にLGBTQなどいう言葉が普及してきたのだけど、私はTではない気がしていた。当時はね。

自分のことをトランスジェンダーと言うと、「おちんちんとタマタマ、切っちゃいたいの?」と聞かれそうな気がしたの。そうなると、そこから少し面倒な説明を始めないといけない。それが嫌だったのね。

ここまで散々、面倒な説明をしているけど、書く分にはいいのよ。これ読んどいてって言えるでしょ?

で自分はTではなく、たぶんQだと考えたわけ。それで、もう少し細かく言えば何なの?というのを、ちょっとネットで探したわけ。

しっくりくる言葉ってあるのね。「ジェンダーフルイド」というのが出てきたの。

当時はまだ還暦までにはフルタイム女装生活を始めるぞ!なんて意気込みは無かったので、男性でいる時間も半分以上あるかもなと思っていたの。

ジェンダーフルイドというのは、男性と女性の間を行ったり来たり、揺れ動くというものなのね。アーティストに多いみたい。ファッションモデルなんかにもけっこういる感じ。

男性でも女性でもないという人や、男性と女性を兼ね備えているという人っているでしょ? それとは違って、その時の環境や気分で男性にも女性にも変わるというのがジェンダーフルイドなの。

あ、私にピッタリ!と思った。

それで早速、こんなブログを始めたのでした。

1年間このブログを続けたら、何か起こるかなと思ったら、ほとんど何も起こらなかったんだけど(どこかの大学生から論文の材料にしてもいいですかという問い合わせがあったので、二つ返事でOKしたぐらい)、書いている間にいろいろ勉強できたのでよかったと思ってる。

そうこうしているうちに、54歳が55歳になり、とうとう56歳になっちゃったの。55歳と56歳じゃ大した違いは無いとおっしゃるでしょうけど、アラフィフがアラ還になっちゃったわけ。

否が応でも還暦を意識せざるを得なくなっちゃったのです。

還暦かあ、第二の人生よね?  今は定年延長されてるから、そうでもないのかあ? でも私のようなフリーランスには定年もクソもないから、区切らないとセカンドライフも何もないのよ。

で、還暦以降はセカンドライフと無理矢理位置づけて、今度こそ本当の人生(今までが偽物というわけでもないんだけど)を歩もうって気が日に日にしてきて、昨年の暮れぐらいから家で1人でいる時間は原則女装して過ごすことにしたの。

ところがね。いろんなところに書いてるんだけど、私、メンタルが弱いのね。メンタルが弱いとどうなるかというと、落ち込んでいるときは何もかもが面倒になるの。なぜか食事と飲酒だけは面倒でないのだけど、それすら面倒になるときもないわけではない。

でさあ、女装って面倒なんですよ。お化粧はおろか、パンスト穿くのだってかなり面倒。それどころかブラをするのだって面倒。

ということで、私は落ち込むと女装ができなくなる質(たち)だったのよ。ところが昨年末にマインドフルネスというのを知って、メンタルがある程度コントロールできるようになった。少なくとも爆発的に怒ったり、極度に落ち込むことは無くなったの。

さらに自分のメンタルの弱さは、神経症や鬱病によるものではなく自律神経の失調によるものだと言うことも分かってきた。それで自律神経を整えるツボやらお茶やらを試すようになって、不安や落ち込みが長引かなくなったのね。

ということで多少落ち込んでも女装ができるようになったわけ。そうすると、もう基本的に毎日女装するという習慣ができてしまったの。

習慣化すると、しないと気持ち悪いんだよね。年末に久しぶりに妻の実家に帰ったときは女装できなくて泣きそうになった。それで自撮りした写真をアプリで加工する、アプリ女装で気を紛らわせたりしたの。

女装を習慣化させるのと並行に、TwitterとFacebookおよびInstagramの女性垢を取得した。ちなみにnoteは数年前に女性垢を先に取得していたのだけど、放置されていたの。それも復活することにした。

現在は、カミングアウト枠を拡げることに注力している。先週の金曜日もZOOM飲み会があったのだけど、他の参加者の5名とはけっこう長くお付き合いさせていただいているのに、カミングアウトして来なかったの。

だけど5名いっぺんにカミングアウトするチャンスはそうそう無いわと思って、主催者の方にお断りして、女装のまま参加させてもらったりした。

若干1名、やや不快そうだったけど、基本的には受け入れていただけたと思う。

さて、そんな今、私は結局何なんでしょう?

トランスジェンダーだと思っている。先ほどの分類、つまりTS、TV、TGで言えば、TGを目指しているTVですね。セカンドライフはTGで過ごしたい。

そもそもトランスジェンダーの概念が何でこんなに混乱するものになったかと言うと、どうも2006年のモントリオール宣言(正式名所は、「レスビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーの人権についてのモントリオール宣言」。ま、説明不要でしょ?)によるものらしい。

当初は上で言うところの「TS」の権利を守りたかったらしい。何しろ当時はTSって病気呼ばわり。今だってGID(性同一性障害)って言い方をする人がお医者にもいる。「障害」ですよ。それはちょっと気の毒じゃない?

ところがですね、TSって数が少ないのですよ。LGBに比べるとずっと少ない。マイノリティの活動と言っても、あまりに少ないと力を持ち得ないのね。そこでTVやTGも加えてしまえとなったわけ。この人たちもセクシャルマイノリティーであることには変わらないから連帯しましょう、ということだったらしいの、どうも。

らしいというのは、私はその会議の主催者でも参加者でもないのでね。憶測も交じってる。とはいえ、極めて合理的というか「ありそうな話」だと思うの。

LGBTとフェミニストもよく連携する(この2つが仲良くなったり、仲違いしたりしてきた歴史も興味深い)。マイノリティは連携することで数的な力を得るけど、何を求めているかが曖昧になりがち。最終的には基本的人権なんて大きな話になっちゃうんだよね。だけど、それだと求心力を持てなくなるので、くっついたり離れたりするわけ。

難しい。人権運動は。ありきたりな感想でごめんなさいだけど。

まあ、私はこのモントリオール宣言の趣旨に賛同して、自分のことをトランスジェンダーと言うことにしたのでした。

ということで、トランジェンダー・プライド・フラッグをば! 写真のない日はこれを載せることにする。

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長いお話でした。ごめんなさい。

さてヨメが先週から在宅勤務なんですが、週1回程度出社することになっています。今週は今日でした。

このご時世、ヨメが自宅にいてくれるだけで心強い。今まで通りならまだよかったんだけど、在宅勤務が始まったので、いないととっても心細いの。

やっぱり私、男らしくはないねw

心細いのもあって、今日はたくさん書いちゃった感じ。明日からはこんなに長くはないと思います(思いたい)。

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夕方からはこんな格好でお買い物にいきました。ネックレスして買い物にいくような奥さん、この辺にはあまりいないので、いらなかったかなw

ふだん家でアクセサリーはしない方なんだけど、今日はちょっと気分を上げたくてつけてたの。それを忘れて、そのままつけて外出したのでした。

世の中大変なときにこんな日記を始めても、ほとんどの方はそれどころじゃないと思う。ただ明日は不条理に死んでいくのかもしれないと思うと、こんな日記でも書いている本人には愛おしいのです。

分かってくれとは言わないけれど、書かせてくれとは言いたいのでした。

自分のしたいことと向き合うことで、わたしはしあわせになれたと思っています。わたしの生き方を知って、ちょっとでも癒やされる人がいればいいなあという気持ちで書いています。スキやフォローは本当に励みになりますので、よろしくお願いいたします。